動き出した挑戦 CASE.06デジタルワークプレイス事業

終わることのない
真のグローバル・
ビジネスへ。

企業組織の課題に正面から向き合い、デジタル技術で職場環境と事業スタイルをトランスフォームするデジタルワークプレイス事業。顧客の現場に新たな価値を提供するこのビジネスは、その先に働き方改革という社会課題の解決と自社の変革を見すえている。

Casts

高山 典久 Norihisa Takayama|1991年入社
デジタルワークプレイス事業部 事業部長
今成 亜弥 Ami Imanari|2012年入社
デジタルワークプレイス事業部 
先行事業開発部 ビジネス開発グループ
韓 文煦 Wenxu Han|2015年入社
デジタルワークプレイス事業部 
グローバル事業展開部門
グローバルGTM企画担当
アシスタントマネジャー

デジタルテクノロジーを活用した
新たなビジネス領域

デジタルワークプレイス(DWP)──、デジタルテクノロジーを活用した新しい職場環境をこのように呼ぶ。組織内の作業を高効率化し、コミュニケーションを活性化し、さらに組織や従業員の創造力の向上を実現するDWP事業は、コニカミノルタの未来を開く新たなビジネス領域といっていい。DWPビジネスの責任者、事業部長の高山典久は語る。

「DWP事業の目的は、本当の意味での働き方改革に寄与することです。世の中のデジタル化が進む中で、その恩恵に充分にはあずかってない中小・中堅企業のお客様にフォーカスして、一緒に業務改革へと進んでいくというのが、私たちの最初のミッションです」(高山)

参入戦略としてはまず、コニカミノルタのコア・クライアントである中小・中堅企業に対して、All-in-One ITによる生産性向上のサービスをプラットホームとして提供すること。そして、自社のデバイス技術やパートナー企業との協業を通して、より付加価値の高いIoTやデータ活用ビジネスへと発展させること。コニカミノルタが持つあらゆる力を総動員し、クライアントの課題に最適なソリューションを提供していくのである。

お客様との関係をより深く掘り下げ
真の“解”へのアプローチへ

コニカミノルタはこれまで、複合機などの開発・製造を中心にさまざまなIT技術によって世界200万件を抱える顧客の課題に向き合ってきた。そこで培われてきた信頼とクライアントの“困りごと”への迅速で丁寧な対応力は、他社の追随を許さない。

Robotics BPO for Smart Work※1というアウトソーシングサービスの企画・開発を担当する今成亜弥。以前、社内ITの改革業務を経験した彼女は、基幹システムなど既存のシステムを変えずに請求書等の紙データを自動入力するシステムをプロデュースし、何度かの失敗を経験しながらも、クライアントが本当に求めている価値にアプローチすることができたという。

「私たちのすべての事業は、コニカミノルタの技術力とサービス対応力へのお客様からの信頼という“土台”の上に成り立っています。

一方で、DWP事業の展開のためには、お客様との関係をより深めていかなければなりません。これまでコニカミノルタが進めてきたオフィスやワークスタイルの自己改革の経験と、お客様の現場にあるリアルな“困りごと”とを真摯に突き合わせていくことによって、お客様にとっての新しい価値につながる、真の“解”へのアプローチ方法を見出していくのです」(今成)

製品生産からサービス提供へ
日本の製造業が変わる

DWP事業の一環として顧客の業務課題の解決やオフィス環境の変革を行うとき、実はコニカミノルタ自身の事業スタイルの変革が自らの課題として浮上してくる。その一つを端的にいえば、「製品生産からサービス提供事業へ」の自己変革である。

「例えばDWP事業の一環として推進しているWorkplace Hub※2は、コニカミノルタ自身の戦略的な業務改革につながるプロジェクトでもあります。これは、お客様の業務改革に寄与すると同時に、自社を変革し、さらには日本の製造業のあり方を変えていくという社会的意義までをめざすものです」(高山)

通常、工業製品は市場に出すという段階でその業務は一旦終了とされ、必要なバージョンアップにも相応の時間をかける。しかし、クライアントの課題解決をめざすDWPビジネスは、一定の“解”を提供してからも、さらに新たな価値の積み増しをしていかなければならず、クライアントと一緒に現場の課題を掘り起こす作業を続けていくことになる。当然そこでは、繰り返し行われるサービス開発・提供のスピード感が要求されるのである。

グローバル展開とともに
新しいビジネスモデルを提供する

売上高の80%を海外が占めるコニカミノルタにとって、「課題提起型デジタルカンパニーへの自己変革」もまた最重要の課題だ。グローバル・マーケティングの企画を担当し、現在シリコンバレーに駐在する韓文煦は語る。

