各事業とそれを支える知的財産の紹介

(1)情報機器事業

情報機器事業は、MFPを主力商品として扱うオフィスサービス事業と商業印刷や企業内印刷で用いられるデジタル印刷システムを扱う商業・産業印刷事業とで構成されています。

オフィスサービス事業では、MFPの高速化、高画質化などの性能向上を目指した開発だけではなく、MFPとICT(Information and Communication Technology“情報通信技術”)サービスとの組み合わせによって、お客様のオフィス環境をトータルで最適化するソリューションの提供を目指して開発を進めています。特に、お客様の業務プロセスに入り込み、コンテンツを一元的に管理するシステムとそのコンテンツを入出力するデバイスとを提供する「Managed Content Services(マネージドコンテントサービス)」*7(以下、「MCS」)およびお客様にあわせて複数のMFPやプリンターを最適な組み合わせで提供するサービス「Optimized Print Services(オプティマイズドプリントサービス)」*8(以下、「OPS」)に関連する技術開発に力を入れています(下図)。

MCSとOPSの概略イメージの図

例えば、MCSに関連する技術としては、MFPのスキャン機能やクラウドサービスと連携することで、紙文書や電子文書などのコンテンツを集約し一元的な管理を実現するソフトウェア「Unity Document Suite」*9を開発し、コンテンツの入出力までの業務効率向上を実現しています(下図)。

このようなMFPとICTサービスとを組み合わせたソリューション関連技術分野について、ワールドワイドで戦略的に特許出願することにより、着実に特許資産を積み重ねており、2014年度末時点での同技術分野に関する特許出願の公開件数は、1,000件以上に達しています。

Utility Document Suite のシステム構成の図

また、商業・産業印刷事業では、画像安定性、多種多様な紙種への対応力、および連続稼働時の生産性のさらなる向上を目指して、製品開発を進めており、2014年度には、商業印刷市場にむけたデジタル印刷システムのカラー最上位機種「bizhub PRESS(ビズハブ プレス)C1100シリーズ」*10 を発売しました(下写真)。本製品は、その性能が高く評価され、民間評価機関Buyers Laboratory LLC.から、商業・産業印刷事業の領域において最も優れた機種に贈られる「PRODUCTION PRINTER 2015 PRO Award」*11を受賞し、「bizhubPRESSシリーズ」としては、同賞の3年連続受賞となりました。

このような製品開発に関する技術について、特許出願に注力した結果、2014年3月末時点での同事業に関する特許保有件数は、ワールドワイドで1,800件以上となっています。

bizhub PRESS C1100の図

(2)産業用材料・機器事業

産業用材料・機器事業では、次世代照明として期待され、“薄い”、“軽い”、“面光源”、“曲げられる”という従来の照明にない特長を有する有機EL照明パネルの販売を開始しました。長崎県佐世保市にあるハウステンボスで、2015年2月に開催された「チューリップ祭」*12では、約15,000枚の有機EL照明パネルから作られた光る有機ELチューリップが、屋外イルミネーションとして採用されました。これらの有機EL照明パネルは、2014年秋より稼動した当社の工場において、世界で初めて量産されたものです。この工場は、ロールに巻かれた長尺フィルムを別のロールに巻き取りながら、フィルム上に連続して層を形成する、ロール・ツー・ロール方式を採用しており、非常に優れた生産性を誇ります。

光る有機EL チューリップの図

有機EL照明に関する技術分野は、既に多くの特許出願を行っており、2014年度末時点で、1,900件以上の特許出願がワールドワイドで公開されています。これらの特許出願を活用して有機EL照明ビジネスの立ち上げを支援すべく、これまで出願してきた特許出願の権利化にも注力しています。その結果、特許保有件数は、着実に伸びており、2014年度末時点で、950件以上となっています

ワールドワイドの特許保有件数の推移のグラフ

(3)ヘルスケア事業

ヘルスケア事業では、受診者への体の負担が少なく、リアルタイムに画像を観察できる超音波画像診断装置「SONIMAGEHS1(ソニマージュエイチエスワン)」*13を発売しました。本製品は、パナソニックヘルスケアとの超音波事業統合後の初の自社開発製品です。超音波プローブに、独自開発した音響材料を用い、さらにX線撮像分野で培った画像処理技術を応用し、組織の描出力を飛躍的に高め、太さ数十~数百ミクロン程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える高画質な画像を提供し、医師の診断を強力にバックアップしています。

これらに関する技術を含む超音波画像診断技術については、2014年度末時点で、ワールドワイドにおいて1,200件を超える特許出願が公開されています。

SONIMAGE HS1