コア技術と事業モデル

コニカミノルタ株式会社*1(以下、「当社」)は、「新しい価値の創造」という経営理念の下、中期経営計画「TRANSFORM 2016」*2に基づき、お客様に対するサービス・ソリューションの提案力を高めながら、事業の高付加価値化に取り組んでいます。また、このような当社の理念を知的財産の観点から達成すべく、知的財産戦略を、事業戦略、技術戦略とともに重要な経営戦略の一つとして掲げ、これらの戦略を三位一体で推進しています。

本書では、当社の2015年度の知的財産活動について説明します。

コア技術と事業モデル

当社は、創業以来140年の長きにわたり、写真フィルムやカメラ、またこれらにおいて培った技術をベースに開発された複合機(以下「MFP」)やデジタルX線撮影装置などの魅力的な製品を提供するとともに、これらの製品に関する継続的な技術開発を通して、「材料」、「光学」、「微細加工」、「画像」の4つの技術分野で、多くのコア技術*3を保有するに至りました。現在では、中期経営計画「TRANSFORM 2016」の下、これらの多彩なコア技術を活用、複合化することにより、製品機能の高度化を進めています(下図)。さらに、お客様や社会が抱える課題を解決する新たな事業を創出する取り組みを行っています。

「材料」の技術、「光学」の技術、「微細加工」の技術、「画像」の技術

コア技術を活用し、高度化した製品や新規事業を創出

重合法トナー
重合法トナー
オフィスカラーA3MFP
オフィスカラーA3MFP(複合機)
デジタル印刷システム
デジタル印刷システム
テキスタイルプリンター
テキスタイルプリンター
液晶偏光板用 TACフィルム
液晶偏光板用 TACフィルム
有機EL照明
有機EL照明
プロジェクター用光学ユニット
プロジェクター用光学ユニット
光源色計測機
光源色計測機
デジタルX線撮影装置
デジタルX線撮影装置
X線画像診断システム
X線画像診断システム
超音波診装置
超音波診装置
プラネタリウム
プラネタリウム

例えば、画像分野の技術を活用し、介護施設において、介護スタッフが、コール発生時に、スマートフォンの画面で入居者の映像を確認することができる「ケアサポートソリューション」*4を開発しました。動作を検知するセンサーとして、近赤外線カメラを用い、撮影した画像を独自のアルゴリズムで画像処理し、入居者の起床、離床、転倒、転落などの動作を検知します。また、近赤外線カメラに加え、マイクロ波センサーにより、呼吸などの微体動の有無も検知し、就寝時の入居者を見守ることができます。介護スタッフはケアのために施設内を絶えず動きまわっています。従来では、介護スタッフは、手元でコールが鳴った時に入居者の状況が確認できないため、状況確認のため必ず駆けつける必要がありました。「ケアサポートソリューション」では、スマートフォンの画面で入居者の映像を確認することで、駆けつけの必要性を判断できます。駆けつける前に状況把握をすることで、「コールが鳴る、駆けつける」の従来のワークフローを、「入居者の行動を確認する、駆けつける」へと変革でき、大幅に業務効率を改善します。

ケアサポートソリューションの図

また、これまで培った光学分野の技術を活用し、3次元空間をレーザーで隙間なくスキャンし、人や物を検知する「3Dレーザーレーダー」*5を開発しました。「3Dレーザーレーダー」は、広い領域を瞬時にスキャンし、対象物の大きさや形を高精度に検知するため、監視カメラや自動車の自動走行など様々な用途での使用が期待されます。また、光学分野の技術とICT(Information and CommunicationTechnology:情報通信技術)を組み合わせ、メガネ型ウェアラブル端末「ウェアラブルコミュニケーター(WCc)」*5を開発しました。メガネ越しに見える景色に映像情報を重ねて表示する「WCc」では、独自のホログラフィック光学技術の採用により、小型・軽量なデバイスを実現しました。「3Dレーザーレーダー」や「WCc」といった製品は、事業化を推進している、ICTやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)をベースにした新たなものづくりのソリューションである「デジタルマニュファクチュアリング」*6にも活用される予定です。

3D レーザーレーダー(左)とWCc(右)