知的財産活動を支える体制

(1)知的財産部の役割

当社は、「知的財産権の創造、保護および有効活用を積極的に推進し、企業活動を行うにあたっては、第三者の有効な知的財産を尊重する」との知的財産方針のもと、事業領域ごとに知的財産戦略を策定し、事業部門と知的財産部とが一体となって戦略を実行しています。知的財産部は、社長直轄の組織であり、発明発掘活動、出願・権利化活動、第三者特許対応活動など、全社の知的財産活動の統括管理と推進の責任を担っています。

発明発掘活動においては、知的財産部員の活動拠点を国内外の各開発拠点に設けて、開発者と密接にコミュニケーションを行える環境作りを行っています(下図)。これにより、開発の進捗状況をタイムリーに把握することができ、その日々の開発業務の中で生み出される技術を、知的財産の専門家の目で、漏れなく発明として抽出することができています。

また、近年、当社では、M&Aによる海外企業の買収や顧客密着型の事業展開により、国外での開発活動が活発になっています。このような国外での開発活動を知的財産面で強力に支援するため、現地法律事務所との連携を強め、現地特許弁護士、開発者、駐在する知的財産部員の三者の直接面談による発明のブラッシュアップなどを、現地にて日常的に実施できる体制を整えました。

出願・権利化活動においては、事業に貢献できる権利を構築すべく、発掘した発明について、国内外の特許事務所と協同して出願・権利化活動を行っています。特許事務所に対しては、当社の目指す「事業に貢献する特許」の基準を共有化し、事務所が作成した特許出願明細書や応答書を基準に基づき評価し、意見交換を行いながら、特許取得に努めています。また、当社の事業・技術・知的財産戦略を説明するセミナーを定期的に開催し、特許事務所が能動的に当社の知的財産活動を支援できる環境を整えています。

第三者特許対応活動においては、製品開発や事業参入を行うに当たって、製品開発の早い時期から第三者特許の調査を入念に行って必要に応じて製品開発過程において対策を行うパテントクリアランス制度を導入しています。これにより、継続して安定した事業収益を確保できるようにしています。

日本の活動拠点:八王子、日野、瑞穂・三河、高槻、伊丹、堺、大阪狭山、神戸

海外の活動拠点:米国(サンマテオ)、中国(北京)

(2)教育体制

開発者に対して、知的財産法の基礎、発明の把握や先行技術調査など、開発活動において必須となる知的財産に関する知識の啓蒙、教育活動を行っています。具体的には、従業員がスキルアップのために自由に受講できる全社教育システム「コニカミノルタカレッジ」にて知的財産に関する複数の教育プログラムを提供しています。2015年度には、従前の開発者の開発経験年数に基づく階層別教育から、「出願」、「拒絶理由対応」、「調査」などの機能別教育にプログラムを刷新しました。これによって、開発者が必要な時期に必要な教育を受けられるようになり、身に付けたスキルを、実際の開発活動の中でタイムリーに発揮できるようにしました。

このような教育活動は、日本だけでなく、米国や中国の開発者に対しても行っています。現地に駐在する知的財産部員が講師となり、日本と同様に機能別の教育プログラムを提供しています。例えば、アイデアの創出やそのアイデアの発展方法など、出願に関する教育活動を通し、海外の開発拠点における特許出願力の強化につなげています。

また、知的財産部の機能強化のため、知的財産部員に対する教育にも力を入れています。具体的には、OJDや社内勉強会を行うとともに、各国の特許法制度や特許実務に関する社外教育プログラムを活用して、知的財産部員の能力開発を積極的に行っています。特に、若手社員に対しては、メンター制度を導入し、メンターが中心となり業務の知識・スキル面から社会人としての心構えなど複数年に亘って個別指導を行い計画的な育成を行っています。

さらに、グローバルな知的財産環境の中で活躍できる人材育成のため、米国のロースクールや中国の大学への留学、米国や中国の知的財産拠点への駐在も行っています。