ニュースリリース

広波長域×低照度×高速測定が導く次世代ソリューション
分光放射照度計「CL-700A」を新発売
可視光から近赤外光まで広がる測定領域

2025年12月5日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、低照度環境下でも高速かつ高精度な測定を可能にする分光放射照度計「CL-700A」を発売します。
分光放射照度計は、日常生活に欠かせないLEDやOLED光源の「明るさ」や「色」に加え、波長や演色性*などの光の性質も正確に測定する装置です。照明はもちろん、自動車、スマートフォン(スマホ)、電機業界などで、製品の色品質管理や規格対応、研究開発に活用されており、高性能・高品質な製品づくりに欠かせない測定機器です。

「CL-700A」は、ロングセラー機種「CL-500A」の進化版として、測定波長範囲を大幅に拡張し、可視光域に加えて1,000nmまでの近赤外光領域の測定にも対応しています。これにより、自動運転やセキュリティシステムなどの近赤外光を活用した新たな応用分野での評価計測が可能となります。また、業界トップクラスの低照度での高速測定を実現しました(0.01lxで約5秒)。多点同時測定に対応し、生産ラインへの組み込み用途にも適したコンパクト設計になっています。

CL-700A商品写真

「CL-700A」は、近赤外光領域を含めた広波長域において、高速で信頼できる測定値を安定して提供し、開発・製造現場における工程効率化と評価精度の向上に貢献します。

⋆ある光源が物体の色をどれだけ自然に、太陽光と同じように見せるかを示す指標。太陽光を模した基準光源(D65)を100とした場合に、どの程度色がずれて見えるかを相対値で表す。

【「CL-700A」が提供する価値】

1. 広波長域で可視光から近赤外光領域まで対応可能

360nm〜1000nmという広波長域での分光測定を実現。これにより、可視光域はもちろん、近赤外光領域の測定にも対応し、LED、照明機器、プロジェクター、イメージセンサーやスマホカメラの検査用光源の評価に加え、AR/VR、セキュリティ用途などの新たな分野での光測定を可能にします。

2. 低照度から高照度まで広範囲な測定レンジ

0.01lxの超低照度から最大200,000lxまでの広範囲な照度測定が可能です。これにより、微弱光源から高輝度環境までの正確な評価を実現します。

  照度 用途
低照度領域 0.01lx〜 ・暗室や夜間環境での微弱光源の評価
・スマホカメラの暗所性能検査用光源
・イメージセンサーの低照度応答評価
中照度領域 数十lx〜数千lx ・オフィス照明の均一性評価
・プロジェクターの評価
・多点設置によるムラ評価
高照度領域 数万lx〜200,000lx ・屋外照明(スタジアム、道路灯など)の照度評価
・産業用LED光源
・農業・植物工場用の光源評価

3. 高速測定で作業効率を向上

照度0.01lx環境下で約5秒、0.1lx環境下では約2秒で測定可能です。0.1lxの環境下では「CL-500A」の約27秒と比較して大幅に測定時間の短縮を実現しており、低照度測定が必要な生産ラインにおいてタクトタイム*短縮に寄与します。

*1つの製品の製造にかける時間のこと

4. 多点同時測定に対応

最大15台までの多点同時測定に対応し、複数箇所のリアルタイムでの評価が求められる広範囲の照度分布測定が必要な、プロジェクターや屋外照明などにも適しています。

5. コンパクトサイズで柔軟な運用が可能

80×171×35mmのコンパクト設計により、手持ちでの測定が可能です。生産ラインへの組み込み用途にも適しており、製造装置や評価システムへの統合が容易です。

コンパクトデザイン写真

6. 操作性に優れたソフトウェア

標準で専用の光計測ソフトウェア「CL-S30」が付属しています。PC接続時において「CL-700A」の制御が可能で、各種光特性、色度図、分光スペクトルのグラフなど視覚的に分かりやすいアウトプットを簡単に得ることができます。

ソフトウエア画面

【「CL-700A」の主な仕様】

測定波長範囲 360~1000 nm
出力波長間隔 1 nm
スペクトル波長幅 約10 nm (半値幅、400-1000nm)
波長精度*1 ±0.3 nm(JIS Z 8724:2015 で規定される 435.8 nm、546.1 nm、696.5nm、及び、912.3nmでの重心波長)
照度測定範囲 0.01 ~ 200,000lx (色度精度保証範囲は0.5lx以上)
確度*2
(標準イルミナントA)
Ev :±2% ±1digit
xy :±0.0015 (5 lx ~ )
xy :±0.003 (0.5 ~ 5 lx)
測定時間*3 Super FAST モード:0.3秒以内
FAST モード :0.5 秒以内
NORMALモード:約 0.5 ~ 5 秒
大きさ 80×170.5×35㎜
質量 約214g

*1当社試験条件において(ゼロ校正後の温度変化 2°C以下)
*2 NORMALモード(23℃±2℃,相対湿度75%以下環境下)
*3 測定時間は以下の条件で適合
・操作端末からの測定要求から、測定器からの結果受信完了までの時間
・USB接続時
・Super FASTモードはManualレンジ設定時
・Buzzer Drive Mode OFF時
なお、15点接続時(Ethernet接続)は、表記の測定時間+1秒以内

【コニカミノルタのセンシング分野について】

コニカミノルタのセンシング分野では、カメラ事業で培った光学技術を基盤に、「光源色計測」と「物体色計測」の分野で多様な製品・ソリューションを提供し、顧客のモノづくりの現場で品質の確保や生産性の向上に貢献しています。色計測のデファクトスタンダードとして使用されている製品も多く、特に世界のディスプレイ画質検査ソリューション市場ではシェアが50%を超え(当社推計)、マーケットリーダーとしてのプレゼンスを確立しています。さらには、自動車外観検査やハイパースペクトル・イメージング*の新規技術を獲得して、事業の競争力を強化してきました。
コニカミノルタのセンシング分野を含むインダストリー事業では、コア技術を強みとし、開発、製造、顧客サポートが一体となり、顧客との強固な関係を構築することで価値を共創してきました。今後注力する分野を「ディスプレイ」「モビリティ」「半導体製造」と定め、強化事業であるセンシング、機能材料、IJコンポーネント、光学コンポーネント(産業用途)を中心に、顧客のモノづくりバリューチェーンにより密接した事業開発を推進していきます。

*可視~中赤外域の比較的広帯域を細かく分光するカメラで、エリア内に分散している物質を区別する手段の一つ。材料、資源の弁別、食品の分析などリサイクル・環境・安全分野から、製品の表面状態の分析などの産業用途でも利用が見込まれる。

【 お客様のお問い合わせ先 】

コニカミノルタジャパン株式会社 色と光の技術相談窓口 TEL: 0120-¬610577

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