ニュースリリース

通期業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ

2020年5月12日

各位

会社名 コニカミノルタ株式会社
代表者名 代表執行役社長兼CEO 山名 昌衛
(コード番号4902 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション室長 岩本 満美
(TEL 03-6250-2100)

当社は、2019年11月1日に公表しました2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の通期連結業績予想及び配当予想を下記のとおり修正いたしましたので、お知らせいたします。

1.2020年3月期通期連結業績予想の修正

(1)2020年3月期通期連結業績予想数値の修正(2019年4月1日~2020年3月31日)

  売上高 営業利益 親会社の所有者に
帰属する当期利益
基本的
1株当たり
当期利益
(百万円) (百万円) (百万円) (円 銭)
前回発表予想(A) 1,045,000 20,000 7,500 15.16
今回発表予想(B) 995,000 8,000 △3,500 △6.29
増減額(B-A) △50,000 △12,000 △11,000
増減率(%) △4.8 △60.0
(ご参考)前期実績
(2019年3月期)
1,059,120 62,444 41,705 84.33

(2)修正の理由

当社の主力事業の販売は2月までは中国を除けばおおむね想定通りに推移しましたが、3月には他地域への新型コロナウイルス感染の拡大に伴って主力製品やサービスの販売が減少し、売上高と営業利益を押し下げました。

売上高につきましては、新型コロナウイルスの影響による減収が230億円と想定されることに加え、新規事業を中心に増加している見込み顧客を受注につなげるのに時間を要していること等を反映し500億円下方修正いたします。
営業利益につきましては、新型コロナウイルスによる減益が110億円、プロフェッショナルプリント事業で買収した子会社の一部ののれん減損などによる損失も25億円程度影響すると想定される一方で、これらの要因を除くと想定以上に推移したことから120億円下方修正いたします。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の下方修正に加えて、2021年3月期に向けた収益性改善を狙いとして実行した構造改革の費用74億円をほぼ当初の予定通り計上したことから、35億円の損失に下方修正いたします。

業績修正の最大の要因となった新型コロナウイルスが当社業績に与えた影響の背景と要因は以下のとおりです。

当社はグローバルな事業を展開しており、売上高における日本以外の地域の構成比は80%以上を占めます。そうした事業環境下において、2020年1月下旬から顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当社に関連するサプライチェーン及びバリューチェーンにおける活動の中断や低下が発生し、それによる当社への影響が見込まれるため、業績見通しに反映しました。

新型コロナウイルスの感染拡大に対する予防的な措置として、各国政府の指示もしくは要請により、中国では1月下旬から、アジアや欧米諸国では3月中旬から、工場やオフィスの稼働の中止や制限が実施されました。

当社におきましては、供給面では中国やマレーシアでの部材調達、製品の生産に一時的な影響が生じ、需要面では顧客企業の設備投資の抑制や延期、あるいは顧客先への訪問が制約されたことによる機器設置の延期や営業活動への影響がありました。

(3)1月から3月における新型コロナウイルスの各事業への影響

各事業において認識している主な影響は以下のとおりです。

オフィス事業

生産面においては中国の江蘇省無錫、広東省東莞の2工場は1月19日から2月10日まで、マレーシア・マラッカの工場は3月18日から4月15日まで稼働停止となりましたが、当期の供給への影響は軽微となる見込みです。また、トナー充填を主体としているフランス工場は3月18日から4月8日まで稼働を停止していましたが、その期間に減少した生産を国内拠点でカバーしており、供給への影響はない見込みです。販売面では、中国は2月後半より営業活動が再開されていますが3月はまだ本格復活には至っていません。また、中国以外の各国で3月初めから後半にかけてロックダウン/緊急事態宣言発令が発動された結果、活動制限により新規の受注や機材の設置が、直販や中小ディーラーを中心に大きな影響を受けることとなりました。なお、緊急事態宣言の発動が4月になった国内(オフィス事業全体に占める国内比率は約15%)については、3月のコロナ影響は軽微で推移しました。
ITサービスユニットにおきましてはテレワークなどのニーズ拡大に伴いセキュリティなどのソリューションサービス需要が拡大しましたが、3月は活動制限による影響を、軽微ながらも受けました。

プロフェッショナルプリント事業

プロダクションプリントユニットでは、オフィス事業同様、生産面では当期の供給への影響は軽微となる見込みです。販売面では各地域において、顧客訪問の制約による設置の延期や営業活動の制限などの影響があり、デジタル印刷機の販売台数が大きく減少する見込みです。また、ノンハードはやや減少となる見込みです。2月に当社初のHPP(ヘビープロダクションプリント)機「AccurioPress (アキュリオプレス)C14000/12000」の販売を予定通り開始し、確定受注数は計画を上回ったものの、設置は半数強に留まりました。顧客訪問の制約が緩和され次第、設置及び売上計上が進むと見込んでいます。

ヘルスケア事業

生産面では、医療関連事業は必要不可欠な事業(Essential Business)であるため、中国福建省厦門の医療用フィルム生産含め供給に影響は出ていません。販売面では、米国で回診車向けデジタルX線撮影装置、DR(デジタルラジオグラフィー)の需要が増えたことなどにより、DRの販売台数は全体として前年並みを維持する見込みですが、中国では2月から、その他の地域では3月から病院の休診や外来患者数の大幅な減少による需要の減少、顧客である病院への訪問が制限されている影響を受け、全体の売上が減少する見込みです。1月には当社独自の技術で肺機能などを可視化する動態解析ソリューションがFDA(米食品医薬品局)の認可を受けましたが、事業業績への貢献は来期からとなる見込みです。