「DWPビジネスにおけるグローバル展開の課題は、グローバル標準化とローカライゼーションのバランスです。一つには、国や特定地域の文化的違いに着目して、各国・各地域の市場状況、顧客の課題やニーズ、価値意識を可視化し、試行錯誤しながら明確なターゲットセグメントに価値を当てはめていく必要があります。

一方で、アメリカのようなDWP先進国での成功体験に基づいて、他国・他地域のお客様にある程度グローバル標準化したプラットホームを提供し、それをお客様やパートナー企業とともにローカルな現場の課題解決に向けてカスタマイズしていかなければなりません」(韓)

つまり、開発・販売における強力なパートナー企業との協業によって国・地域ごとの事業拠点(OC※3)を置き、その国や地域のビジネス文化に応じたDWPの新しいビジネスモデルへとつなげていくのである。

自社の業務改革をリソースに
これからのDWP事業

「例えば金融業のような特殊専門的な業種・業態となると、私たちにはお客様の本当の“困りごと”を見出しにくい。そこで、特定の業種・業態に精通しているパートナー企業に、私たちのプラットホームの上に特別なアプリケーションを載せてもらうという協業スタイルを採用します。」(高山)

高山は続ける。「グローバル展開を進めていくためには、“地域発”ということを重視したい。現場には現場の、地域には地域のフレーバーがあります。そのフレーバーを尊重しなければ、DWPビジネスの世界展開はありえません。それらを確実に反映させたソリューションサービスの提供のためには、地域拠点でのパートナーとの協業が必須なのです」(高山)

グローバル戦略や全体のガバナンスは本社機能として日本に残し、ある程度地域ごとに事業拠点を設置して、執行権限はその地域に任せるというように、地域拠点の自由度を上げていくというグローバル化の方向性は今後も充分考えられる。それはつまり、クライアントの働き方改革をめざすDWP事業そのものが、実はコニカミノルタ自身の持続的な業務改革の事例をリソースとしていることを意味する。

コニカミノルタが変貌と成長を遂げていく限り、DWP事業に終わりはない。

※1
Robotics BPO for Smart Work:OCRやRPAの技術を活用し、帳票や伝票といった紙
情報のデータ入力を自動化するサービスの名称。従来、一部のオフィス業務を専門企業
に外部委託することをBPO(Business Process Outsourcing)という。
※2
Workplace Hub:オフィス環境のデジタル化をサポートする、コニカミノルタのIoTビ
ジネスプラットフォーム。
※3
OC:コニカミノルタでは、これまで販社(Sales Company)と呼んでいたグローバル
における地域拠点の独自性を尊重し、OC(Operating Company)としている。

Casts

高山 典久
Norihisa Takayama

デジタルワークプレイス事業部 事業部長

岡山県倉敷市出身。大学では電子工学専攻。コンピュータシミュレーションなどで超電導の実用化に向けた研究に没頭。旧ミノルタ社で複合機事業に従事。主に複合機に多様なソリューションを付加するソフトウエア開発を担当。Business Innovation Center (BIC)での新規事業開発を経てDWP事業部へ。学生時代に英語を熱心に学び、それがグローバル思考を求められる現在への架け橋になっていると感じる。「人生設計をきっちりやるタイプではない。状況に合った方向性を柔軟に考え、自由に進むタイプ」と自認。10年後は「南の島で自由に暮らしていたい」。

今成 亜弥
Ami Imanari

デジタルワークプレイス事業部
先行事業開発部 ビジネス開発グループ

群馬県渋川市出身。理工学部物理学科卒。専攻は金属の物性で、超電導物質を実験的に作る。高校時代から物理に興味。雨の落下速度やモノを投げた時の運動など身近でマクロな現象を探究していた。学生時代にソフトボール部のマネジャーを経験。集団が効率よく動けるよう最適化するという合理的な思考が得意だった。2017年度の海外派遣制度で半年間ドイツに赴任。新規事業開発チームに所属して市場調査に従事し、顧客ニーズが国によって全然違うことを実感。「コニカミノルタはいま変革期。変わりつつある現在の職場には自己成長のチャンスも多く、楽しく働けている自分を感じる」。

韓 文煦
Wenxu Han

デジタルワークプレイス事業部
グローバル事業展開部門
グローバルGTM企画担当アシスタントマネジャー

北京市出身。大学では貿易とマーケティングを主とした商学・経営学を学ぶ。子どもの頃から日本に興味があったため、第2外国語は日本語を専攻。20歳のとき日本留学のプログラムに応募し、日本の大学(3年時)に編入。コニカミノルタには新卒で入社した。得意の日本語のニュアンスは吉本興業の漫才を聞いて必死に学習した成果。今後の展望としては、「欧米だけでなく、APACや出身地である中国でのDWPビジネスに深く関わっていきたい」。より将来的には、「顧客に近い立場からグローバル・マーケティング戦略を作れる、CMO(最高マーケティング責任者)へと成長したい」。