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パルスオキシメーターは何が測れるの?
本当に必要な方への供給が優先されることを願って

2020年4月24日

報道関係各位

コニカミノルタ株式会社
コーポレートコミュニケーション室

1.はじめに

グローバルに新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、パルスオキシメーターは感染者の肺炎の早期発見に有効なツールとして軽症者宿泊施設での活用も始まり、その名前だけが急速に広まりましたが、実際にパルスオキシメーターとは何か、パルスオキシメーターで何が出来るのかという知識はまだまだ一般には知られていません。
例えば、「パルスオキシメーターの数値によって、新型コロナウイルスの感染判断ができる」という間違った認識が一部で広まり、パルスオキシメーターを感染予防目的のために一般家庭で購入されるケースも増えていると聞きます。
パルスオキシメーターは、病状の重症度の判断には有効で、急性呼吸不全を起こす可能性のある慢性疾患患者の日常管理や、医療機関・介護施設などでの患者・入所者の病状判断に重要な製品です。特に、高齢者や基礎疾患を持つ方々は新型コロナ肺炎重症化のリスクが高いと言われており、そうした方々に使用いただく機会を確保することが現在、重要な課題となっております。

コニカミノルタでは、本当に必要な方への供給が優先されるよう、パルスオキシメーターの正しい情報をお伝えすることを目的に、本資料を作成いたしました。本資料が報道関係の皆様の一助となれば幸いです。

2.パルスオキシメーターとは

パルスオキシメーター(pulse oximeter)は、動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を採血することなく、指先などに光をあてることによって測定する装置で、病院の手術室や集中治療室、内科、呼吸器科、循環器科の外来・病棟などで、幅広く使用されています。
現在主流となっている指先で測定するパルスオキシメーターは、コニカミノルタが1977年に世界に先駆けて開発しました。その後も40年以上にわたり小型・軽量化を追求し、現在は測定・計算・表示を一体化した高品質なフィンガータイプを医療の現場に提供しています。また、近年は医療機関内だけでなく、往診や訪問看護での使用、さらには慢性呼吸器疾患患者の自己管理、高齢者の家庭での体調管理のための使用も加わり、幅広い用途で高い評価を得ています。

3.何をはかるの?パルスオキシメーター

パルスオキシメーターで測るのは「動脈血酸素飽和度(と脈拍数)」です。動脈(心臓から全身に運ばれる血液)に含まれる酸素(O2)の飽和度(Saturation:サチュレーション)を、皮膚を通して(percutaneous)測っていますので、その測定値をSpO2(エスピーオーツー)と呼びます。なお、採血などの方法によって動脈血の酸素飽和度を測定したものはSpO2と区別するためSaO2(エスエーオーツー)と呼ばれています。
では、酸素の飽和度とは何でしょう。血液中の酸素の大半(健康なら99%近く)は赤血球の中にあるヘモグロビンによって運ばれます。飽和とは最大限の状態を指しますので、酸素飽和度とはヘモグロビンが運べる最高の状況に対し、実際に、肺にある酸素を血液中にどれだけ取り込んで体に運べているかを表します。
従って、肺炎になり、肺がダメージを受けた個所が増えると、それだけ肺から血液に酸素が移せなくなります。その結果、酸素飽和度が下がってくるため、パルスオキシメーターが重症度の指標として、肺炎重症化の可能性を見つけるツールとなってきます。

4.何ではかるの?SpO2

パルスオキシメーターは、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器です。突然の事故や疾患の急激な悪化、手術中などでは、パルスオキシメーターにより酸素飽和度を連続的にモニターします。これは、生命維持のための最低限必要な酸素供給力が失われないように、連続的に監視するための目的です。
あるいは、入院中に看護師さんが体温や血圧測定と同時にパルスオキシメーターで酸素飽和度を測るのは、体の内側で何らかの不具合が生じて、それが酸素供給力としての酸素飽和度に現れていないかを確認しています。
身体の酸素供給力が衰えた時に、まずなされるのは酸素の吸入です。酸素は必要なものでもありますが、その一方で過剰な酸素は身体に悪影響をもたらすこともあります。パルスオキシメーターによって、その方にとっての適正な酸素吸入量を判断することにも使われます。
生きるために必要な酸素、健康であるために必要な酸素が、充分に体に供給されているかどうかを確認するために酸素飽和度は測られます。

5.パルスオキシメーターは医家向け医療機器です

パルスオキシメーターの操作は非常に簡単です。しかし、測定値がどのような体の状態を意味するかを判断することは簡単ではありません。
日本呼吸器学会のホームページでも次のように説明されています。

~日本呼吸器学会のホームページより抜粋~
一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性があるため、適切な対応が必要です。慢性に肺や心臓の病気のある患者さんでは、息苦しさや喘鳴などの症状が強くなり、SpO2が普段の値から3~4%低下した場合は、かかりつけ医に連絡するか受診をしてください。
操作自体は簡単で、家庭での購入も可能ですが、測定値のもつ意味はその人の状態やかかっている病気によっても異なるため、測定値の判断は主治医など医療専門の方の指導を仰ぐことをお勧めします。

また、厚生労働省では、「新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメーターを装着すること」を医行為ではないとする解釈を示しています。(平成17年7月26日厚生労働省医政局長発信 医政発第0726005号)しかし、これはあくまで「装着」するという行為までであり、測定値の判断や測定値に基づく行動までは含まれていません。
SpO2はその人が持つ様々な要因によりその意味が異なりますので、あくまで医療専門家の判断をもって使用していく必要があります。

6.おわりに

本資料は、コニカミノルタのウェブサイト「パルスオキシメーター知恵袋」からの抜粋に、現在の状況に適した説明を追加しました。さらに詳しい情報をお知りになりたい方は、下記サイトをご覧ください。

パルスオキシメーター知恵袋 基礎編

パルスオキシメーター知恵袋 活用編

新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、パルスオキシメーターは「肺炎等の患者の血中酸素飽和度を測定し、呼吸がうまくできているかどうかを測ることができる医療機器」として、さらに中等症から軽症患者へのモニタリングやトリアージでの要求が高まっており、コニカミノルタにも供給要請が届いております。コニカミノルタでは、生産委託先である日本精密測器株式会社と連携し、医療機関向けの増産体制を整えております。

分類:管理医療機器 特定保守管理医療機器/販売名:コニカミノルタ PULSOX-Neo/認証番号:230AGBZX00112000

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