高感度と定量的な解析を可能とする、新しい組織染色サービス

Quanticell®サービス

概要

コニカミノルタの粒子技術を用いた蛍光組織染色は、従来型の免疫組織化学染色(IHC)よりも高感度かつ定量性に優れています。タンパクや薬剤など、標的分子の組織内分布や細胞内局在情報と組み合わせた定量的な解析をご提供します。

原理

Quanticell®サービスが提供する高感度・定量解析には、コニカミノルタが独自に開発した高輝度蛍光粒子であるPID (Phosphor Integrated Dot)を用います。PIDは均一な粒子径、蛍光色素や量子ドットよりも高い輝度、励起光照射下での高い安定性といった特徴を有しているため、従来法では達成できない高感度・定量的な解析を実現しています。免疫染色の手法としては、従来法と同様のプロセスであり、一次抗体、二次抗体、PIDの順に染色するため、特別な試薬や抗体は必要ありません。

染色された検体から明視野画像と蛍光画像を取得し、コニカミノルタで開発した独自のソフトウェアを用いて解析することで定量評価することが可能です。
明視野画像では核認識アルゴリズムによるデジタル処理を行うことで、核領域の抽出の他、細胞数や面積を測定します。蛍光画像では輝点(発光している点)の蛍光強度からPIDの粒子数を算出します。それぞれの画像から得られたデータを組み合わせることで、各細胞ごとの検出量を平均した数値(PIDスコア)を比較し、検体ごとのタンパク発現量を比較することができます。

サービスの流れ

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TEL:03-6324-1024

標的分子や使用抗体、納期など試験系構築に必要な情報や、お客様からのご要望をお伺いします。
必要に応じて秘密保持契約を締結します。

ヒアリングした内容をもとに、試験系を構築しご提案します。

委託契約書を締結し、試験を発注いただきます。

試験概要をもとに試験計画書を作成しご提示します。

試験計画書に従って試験を実施します。
試料等は、コニカミノルタの試験施設にお送りいただきます。
試験の実施期間は2~3ヶ月程度となりますが、試験内容によって異なります。詳しくはお問い合わせ下さい。

試験の進捗に応じて、試験の経過をご報告します。

試験の結果をご報告し、取得データ・試料・最終報告書をお送りします。

通常、試験終了後にご請求します。

Quanticellサービスをご依頼いただいた場合の試験の流れです。お客様のご要望に応じた試験設計を行いますので、お気軽にご相談ください。
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実施例1 超高感度検出と定量測定による層別化

乳がんの診断で実施されるDAB染色によるHER2タンパクの発現解析では、DABの染色強度、パターンにより3+, 2+, 1+, 0に分類されます。上図では1+のDAB染色像は薄く、陽性、陰性の区別が難しくなっています。Quanticell®による染色では1+に分類されるがん組織においても明瞭なシグナルが観察され、DAB染色では陰性である0に分類される組織においても細胞膜状のシグナルが認められます。

DAB (1+)染色とQuanticell®染色の比較

DAB染色では1+に分類されるTMA(Tissue Micro Array) 内での染色結果の比較が上図となります。陽性、陰性の判定が難しい1+ に分類されるがん組織においても発現量に差が認められることがわかります。Quanticell®による染色は低発現量のターゲットの発現量の差を検出するのに適しています。 PID valueは、浸潤がん領域におけるPIDの蛍光強度を算出しています。

DAB (0)染色とQuanticell®染色の比較

DAB染色で0に分類されるTMA 内での染色結果の比較が上図となります。DAB染色で0に分類されるがん組織においても、Quanticell®による染色ではシグナルを検出することが可能です。DAB染色では陽性と陰性の判別が難しい低発現量のタンパクを定量的に評価できるため、特に従来のIHC法で検出感度が不足していたターゲットの解析に有効です。

実施例2 細胞種を同定した定量解析

従来のIHCと組み合わせることで、細胞種を同定しながらタンパク発現量を定量的に評価することが可能です。上図はヒト肺がん組織の腫瘍領域に浸潤したCD8陽性T細胞をDAB染色で同定しながら、各腫瘍細胞上のProgrammed cell death ligand 1 (PD-L1)発現量についてQuanticell®による定量的評価を行った例です。 浸潤しているCD8陽性T細胞の数や、T細胞に隣接する細胞のタンパク発現量など、特定の細胞種にフォーカスした解析が可能となります。この解析方法を利用した研究成果は こちら

