ニュースリリース

新型コロナウイルスの感染拡大時に備える
「生体情報モニタリングシステム VS1」を発売病院での感染源接触リスクや医療崩壊リスクの低減に貢献

2020年12月16日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下 コニカミノルタ)は、新型コロナウイルス感染症の軽症・中等症入院患者において、パルスオキシメーター※1、体温計、血圧計で測定されたスポットバイタル値やパルスオキシメーターの連続測定データを、Sub-GHz(サブギガ)無線通信で送信し、隔離域外のナースステーションで一括管理できる「生体情報モニタリングシステム VS1」を年内に発売予定です。

【 本システムが目指したこと 】

新型コロナウイルスの第1波、第2波に続き、現在、更に大きな第3波に見舞われつつあります。コロナ禍においては、院内感染、医療施設の負担、スタッフの疲労などの課題が山積みされており、医療崩壊の危機も高まっています。
「生体情報モニタリングシステム VS1」は、パルスオキシメーターの測定値を自動送信することで、新型コロナウイルス感染症の重症化の目安となる動脈血酸素飽和度(SpO2)を、病室のベッドサイドモニターだけでなく、ナースステーションのステーションサーバーで同時に遠隔モニタリングします。また、ベッドサイドで測定された体温、血圧などのバイタルデータも看護記録としてナースステーションで一括管理されます。これにより、新型コロナウイルス感染症患者に対応する医療従事者の作業効率を高めるとともに安全を守り、病院の医療崩壊リスクを低減させることを目指しました。

【 本システム機能の概要 】

1)パルスオキシメーター(スポット測定型)、体温計、血圧計をベッドサイドモニターにタッチすることで、測定した体温、血圧、SpO2、脈拍数を自動的に読み込み、ナースステーションのステーションサーバーへ送信します※2

2)容体が悪化した患者のSpO2を連続モニタリングする際は、パルスオキシメーター(連続測定型)をベッドサイドモニターにつなぎ、測定値をナースステーションのステーションサーバーへ連続送信します。

3)隔離域外にあるナースステーションのステーションサーバーでは、患者ごとのモニタリングデータやバイタルデータを記録します。患者情報管理、看護記録の入力と編集なども行えます。

4)連続モニタリング中の患者のSpO2と脈拍数は、病室のベッドサイドモニターとナースステーションのステーションサーバーの2か所でリアルタイムに表示され、異常が生じるとアラーム音で知らせます。

【 本システムが提供する価値 】

1.隔離域内での作業量低減と医療安全への貢献

新型コロナウイルス感染症の入院患者に対し、医療従事者は1日に複数回、体温やSpO2などのスポットバイタル値を測り、「温度板(バイタルサインの経過レポート)」に記録して、経時的な変化を確認しています。「生体情報モニタリングシステム VS1」は、測定データをベッドサイドの機器にタッチするだけで瞬時に送信し、リアルタイムで「温度板」に反映することが可能で、患者のバイタル管理を効率化します。
また、入院患者の入院から退院まで、スポット測定と連続測定両方のバイタルデータなどの看護記録を一括管理することができます。患者が症状の変化に合わせて病室を移動する際も、ベッドサイドモニターごと移動するか、移動先のベッドサイドモニターへの登録切り替えを行うことで、引き続きデータの蓄積と利用が可能です。
隔離域内の各種データを隔離域外から確認できるため、患者状態把握と経過観察などがナースステーションで行え、医療従事者の隔離域内勤務を短縮および省人化させ、感染源の接触機会や拡散機会を低減することにより院内クラスター発生リスクを低減し、医療安全に寄与します。

2.中等症患者増大時のモニタリング機器の不足を補う

新型コロナウイルス感染症では、呼吸状態が悪化して中等症患者となるとSpO2連続モニタリングが導入されますが、これが可能な既存の据え置き生体情報モニターは、感染者ピーク時にはICUでの重症患者対応に振り向けられると考えられます。また、既存の携帯型テレメーターシステムでもSpO2連続モニタリングが可能ですが、こちらを利用しても未だモニタリング機器が不足することが予想されます。呼吸不全の症状を伴う患者数の増加とともに、SpO2連続モニタリングの需要も増加します。
本システムは、軽症時のスポット測定から中等症時のSpO2連続モニタリングへの移行も、その逆もシームレスに行え、中等症患者増大時のモニタリング機器の不足を補います。

3.病室アンテナ工事不要で迅速稼働開始

本システムは、医療用生体情報モニターとしては世界で初めて※3、Sub-GHz無線を採用しました。Sub-GHz無線は、他のシステムとの混信リスクが低く、無線LANよりも長距離通信が可能なため、ナースステーションにアンテナを設置するだけで従来より広範囲の病室のベッドサイドモニターと通信することができ、病室アンテナ工事もほぼ不要となります。
モニタリングを必要とする患者の急増時にも、アンテナ工事、通信環境整備、機器の設置や調整などでサポートスタッフの労力を必要とせず、ベッドサイドモニターを持ち込むだけで迅速に稼働を開始することができます。このため、システム設置者の隔離域内への出入りを最小限にすることができ、医療スタッフの安全を守るとともに院内感染のリスクの低減に貢献します。

コニカミノルタグループでは、このような状況下で私たちに何ができるのかを考え、多岐にわたる事業それぞれの分野で支援・ソリューションの提供を開始しています。これらの支援・ソリューションがこの困難な状況に少しでも力になればと願っています。

※1:動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を採血することなく、指先などに光をあてることによって測定する装置

※2:パルスオキシメーター、体温計、血圧計は、当社指定の「HRジョイント」対応機器に限ります。
「HRジョイント」はテルモ(株)の登録商標です。

※3:2020年12月16日現在、当社調べ

「生体情報モニタリングシステム VS1」は「多項目モニタ モニタリングシステム VS1 (認証番号:第302ABBZX00081000号) 」の呼称です。

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