産業用材料・機器事業

材料・コンポーネント分野

機能材料ユニットにおいては、生産面では、生産拠点は国内のみとなっており、供給面に影響はありません。販売面では、生産を中国に展開している多くのパネルメーカーの稼働率が低下したものの、中国以外の地域への販売拡大や、中国での稼働率回復に向けた部材確保の動きに伴う需要への供給対応を行いました。また、新樹脂フィルムの認証も獲得し、販売開始をしたことも奏功し、堅調な収益を計上する見込みです。IJコンポーネントにおいても、顧客の多くが中国の拠点であること、また、中国で予定されていた展示会が延期されたことなどの影響を受けましたが、3月末から回復の兆しを見せています。

産業用光学システム分野

計測機器ユニットにおいては、生産面では、生産拠点が日本、ドイツ、米国にあり、3月中は生産の継続が可能であったことから供給には影響がありませんでした。販売面では主要な設置先である中国を中心に、顧客の投資抑制や当社の計測装置の設置が延期された影響で計画を下回り、やや減収となる見込みです。

新規事業

ワークプレイスハブ

これまでに獲得した顧客やサービスサポートからの要望を反映したファームウェアをリリースしました。顧客数を増加させ、経費も抑制したことにより、収益性は改善傾向にありますが、3月は活動制限の影響を受け欧米で商談活動が減速しました。

バイオヘルスケア

2月までは予定通り遺伝子検査数が増加し、3月の米国におけるロックダウン以降は検査数が減少しているものの、前年同期を上回る見込みです。
なお、4月に入り、米国政府からの要請を受け、企業向けPCR検査の受託準備に入っています。また、創薬支援においては新型コロナウイルス治療薬の研究を支援するべく取り組んでいます。

(4)2021年3月期に向けた取り組みについて

新型コロナウイルス感染の拡大による当社グループの業績への影響は、2021年3月期、特に第1四半期は2020年3月期第4四半期から更に拡大すると想定しています。第2四半期につきましても、予断を許さない状況が継続すると見込んでおります。

こうした環境悪化に備えて、当期末における現金及び現金同等物の残高は約900億円を確保しておりますが、当社グループ各社の手元流動性の一層の確保を進めており、4月に金融機関から850億円の資金調達を実行し、また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントラインは全額未使用のまま1,000億円を維持しております。更に、融資枠として新たなコミットメントライン契約を複数の金融機関から近日中にも締結する運びで、十分な流動性を確保しております。
事業運営においては、在庫削減の徹底、設備投資及び投融資の選別と抑制によるキャッシュフローの管理徹底、また管理間接を含む、全ての業務のあり方を本質的に見直し、徹底した効率化を追求します。
今、新型コロナウイルス感染症と闘いながら経済活動を再開していく過程においては、医療従事者への一層の支援が必要とされると共に人々の価値観や働き方にも変化が生じると想定されます。従来より当社が新規事業の一環として取組んでいる胸部X線のAI診断支援、遠隔診断支援や、ワークプレイスハブを活用した多拠点連携による働き方改革支援、自社実践から得られた在宅勤務のノウハウ提供等は、これらの社会課題解決にも寄与できると確信しています。新規事業につきましてはバリュージャンルトップの考え方に基づく選択と集中を強化しながら、中長期の成長に向けた必要にして不可欠な投資は継続してまいります。

2.配当予想の修正

(1)修正内容

  年間配当金(円)
第2四半期末 期末 合計
前回予想 15.00 30.00
今回修正予想 10.00 25.00
当期実績 15.00
前期実績
(2019年3月期)
15.00 15.00 30.00

(2)配当予想修正の理由

2020年3月期の期末配当予想につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける状況下、上記の業績予想や経営環境を踏まえ、総合的に勘案した結果、誠に遺憾ではありますが、前回発表予想より5円減配し1株当たり10円とさせていただきます。 なお、当社は取締役会決議により期末配当を行うことができる旨を定款に定めております。

3.役員報酬の減額および自主返上について

上記業績修正の内容等に鑑み、執行役の業績連動報酬は大幅減少となることに加えて、代表執行役社長及びそのほかの執行役、並びに取締役会議長は、役位、職責に応じて役員報酬を一部自主返上することといたします。

4.新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの取り組み

当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大に対し、各国政府・地域の法令・指導に従い、グループで働く人々とその家族、お客様、お取引先様を始めとする全てのステイクホルダーの皆さまの健康と安全確保を最優先に考え、感染拡大を防止するとともに、社会やお客様への製品・サービスの提供に支障が生じないよう、最大限の努力を続けています。
日本国内では、在宅勤務を原則とし、3つの「密」の回避徹底、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保、マスク着用や手洗いの励行など、感染拡大予防に関して定めた当社のルールに沿って業務を遂行し、グローバル各拠点でも、上記の通り各国政府など行政の要請に基づき、適切に対応しています。

(業績予想に関する注意事項)
上記業績予想等の将来に関する記述は、当社が現時点において合理的と判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は見通しと異なる可能性があることをお含みおき願います。

以上

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。