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胸部単純X線画像から異常部位を検出するAIを共同開発
Enlitic社と丸紅との連携で「プライマリケアAI」を加速

2019年4月10日

コニカミノルタ株式会社(以下 コニカミノルタ)は、このほど医用画像AI(人工知能)解析ベンチャーのパイオニアであるEnlitic, Inc.(以下 Enlitic社)と、丸紅株式会社(以下 丸紅)と、AIの共同開発契約を締結し、その第一弾として胸部単純X線AIの開発を進めることといたしました。
この度の共同開発で、コニカミノルタの持つ商品開発力とEnlitic社の技術力を融合し、プライマリケアや検診をサポートするAIの開発を加速させます。

狙い

Enlitic社は、2016年の「MITテクノロジーレビュー」で「50 Smartest Companies」にも選出された、ディープラーニングを活用した医用画像解析技術のトップランナーです。また、その技術力に加え、百万症例規模の大量データを保有、学習済みです。丸紅はEnlitic社の株主であり、そのグローバルなビジネス基盤から、迅速な販路の拡大が期待できます。コニカミノルタは、胸部画像を用いた Bone Suppression(肋骨減弱)処理※1、Temporal Subtraction (経時差分)処理※2の開発など、臨床に即した開発、評価のノウハウを保有しており、3社が連携することで、日本で市場展開可能なAIの開発が早く進むものと考えています。

背景

コニカミノルタは、X線画像診断装置、超音波診断装置、医療ITを3本柱として、病院・クリニック向け医療用画像情報を中心にヘルスケア事業を展開しています。近年は、プライマリケア(身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療※3)の重要性に着目し、これを支援する製品やサービスにも注力しています。
プライマリケアでは、様々な診療科が扱う多種多様な病気への対応が必要です。コニカミノルタは、専門医のスキルを学習したAIをプライマリケアに活用することで、患者、医師、診療放射線技師の負担を減らすことが可能であると考え、「プライマリケアAI」製品によって、プライマリケアに求められるゲートキーパーとしての役割を支援します。
また、このようなAIは、限られた時間の中で大量の診断を要求される検診現場においても同様の負担低減が期待できると考えています。

胸部単純X線AIの開発

医療現場で一般的に利用され、かつ撮影数が多い胸部単純X線画像は、撮影が簡便であることに加え、同時に多くの種類の病変の検出を対象にできるという利点があります。一方で、複数の組織が重なって表現される中から病変を識別しなければならず、さらに撮影枚数も多いことから、医師への負担も大きくなっています。
そこでコニカミノルタは、共同開発の第一弾として、病変を早期に見つけることに重点をおいた、プライマリケアや検診をサポートする胸部単純X線AIの開発に取り組みます。

 

今後もお客さまへの約束「Giving Shape to Ideas」のもと、コニカミノルタは、グローバルに医療分野での多様なニーズにお応えする、診療価値を高めるようなソリューションの提供を加速してまいります。

 

※1Bone Suppression処理は、独自の胸部X線画像データベースをもとに、高度なアルゴリズムで胸部画像の前方肋骨、後方肋骨、および鎖骨の信号を減弱する画像処理技術です。医師が頭の中でイメージしている、「鎖骨/肋骨の減弱像」を可視化することで、肺野内の骨に重なる病変の視認性を向上させ、胸部読影の診断を強力にサポートします。

※2Temporal Subtraction処理は、独自のアルゴリズム補正をもとに、胸部画像の現在と過去の差分画像を生成する画像処理技術です。病変の進行、治癒等の判別のために比較読影する際、現在と過去の差分画像を生成し「変化の有無」を可視化することで、診断精度の向上と時間短縮が期待でき、胸部読影を強力にサポートします。

※3出典:社団法人日本プライマリ・ケア連合学会ウェブサイト

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