日本超音波医学会の「第21回技術賞」を受賞
超音波診断装置に搭載の高画質化技術「Dual Sonic®」が評価

【業績とその受賞者】

日本超音波医学会　第21回技術賞「Dual Sonic」
コニカミノルタ株式会社　ヘルスケア事業本部
谷口　哲哉、酒井　智仁、國田　政志、小笠原　正文

【開発の成果と提供する価値】

超音波診断装置は、簡便かつ安価に生体内をリアルタイムで観察できる特長により、医療の幅広い分野で利用されています。プローブから、超音波を生体内に送信し、その反射波を信号処理することで、体の中を手に取るようにみることができる優れた画像診断モダリティです。

今回受賞した「Dual Sonic®」は、生体内の浅部から深部まで広い範囲で高画質を実現することを目的に開発された超音波送信音場制御技術です。

波としての超音波は、生体内での減衰により、深いほど超音波が届きにくく、反射波の強度も弱くなります。一般に高周波ほど減衰しやすいため、通常は、観察する深さに応じて、送信する超音波の周波数を切り替えて使用します。浅部観察時は高周波の送信波を、深部観察時は低周波の送信波を用いることで、それぞれに適した画像を得ることができます。

本技術では、深部の観察時においても、浅部画質を損なうことのないよう、新しい超音波ビーム形成技術を導入しました。

一般に、超音波診断装置は、表示深度やフォーカス点などの設定に応じて、送信時間間隔や焦点深度、送信開口等の送信にかかわる条件を決定します。この条件下において生体への安全性が考慮された最適な電圧がプローブの圧電素子に加えられます。

通常、深部に送信焦点を形成する場合、比較的大きな開口で超音波が送信されます。その際、浅部領域では、受信焦点領域の外側を通過する送信波により反射や散乱が発生し、これらが浅部画像の音響ノイズの一因となっていました。さらに画像形成に寄与しない受信焦点領域外への余剰な音響出力によって不要な発熱を生じ、送信電圧が制限される要因ともなっていました。

「Dual Sonic®」は、これらの問題を解決するために開発されました。

本技術では、送信開口を中心部と辺縁部に分割し、それぞれで異なる送信波を生成します。具体的には、中心部は浅部と深部の双方に有効な広帯域送信波を、辺縁部は深部に有効な低周波送信波を同時に送信します。
これにより、送信波の音響効率を最大化するとともに、適切な音場形成が可能となり、浅部から深部まで全体に渡ってノイズの少ない超音波画像を得ることができるようになりました。写真に示す膝蓋画像だけでなく、さまざまな診断領域での高画質化が可能となり、診断精度のより一層の向上に貢献できるものと考えています。

【本技術が搭載されている製品】

今回受賞した「Dual Sonic®」技術は、当社の超音波診断装置「SONIMAGE HS2」、「SNiBLE2」^※1、「SONIMAGE MX1α」^※2、「SNiBLE yb」^※3、「SONOVISTA GX30」に搭載されています。

製品情報】
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/products/us/

【製品 お問い合わせ先】
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/inquiry/

SONIMAGE、SONOVISTA、Triad Tissue Harmonic Imaging、Dual Sonicは、コニカミノルタ株式会社の商標または登録商標です。

※1「SNiBLE2」は、超音波診断装置「SONIMAGE HS2」の整形外科用モデルの呼称です。

※2「SONIMAGE MX1α」は、超音波診断装置「SONIMAGE MX1」の呼称です。

※3「SNiBLE yb」は、超音波診断装置「SONIMAGE MX1」の整形外科用モデルの呼称です。

超音波診断装置 SONIMAGE HS2 認証番号 301ABBZX00053000（SNiBLE2も同番号）
超音波診断装置 SONIMAGE MX1 認証番号 230ABBZX00010000（SNiBLE ybも同番号）
超音波診断装置 SONOVISTA GX30 認証番号 231ABBZX00001000