11月3日に開催された東日本実業団駅伝で、2026年元日のニューイヤー駅伝への出場権を奪還したコニカミノルタ陸上競技部。どんな想いでこの1年をすごし、そして2年ぶりのニューイヤー駅伝に臨むのか。米満キャプテンと廣澤サブキャプテンにききました。

この1年の振り返り

Q:昨年の東日本実業団駅伝でニューイヤー駅伝2025への出場権を逃してからの1年間、今年の11月3日の東日本実業団駅伝まで、どのように過ごしてきましたか?

廣澤:この1年、陸上活動をしている中で常に頭にあったのが「東日本実業団駅伝」です。「目標を達成して入賞するんだ!」と、日々を過ごす中で思い出すようにしていました。駅伝としては、ニューイヤー駅伝の規模のほうが大きいですが、私たちにとっては東日本実業団駅伝が一番の大舞台なんじゃないかというぐらい緊張感がありました。いつもとは違う感情や想いを持って、11月3日当日を迎えました。

米満:去年の結果は、悔しい、残念と言っていただきますが、そうはいっても「やることは変わらないんだ」と思っていて、とにかく今やっていることを継続して、質を高めていくことを意識して過ごしてきました。

Q:今年のチームの状況は、昨年と比べて何か違いを感じますか?

廣澤:表現が合っているかわかりませんが、いい意味で冷静さを持つようになったと思います。去年は結果が出なかったから「もっと練習しなきゃ」という気持ちが多くの選手に共通して見られました。それが怪我につながり、走れなくなって、さらに練習量を増やすという悪循環に陥っていました。今年度は結果の有無に関わらず、しっかりと自分の中で内省して、やるべきところをやり、やらないところはやらないというメリハリが段違いに良くなっています。自分自身も去年と比べて走行距離は減っていますが、その分休養の時間やフィジカルトレーニングの時間を確保するようにしています。その結果、年間を通して怪我も少なくなりました。そういう違いが駅伝の結果やトラックの結果にも出てきているんじゃないかと思っています。

米満:一人一人がやるべきことを理解してしっかりこなしていくことができるようになってきたことが、結果にも出てきています。実際に自己ベストを更新している選手も多いですし、トラックでは組で勝つレースが増えてきています。もっともっとレベルは上げていかなければいけないですが、周りに対して怖さを出していけるようになってきたと思います。駅伝では絶対に必要になってくる勝負強さが身についてきているのは、みんながやるべきことをしっかりとやっているからだと思います。

Q:この1年で特に印象に残っているエピソードや瞬間は?

廣澤:今年は新人選手が入部しませんでした。去年東日本実業団駅伝で悔しい想いをしたときと同じメンバーで、今年しっかりとニューイヤー駅伝の切符を勝ち取ってリベンジできたというのは、自分たち自身すごく成長を感じる瞬間でした。

キャプテン・サブキャプテンとしての想い

Q:キャプテン、サブキャプテンとして意識していたことはありましたか?

米満:キャプテン初年度だった昨年は、「キャプテンとして何かを見せなければ」という気持ちでしたが、今年はまず自分が結果を残すためにどうするべきかを考え、それに集中してきました。少しずつですが結果も出てきて、それを見て感じてもらえたらいいなと思っています。やはり結果が出ないと、いくら何かを見せようとしても意味がないので、集中して自分のやるべき仕事をやることを重視してきました。

米満選手のインタビュー時の写真

廣澤:昨年度からサブキャプテンをやらせていただいていますが、昨年は怪我が多くて、役割をしっかり果たせていないという気持ちが1年間通してありました。怪我をして走れなかったり、レースでも結果を残せなかったことが原因だったと思います。今年度は米満さんとは逆に、「しっかりサブキャプテンとしての立場を見せていこう」という気持ちで活動してきました。ただ、サブキャプテンとして何をすればいいか、という正解はまだ自分の中ではつかめていませんが、積極的に引っ張ったり、選手間の話し合いの場で意見を聞いてそれをスタッフに伝えたり、ということは今年度入ってから意識して取り組んできました。

Q:そのように意識をしてきて、変わったなと感じることはありますか?

廣澤:スタッフの方々から「今年に入ってから成長したね」という言葉をかけてもらったことがあります。自分では気づいていなかったですが、周りにもしっかり見られているんだなと感じました。継続して来年以降も続けていけたらと思います。

Q:キャプテンとサブキャプテンとして二人で話し合ったりすることはありますか?

米満:話しますけど、そういう真面目な話はあまりしません。

廣澤:今年に入ってからはほとんどないですね。

Q:お互いをどのように見ていますか?

米満:廣澤さんは競技に対してだけでなく、人間としてもすごく尊敬できます。味噌汁の飲み方がとすごく綺麗で(笑)、食べ方からも真面目さが出ています。いつも黙々とやっていて、報われてほしいなと思います。

廣澤:米満さんはギャップがすごいですね。入部した当初は怖いイメージがあったんですが、話してみたらそうでもなくて。他の選手からも米満さんは少し怖いイメージがあって近寄りがたい感じがあると思うんですが、逆に米満さんの方からコミュニケーションを取ってくれたりして、キャプテンの鏡だと思います。

ニューイヤー駅伝へに向けて

Q:ニューイヤー駅伝に向けての意気込みを聞かせてください。

廣澤:今年1年間、個人としてもチームとしても順調に右肩上がりで来ているので、緊張感と同時に楽しさを持って駅伝に臨めるんじゃないかと思います。野口コーチに「駅伝に向かう過程にしっかり楽しさを持っていこう」と言われたんですが、それが大事だなと思っています。試合が近づくにつれて精神的に自分を追い込むだけになってしまうと良くないので、しっかりと楽しむ気持ちを持って臨みたいです。それがいい方向に転がって、チームの目標達成や良い結果につながればいいなと思っています。

廣澤選手のインタビュー時の写真

米満:今回は2年ぶりのニューイヤー駅伝になります。例年自分も東日本実業団駅伝で力を出し切れずにいましたが、ようやく今年の東日本実業団駅伝では力が出せたかなと思っています。コニカミノルタはこれまで優勝を重ねてきた強いチームで、そのチームで走るのが正直怖いと感じたこともあります。求められるものが高くて、そのギャップに苦しんだこともありました。でも今年は、自分も集中してやってきた中で結果が出てきて、今回は「やってやる」という気持ちがすごく強いです。とにかく楽しみです。

Q:さいごに、ファンの皆さんに向けて一言お願いします。

米満選手・廣澤選手のインタビュー時の写真

米満:2年ぶりに出場しますが、ここ数年の成績は10番台後半とか、過去最低順位だった26位とかでした。でもチームは、中期計画で高い目標を設定しています。まずは今年の目標である10番台に戻して、3年後には優勝争いができるよう、そこへ向けての一歩を踏み出せるように頑張りたいと思います。

廣澤:今年は特にファンの皆様のありがたさを感じています。東日本実業団駅伝に向けてしっかり準備ができたのも、結果を残せたのも、ファンの皆様の応援やサポートがあってのことだと思っています。まずは恩返しという形で結果を残したいです。また、米満さんも言われたように、この先につながる結果を残していきたいと思っています。まだ発展途上ですが、そこを理解していただいて応援していただけたらありがたいです。