ニュースリリース

非破壊検査ソリューション「SenrigaN」が
国交省「点検支援技術性能カタログ」に掲載
コンクリート橋梁の崩落事故防止のための効率的メンテナンスを促進

2021年11月1日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名昌衛、以下 コニカミノルタ)は、非破壊検査ソリューション「SenrigaN(センリガン)」が、国土交通省(以下 国交省)「点検支援技術性能カタログ(案)」(以下 性能カタログ)に掲載されましたことを発表します。
また、今までは「SenrigaN」の試験的なサービス提供を行ってまいりましたが、この度、本格的に事業展開することにいたしました。この事業により、PC橋*1などコンクリート橋梁の崩落事故防止のための効率的なメンテナンスを促進し、安心・安全な交通インフラ作りに貢献してまいります。

「社会における安全・安心確保」に取り組むコニカミノルタ

コニカミノルタは、中期経営計画「DX2022」において「真の社会課題解決企業」を目指しており、取り組むべき5つのマテリアリティ(重要課題)のひとつに「社会における安全・安心確保」を設定しています。

道路や橋などの交通インフラの老朽化が加速する中で、崩落事故に繋がるコンクリート橋梁内部の鋼材*2の破断を早急に検知し、メンテナンスを効率的に進めることが求められています。そのためには、目視などでは分かりにくい深い位置の内部鋼材破断を非破壊検査装置によって検知することが必要であり、それを含めた検査プロセスが標準的に実施されていくことが望まれます。
コニカミノルタでは、非破壊検査ソリューション「SenrigaN」により、PC橋などのコンクリート構造物内の鋼材破断について簡便で専門性不要な判定方法を提供し、インフラ検査プロセスのひとつとして確立することを目指しています。

橋の補修の可否判断と早期対応に貢献

「SenrigaN」は、本体内の特殊な磁⽯で鋼材内部に磁⼒を発⽣させ、その磁⼒の流れをセンサーで検知しデータ化した後、独⾃のアルゴリズムでデータ解析し、鉄道橋、⾼速道路橋、⼀般道路橋などの内部鋼材破断位置をリアルタイムに特定します。これにより、⽼朽化の深刻度合いが明確になり、橋の補修や補強の可否判断が適切に⾏えるようになります。さらに、機器は誰でも簡単に扱え、計測データからの判読も遠隔⽀援サービスや機械判定の利⽤で簡便にできるため、専⾨⼈材の不⾜による現状把握の遅延解消にも寄与します。今後は、さらに計測の⾃動化なども導⼊して、インフラ点検における省⼒化と効率化の実現に貢献します。

マーケットテストとして、東海旅客鉄道株式会社や⻄⽇本旅客鉄道株式会社の新幹線橋梁の実証実験や、塩害が深刻な沖縄、九州、北陸エリアの⾃治体と琉球⼤学や⾦沢⼯業⼤学との産学官連携での実橋橋梁による性能検証も⾏っており、いずれも⾼い評価を得ています。さらに、国交省をはじめ、岡⼭県や広島県など⾃治体が管理する劣化橋梁の補修および補修設計における利⽤や、株式会社ネクスコ東⽇本エンジニアリングでの利⽤が始まっています。海外でも、ミャンマー、ベトナム、韓国で、既にマーケットテストを開始しています。

予測に基づくプロアクティブな補修を提案する事業へ

本事業は、検査会社や建設コンサル会社への「SenrigaN」のレンタル事業から開始しますが、将来的には予測に基づくプロアクティブな補修を提案する事業へと拡⼤していきたいと考えています。また、海に⾯しているため交通インフラの塩害劣化が進⾏しているASEANを中⼼として、グローバルに事業を展開してまいります。
現在は既に破断した鋼材の検知に留まりますが、今後は点検データを蓄積してそれらを解析することでAIによる鋼材の破断予測が可能になると考えています。将来的には、コンクリートの中性化や、鋼材の錆検知といった顧客ニーズに対しても、新たな検査技術や検査デバイスのラインアップ充実を図り、より早い段階での劣化検知の実現に貢献します。

国交省の性能カタログについて

「性能カタログ」は、国交省道路局が2019年に策定したもので、定期点検への新技術の積極的な活⽤を図るため、点検に活⽤可能な技術について、その性能値等をとりまとめたものです。橋やトンネルなど道路施設の定期点検要領が2019年に改訂され、5年周期の定期点検の2巡⽬が実施される中、国交省は2024年度から始まる3巡⽬における業務改善を⽬指して、近接⽬視や打⾳検査だけでない新たな技術導⼊を推奨しています。その⼀環として、「性能カタログ」改訂において、「橋梁及びトンネルの点検⽀援技術」の公募がありました。
コニカミノルタは、「SenrigaN」を「橋梁及びトンネルの点検⽀援技術」として応募し、今年の「性能カタログ」改訂において掲載されました。

【お客様のお問い合わせ先】

コニカミノルタ株式会社 Business Innovation Center

*1:プレストレストコンクリート (Prestressed Concrete:PC) を使⽤した橋梁のこと。PCとは、コンクリートの中に鉄筋より⾼強度な鋼材を通して張⼒を与え、圧縮応⼒を作⽤させることによって強化したコンクリートの ことで、ひびわれなども鉄筋コンクリートよりも⽣じにくい。

*2:鉄筋コンクリートの場合は鉄筋、プレストレストコンクリート(PC)の場合はPC鋼材となります。

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