ニュースリリース
複合樹脂の混練および成形の条件をAIで最適化する技術を確立
バイオマス由来樹脂やリサイクル樹脂の品質安定化に貢献
2026年3月13日
コニカミノルタ株式会社
国立研究開発法人産業技術総合研究所
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)と、国立研究開発法人産業技術総合研究所(つくば本部:茨城県つくば市、理事長:石村 和彦、以下 産総研)ナノカーボン材料研究部門 室賀 駿 主任研究員、木村 大輔 研究員、畠 賢治 研究部門長らの研究グループは、混合樹脂の混練および成形の条件をAIで最適化する技術を確立しました。
これはコニカミノルタと産総研がこれまで培ったコア技術を融合、発展させた技術であり、少ないデータで予測可能なAIモデルを構築し、樹脂成形品の品質の安定化に寄与します。
この技術は今後、コニカミノルタのセンシング技術を活用した計測ソリューションや、中長期での重点テーマ「成長の芽」であるインテリジェント再生材やバイオものづくりのプロセスモニタリングへの応用を目指しています。
なお、この研究成果の詳細は2026年3月15日に「第73回応用物理学会春季学術講演会」において発表されます。
【研究背景】
近年、資源循環の観点からバイオマス由来樹脂やリサイクル樹脂の活用に大きな期待が寄せられています。一方で、これらの樹脂は石油由来の樹脂と比べて、原料に起因する品質のバラつきや、混練時の成分分解や成形不良の発生などから、混練や成形条件の調整に多くの労力が必要となるといった課題があります。
この課題解決にGX(グリーントランスフォーメーション)の観点で貢献するため、コニカミノルタと産総研ではAIを用いて複合樹脂の混練・成形の条件を予測する研究を進めておりました。
コニカミノルタで長年開発してきたセンシング技術を活用した計測ソリューションと、産総研でこれまで培ったマルチモーダルAI※1や自律自動実験※2の技術をもとに、両者のコア技術を融合させ、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)やプロセス・インフォマティクス(PI)に活用することで、複合樹脂に適したAI技術の開発を目指しました。
【研究成果】
このほどの研究により、コニカミノルタと産総研は、樹脂種や添加剤の配合比率、混練・成形時の状態を計測し、独自のデータ処理を行うことで、希望する物性を有した樹脂成形品を製造するために最適な混練・成形条件を予測するマルチモーダルAIモデルを構築しました。
これまでコニカミノルタと産総研で培った基礎データと、複数の計測データから目的の物性を予測するマルチモーダルAIの研究に基づく開発効率化の知見を統合し、少ないデータでも予測可能なAIモデルを構築して品質の安定化につなげることができました。
本研究では、複合樹脂を対象にマルチモーダルAIを活用したことで、市場に普及するさまざまな材料に対し幅広い適用が期待できます。
【今後の予定】
コニカミノルタはこれからも、AIを活用した材料化学分野における課題解決を通じて、脱炭素や資源循環に貢献し、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。
産総研ではマテリアルDX技術の高度化および多様な材料・プロセス開発への展開を通じて、効率的な材料・製品開発に資する技術開発と社会実装加速へ貢献してまいります。
【発表情報】
学会:2026年 第73回応用物理学会 春季学術講演会
題目:樹脂の混練・射出成形のGXを推進するマルチモーダルAI技術の開発
発表番号:15p-S2_204-6
発表日:2026年3月15日(日) 14:45-15:00
発表者:小島茂1*, 大澤耕1, 髙友香子1, 奥山倫弘1, 成毛章容1, 岡庭みゆき1, 木村大輔2, 畠賢治2, 室賀駿2*
1コニカミノルタ, 2産総研
*責任著者
注釈)
※1 マルチモーダルAI:
人間が五感という異なる感覚器の複数の情報を処理して高度な判断を行うように、複数のデータをもとに複雑な分類や予測したい問題へ適用するAI技術
参考:Muroga, Miki, Hata, Adv. Sci., 10, 24, 2302508 (2023).
※2 自律自動実験:
AIと実験装置やロボット等が連動して、材料・プロセス条件の膨大な候補の中から迅速に探索を行う技術
参考:Muroga et al., Mater. Horiz., 12, 623-629 (2025).
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