ニュースリリース

業界最高水準の低輝度測定と高速化を実現した
次世代ディスプレイカラーアナライザー「CA-527」を発売進化する次世代ディスプレイ開発・生産現場のニーズにいち早く対応

2024年3月19日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、有機ELやマイクロLEDなど進化し続ける最新ディスプレイの評価ニーズに対応したカラーアナライザー「CA-527」を、本日発売したことを発表しました。

「CA-527」は、テレビやスマートフォンなどのディスプレイ開発・生産現場において、ホワイトバランス*1やガンマ*2フリッカー*3などの検査・調整に用いられる光計測機器です。高速かつ高精度な測定に定評のある「ディスプレイカラーアナライザー」シリーズの最新フラグシップモデルです。
近年ディスプレイ業界は急速に進化を遂げており、開発・生産現場からは、より低輝度から高輝度領域に対応し、一層高速かつ高精度な測定器への要求が高まっています。
「CA-527」は、業界最高水準*4の低輝度測定と高速化を実現しており、また、最新ディスプレイの技術トレンドに合わせてアプリケーション機能も強化し、ハイダイナミックレンジ(HDR)化が一層進む有機ELや、マイクロLEDディスプレイなどの高品位な次世代ディスプレイにおける最新評価ニーズに応えます。

【ディスプレイカラーアナライザー「CA-527」の提供する価値】

1. 精度保証輝度範囲のさらなる拡大

従来の「CA-VP427A」と比較して、低輝度においては1/3の暗さの0.0001cd/m2まで、高輝度においては2倍の明るさの10,000cd/m2までカバーする拡大された測定ダイナミックレンジによって、より広い範囲での測定精度ならびに繰り返し測定性能の保証を実現しました。これにより、高コントラスト比や広色域化が一層進む、有機EL、マイクロLED等の高品位な次世代ディスプレイのより高精度な輝度*5・色度*6の評価ニーズに応えます。

2.測定のさらなる高速化

「CA-527」では、最新の光学設計により、従来のカラーアナライザーシリーズと比較して、特に低輝度測定時間の大幅短縮を実現しました。これにより、ディスプレイの研究開発の領域のみならず、ディスプレイの生産現場におけるタクトタイム*7の短縮に寄与します。

3. 最新ディスプレイの技術トレンドに応えたアプリケーション機能*8の強化

1) ディスプレイ発光波形(Waveform)測定機能の大幅性能向上

「CA-527」では、従来のカラーアナライザーシリーズと比較して、より低輝度の領域をより高いサンプリング周波数で測定することが可能です。これにより、さらなる高コントラスト比を目指して進化する有機ELディスプレイや、時分割駆動方式を採用した最新マイクロLEDディスプレイなど、近年のディスプレイ開発の技術トレンドに伴って一層複雑さを増すディスプレイの発光波形をより正確に捉えたいニーズに対応します。

2) 可変リフレッシュレート(VRR)フリッカー測定機能の新規実装

従来のカラーアナライザーシリーズが提供するJEITA方式などによる高性能フリッカー測定機能に加え、最新ディスプレイで標準搭載されつつある可変リフレッシュレート(VRR)に伴うフリッカーの測定機能を新たに実装しました。さらなる動画品質の向上ならびに省電力化の実現に向かう最新ディスプレイの品質評価ニーズに対して、「CA-527」が業界最高水準*⁴のフリッカー測定性能で新たなデファクトスタンダードを目指します。

【主な仕様】

輝度 精度保証範囲 0.0001~10,000cd/㎡
確度(白色)* 0.0001~0.001 cd/㎡:±9%
0.001~0.01 cd/㎡:±2%
0.01~10,000 cd/㎡:±1.5%
色度 精度保証輝度範囲 0.001~10,000 cd/㎡
確度(白色)* 0.001~0.01 cd/㎡:±0.003
0.01~10,000 cd/㎡:±0.002
精度保証
計測速度
(AUTO)
Lvxy  0.0001~0.015 cd/㎡:1回/秒
0.015~0.2 cd/㎡:5回/秒
0.2~10,000 cd/㎡:20回/秒
インターフェース USB2.0、RS-232C

