コア技術と事業モデル

コニカミノルタ株式会社*1(以下、「当社」)は、「新しい価値の創造」という経営理念のもと、2014年度より新中期経営計画「TRANSFORM 2016」*2を始動させ、お客様に密着しながら、ビジネスモデルの転換を進め、事業の高付加価値化を図る施策を進めています。そして、5年後に目指すべき姿として、「お客様視点でハード・ソフトを包括的に提供するバーティカルサービス事業」および「材料技術を核としてオンリーワンの部材を提供する高機能材料事業」という事業像を描いています。

このような理念・目標の達成に向けて、事業活動を知的財産面から支援すべく、知的財産戦略を会社経営上の重要な戦略の一つと位置づけ、事業戦略、技術戦略とともに三位一体で推進しています。

本書では、当社の2014年度の知的財産活動についてご説明します。

コア技術と事業モデル

当社は、創業以来140年の長きにわたり、写真フィルムやカメラ、またこれらにおいて培った技術をベースに開発された複合機(以下「MFP」)やX線撮像装置などの魅力的な製品を提供するとともに、これらの製品に関する継続的な技術開発を通して、「材料」、「微細加工」、「画像」、「光学」の4つの技術分野で、多くのコア技術*3を保有するに至りました。現在では、これらのコア技術を活用、複合化することによって、製品機能の高度化や新規事業の創出に繋げています(下図)。

4つの技術分野とコア技術:材料分野(機能性有機材料合成技術、機能性有機材料設計技術、機能性微粒子形成技術、製膜・コーティング技術)、微細加工分野(成型技術、表面加工技術)、光学分野(光学設計技術、光計測技術)、画像(画像処理技術、(作像)プロセス技術、搬送技術、精密駆動技術)

コア技術を活用し、高度化した製品や新規事業を創出

重合法トナー
重合法トナー
オフィスカラーA3MFP
オフィスカラーA3MFP(複合機)
デジタル印刷システム
デジタル印刷システム
テキスタイルプリンター
テキスタイルプリンター
液晶偏光板用 TACフィルム
液晶偏光板用 TACフィルム
有機EL照明
有機EL照明
プロジェクター用光学ユニット
プロジェクター用光学ユニット
光源色計測機
光源色計測機
デジタルX線撮影装置
デジタルX線撮影装置
X線画像診断システム
X線画像診断システム
超音波診装置
超音波診装置
プラネタリウム
プラネタリウム

例えば、従来の粉砕法トナーに代わるものとして、乳化重合法トナーを開発しました。これは写真フィルムの開発で培ってきた材料分野の技術をトナー開発に活用することによって実現できたものです。この乳化重合法トナーは、粉砕法トナーに比較し、小粒径かつ均一な形状であるため、高精細な画像が実現できます。さらに、熱が伝わりやすく溶けやすい特性を持っているため、紙への定着が低温で可能となり、MFPの省エネルギー化にも貢献しています。この乳化重合法トナーは、MFPのみならずデジタル印刷システム*4にも採用されており、前述した特性から、高品質な印刷物の出力と連続稼働時の消費電力の低減とに貢献しています。

また、写真フィルムの開発で培った材料分野の技術と、写真用レンズの開発で培った光学分野の技術とをすり合わせ、フレキシブルな有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」)を用いた照明パネルを開発しました。この有機EL照明パネルは、曲げた状態においても面全体が均一に発光する特性を持っています。この特性により、いままでの照明にはない全く新しいデザインや用途への適用が可能となります。

このように、これまでの製品開発を通じて得た数々のコア技術を原動力として、当社の狙う「新しい価値の創造」を推進しています。