ニュースリリース

コニカミノルタ株式会社 2020年入社式 社長訓示

2020年4月1日

コニカミノルタ株式会社
代表執行役社長 兼 CEO 山名 昌衛

新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。
コニカミノルタを代表して、皆さんの入社を心から歓迎いたします。

本日の入社式は、例え遠隔での開催となっても、何としても実施したいと強く思っていました。なぜならば、皆さんにとっては一生に一度のビジネス人生の幕開けの日であり、私にとっては新しい家族の一員を迎えられる嬉しさと同時に、その責任を改めて腹に据える大切な日であるからです。

皆さんは「辺境」という言葉を知っていると思います。中央から遠く離れた地のことです。私自身、新入社員の頃から35歳になるまでの会社人生では、いつも「辺境での経験」の連続でした。40年以上前、まだ門戸開放したての中国に会社として初めて単身3カ月乗り込みました。新興国を年間50カ国以上、年に200日近く飛び歩きました。海外の赴任地もやはり辺境でした。3カ所目の赴任地となった米国では、米国人の95%が訪れたことの無いアラバマ州でした。

辺境での経験においては、全てのことに前例がなく、何もかもを自分でカバーしなければなりません。挑戦とは、挫折の連続であり、その悔しさがまた次に向かうバネとなります。異なる文化を背景に持つ者同士が理解しあう難しさ、単一文化の中に異文化人として一人で入り込む難しさを経験し、自分らしさとは何かを自らに問いかけることで、自分自身の軸を形成する土台となりました。

大切なことは、辺境での経験が自分の軸、自分軸の形成の土台になっているということです。本日お伝えしたいことの一つ目は、「自分軸の形成」です。多様な生き方が可能となった現代ではありますが、皆さんそれぞれに専門分野が異なっても、何よりも大切にすべき価値観を自分軸として、できれば35歳までに築き上げて欲しいと思います。

二つ目は、自分軸を持つと「未来を描く力に繋がる」ということです。未来は予測するものではなく、大いなる熱情、熱意をもって自分で創りあげるものです。世の中の不合理、不便への憤懣(ふんまん)をエネルギーに変え、新しい発想でより豊かな社会を築きたいという志が大切です。自分軸ができると、「私はこうしたい」というように自然に当事者意識、オーナーシップが生まれてきます。

三つ目は、自分軸を持ち、未来を描く力が付いたら、何はともあれ「行動」「実行」に尽きるということです。未来から逆算して今何に取り組むのかを考え、行動に移すことが大切です。私達、コニカミノルタのお客様はB2Bではありますが、そこには様々な分野の働くプロフェッショナルがいらっしゃいます。その方々を巻き込み、デジタル・トランスフォームを一緒に成し遂げていかねばなりません。当社には、光学・材料・画像処理・微細加工などの世界に誇れるテクノロジーがあります。但し、必要とされるのはテクノロジーのイノベーションではなく、顧客価値のイノベーションです。そのためには、人財の力、すなわち「行動」「実行」する人財の力が全ての土台となります。

今、世界は未曽有に混沌とした中にあります。今後もどのような形であれ、不確実性はどんどん増していくでしょう。輝かしい未来を構想してそれを実行していくには、これまでのやり方、成功体験は通用しません。集団の活動に大きな変化が必要なとき、その全ては個人が変わることから始まります。自分軸を存分に発露し、発揮する時代がここにはあります。

最後に、もう一度新たな家族の誕生を心から祝いたいと思います。これから一緒にコニカミノルタの新たな歴史を刻んでいきましょう。

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。