左上図はヒト肺腺癌検体におけるTumor-Associated Macrophage (TAM)をDABとHistoGreenの基質を用いて識別し(マーカー:CD68/CD163)、さらにColony stimulating factor 1 receptor (CSF-1R)をQuanticell®により検出した例です。予後不良因子とされているTAM上のCSF-1Rを定量することで、右上図のように患者間でTAM上のCSF-1R発現量が異なる様子が示されます。Quanticell®の定量的評価用いることで、発現量による患者層別が可能となります。さらに、組織内に占める各細胞種の割合など、腫瘍微小環境で重要な因子も評価できます。この解析方法を利用した研究成果はこちら

実施例3 標的タンパクと薬剤の同時定量解析

抗薬剤抗体を用いることで投与された薬剤を切片上で検出することが可能です。上図は担がんマウスに投与したTrastuzumabを検出した例です。
HER2陽性・陰性がん細胞を移植したマウスにおける、血漿中Trastuzumabの濃度には大きな差が見られなかったのに対し、腫瘍内TrastuzumabをQuanticell®で定量解析したところ、HER2陽性がん細胞を移植したマウスの腫瘍から多くのTrastuzumabが検出されます。また、Quanticell®の画像解析により、腫瘍内へのTrastuzumabの分布が明瞭に解析できます。

さらに、標的タンパクと薬剤を同時に染色し、Quanticell®の特徴である定量、局在解析を実施することで、標的タンパクと薬剤の分布量の関係および局在を同一切片上で可視化・定量化できます。
上図はTrastuzumabとHER2を同時に検出した例です。薬剤が目的となるターゲットに到達しているか詳細に解析することができます。HER2高発現領域においてTrastuzumabがほとんど到達していない領域を遺伝子解析等の別法により特徴量を解析することにより、薬剤デリバリーの改善・新たなバイオマーカー探索等への活用が可能となります。

外部発表

発表論文抜粋

  1. PD‑L1 expression in pancreatic ductal adenocarcinoma is a poor prognostic factor in patients with high CD8+ tumor‑infiltrating lymphocytes: highly sensitive detection using phosphor‑integrated dot staining, S. Yamaki et al., Int. J. Clin. Oncol., 22:726–733 (2017)
  2. Quantitative diagnostic imaging of cancer tissues by using phosphor integrated dots with ultra-high brightness, K. Gonda et al., Scientific Report, 7:7509 (2017)
  3. CSF1R-expressing tumor-associated macrophages, smoking and survival in lung adenocarcinoma: analyses using quantitative phosphor-integrated dot staining, K. Inamura et al., Cancers, 10:252 (2018)
  4. A novel detection methodology for HER2 protein quantitation in formalin-fixed, paraffin embedded clinical samples using fluorescent nanoparticles: an analytical and clinical validation study, D. G. Hicks et al., BMC Cancer, 18:1266 (2018)
  5. Quantitative immunohistochemical assay with novel digital immunostaining for comparisons of PD‑L1 antibodies, T. Fujisawa et al., MOLECULAR AND CLINICAL ONCOLOGY, 10:391 (2019)
  6. Automated quantification of extranuclear ERα using phosphor-integrated dots for predicting endocrine therapy resistance in HR+/HER2- breast cancer, Z. Guo et al., Cancers, 11(4): 526 (2019)

学会発表(ポスター)

  1. Quantitative analysis of ADCs: Whole tumor and intra-tumor PK analysis provides quantitative results on trastuzumab distribution, R. Matsukane et al., American Association for Cancer Research (AACR), (2017).
  2. Quantitative measurement of human epidermal growth factor receptor-2 (HER2) protein expression in ‘classical’ and ‘non-classical’ FISH categories: a comparative study, J. Shen et al., United States and Canadian Academy of Pathology (USCAP), (2018).
  3. Prognostic value of nuclear and non-nuclear estrogen receptor expression by IHC with phosphor-integrated dots in hormone receptor-positive early breast cancer, Z. Guo et al., American Association for Cancer Research (AACR), (2018).
  4. Evaluating loss of STING/cGAS expression using a novel multiplex immunohistochemistry detection approach, A. Goel et al., The Society for Immunotherapy of Cancer (SITC), (2019).
  5. Examining “Her2 Low” patient populations for prediction to Her2-targeting antibody-drug conjugate response in Her2 negative patients using a novel high sensitivity immunohistochemistry assay, J. Kruger et al., American Association for Cancer Research (AACR), (2020).
  6. Quanticell, a novel histopathology technology for visualization and quantitation of membrane PSMA demonstrated in cell lines and clinical tissue, H. Dimant et al., American Association for Cancer Research (AACR), (2020).

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