*当社基準光源使用 (6500K)

【コニカミノルタのセンシング分野について】

コニカミノルタのセンシング分野では、カメラ事業で培った光学技術を基盤に、「光源色計測」と「物体色計測」の分野で多様な製品・ソリューションを提供し、お客様のモノづくりの現場で品質の確保や生産性の向上に貢献しています。色計測のデファクトスタンダードとして使用されている製品も多く、特に世界のディスプレイ画質検査ソリューション市場ではシェアが50%を超え(当社推計)、マーケットリーダーとしてのプレゼンスを確立しています。
また、事業の競争力強化を目指して、積極的な事業投資を進めてきました。2012年にはハイエンドの光測定機の開発力を有し、ディスプレイやLED照明の高性能測定でトップクラスの実績を持つInstrument Systems社(ドイツ)を、2015年にはディスプレイ向けの高解像度二次元測定機や画像処理ソフト、自動外観検査システムなどで強みを持つRadiant Vision Systems社(米国)を、2019年には自動車外観検査市場における有力企業であるEines Systems社(スペイン)を、2020年にはハイパースペクトル・イメージング(HSI*9)業界のリーディング・カンパニーであるSpecim, Spectral Imaging社(フィンランド)を買収しています。
コニカミノルタのセンシング分野を含むインダストリー事業では、コア技術を強みとし、開発、製造、顧客サポートが一体となり、顧客との強固な関係を構築することで価値を共創してきました。今後注力する分野を「ディスプレイ」「モビリティ」「半導体製造」と定め、強化事業であるセンシング、機能材料、IJコンポーネント、光学コンポーネント(産業用途)を中心に、顧客のモノづくりバリューチェーンにより密接した事業開発を推進していきます。

*1:ホワイトバランスとは、白を正確に再現するために、光の三原色である赤、緑、青の光量の比率を調整すること。

*2:画像の階調の応答特性を示す数値。ガンマ補正を行うことで、白と黒の間の明るさである中間調において、明るさや色が目で見たときに自然でなめらかな階調となる。

*3:フリッカーとは、画面の“ちらつき”の現象で、物理的には、光が明滅する現象、または揺らぐ状態のこと。また、これらのうち人間の目で認識される状態のこと。人間の目の場合、高周波の現象は観測できず、感度の周波数特性を考慮したフリッカーを評価することがある。

*4:2024年3月14日現在、刺激値直読式の色彩輝度計として。

*5:光源から放出される光の単位面積あたりの明るさを定量化したもので、明るさに対して人が感じる心理物理量のこと。国際単位系での単位はカンデラ毎平方メートル(cd/m)。

*6:人が感じる光源の色を定量的に表したもの。最も代表的な評価指標としては、1931年に国際照明委員会(CIE)によって規定されたXYZ表色系(CIE1931)がある。

*7:生産工程において、一つの製品が製造されるまで必要とされる稼働時間のこと。タクトタイムの短縮は生産能力の向上につながるため、一般的にコストダウンにもつながる。

*8:ユーザが目的に応じて利用する機能。

*9:可視~中赤外域の比較的広帯域を細かく分光するカメラで、エリア内に分散している物質を区別する手段の一つ。材料、資源の弁別、食品の分析などリサイクル 環境 安全分野から、製品の表面状態の分析などの産業用途でも利用が見込まれる。

*記載されている商品名等は各社の登録商標あるいは商標です。

変更履歴

「主な仕様」に記載していた、本製品には不要な項目「表示範囲」を削除しました。お詫びして訂正します。[2024年4⽉1⽇]

【お客様のお問い合わせ先】

コニカミノルタジャパン株式会社 色と光の技術相談窓口 TEL: 0120-610577

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。