ニュースリリース

ビデオソリューションサービス事業をAIとグローバルで加速
分散処理型IPカメラやVMSを擁するMOBOTIX社との連携強化

2023年1月6日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、成長市場であるモニタリング・ビデオソリューションサービス領域の事業を、さらなるAI活用によるソリューション展開とグローバルな販売力で強化し、事業の高収益化と成長に向けた取り組みを加速します。

【画像IoTで「社会における安全・安心確保」を目指す】

近年、気候変動に伴う災害リスクの増大や労働人口の減少などの社会課題が顕在化する中で、安心・安全の確保や生産性の向上を実現するために、DXによる社会課題の解決が求められています。コニカミノルタは、事業を通じて「社会における安全・安心確保」などの5つのマテリアリティ(重要課題)に取り組む中、画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」を駆使したAI処理による高度な認識・判断をリアルタイムに現場(エッジ)サイドで実現し、これら社会課題の解決に貢献することを目指しています。
FORXAIのエッジデバイスの一角は、2016年に株式取得したMOBOTIX AG社(モボティクス、本社:ドイツ ラングマイル、以下 MOBOTIX)が持つ分散処理型(エッジコンピューティング)IPカメラ、画像データ圧縮技術、画像データ解析技術によって確立され、同社との技術連携による信頼性の高いモニタリングを利用したソリューションは顧客の安全・安心確立に寄与してきました。

【MOBOTIXとの連携を強化】

モニタリング・ビデオソリューションサービス市場は、単純なセキュリティカメラ領域から、AIを活用した検知、解析、予知予測およびそれらを活用したデータサービスの提供領域が成長の中心へ移り変わっています。コニカミノルタは、この成長市場の中でも、得意とするイメージング技術およびMOBOTIXの高耐久・高信頼性のエッジデバイス、サーマルソリューション、エッジAIの強みが活きる領域である、製造プロセス、プラント、物流、交通インフラ、重要セキュリティ管理施設などにおける安全・安心確立を注力領域として、グローバル販売会社およびMOBOTIXとの連携体制を強化し、事業の高収益化と成長に向けた取り組みを加速します。

1.各国の販社でビデオソリューションサービス体制を強化

コニカミノルタのグローバル販売会社では、顧客のワークフローDXの推進に向けてMOBOTIX製品・サービスを基盤としたビデオソリューションサービスの提供を進めており、2020年度のコロナ禍における「体表面温度計測ソリューション」の提供などを足掛かりに売り上げを拡大し、2022年度上期の販売会社による売上高は前年同期比50%の売上成長を実現しています。
今後はさらに、グローバル販売会社におけるビデオソリューションサービス体制を強化していきます。北米では、MOBOTIXとの商品流通一本化を昨年4月から開始しました。欧州では、昨年6月にプラハにショールームを開設するとともに「FORXAI Video Analytic Solution」「FORXAI Visual Quality Inspection」といった新サービスも開始し、10月からはビデオソリューションサービスビジネスユニット体制を構築しています。さらに、顧客へソリューション提案できる技術ナレッジを保有する営業人財の採用も強化していきます。

常務執行役 技術担当 兼 画像IoTソリューション事業担当の江口 俊哉は、次のようにコメントしています。
「私たちが目指す顧客の安全・安心確立のために、MOBOTIXの製品・サービスは大きな力になっています。今後も、コニカミノルタの画像IoT技術とグローバルに連携した販売網を活用し、MOBOTIXとともに社会課題の解決に寄与していきます。」

2.Vaxtor社による新たな領域拡大

2022年5月にMOBOTIXは、自動ナンバープレート認識(ALPR)や光学式文字認識(OCR)のソリューションを提供するVaxtor Ltd.(バクスター、本社:スペイン トレスカントス、以下 Vaxtor)を買収しました。VaxtorはALPR技術により交通インフラ領域で力を発揮しています。例えば、港で貨物自動車とコンテナを管理、監視、確認するため、VaxtorのALPRエンジンは、150を超える国のプレートを読み取り、ドライバーをサイト内で案内したり、アクセス制御権を確認したりします。
コニカミノルタは、MOBOTIXとともに、このナンバープレート読み取りAI技術をベースに、交通インフラ領域での顧客提供価値向上を加速し、新たな領域へビジネスを拡大できるものと考えています。

MOBOTIXのCEOであるThomas Lausten(トーマス・ラウステン)は、次のようにコメントしています。
「コニカミノルタとともにお客様方のご期待に沿えるよう、私たちの技術にもいっそう磨きをかけていきます。コニカミノルタのグローバルな直販網、サポートサービス体制をフルに活用して、私たちの製品やソリューションサービスがより多くの社会課題を解決できるものと確信しています。また、コニカミノルタとの共同開発により新たなビデオソリューションサービスが誕生することにも期待しています。」

【MOBOTIXとの連携によるAIソリューション】

コニカミノルタでは、画像の入出力や画像処理を中核とするイメージング技術に、MOBOTIXの分散処理型IPカメラやVMS(ビデオマネジメントシステム)を組み合わせて、モニタリングによる安全・安心確立のためのワークフローソリューションを開発してきました。例えば、炭化水素系ガスを可視化して発見困難なガス漏れ箇所の特定や煩雑なデータの記録管理を支援する「ガス監視ソリューション」、視覚では見えない異常熱をいち早く検知して通知する「火災予防ソリューション」、工場など現場作業員の行動を可視化し不安全行動の発生を定量的にアセスメントする「安全行動サポートシステム」などを提供しています。

今後も、MOBOTIXのユニークなエッジデバイス製品群にFORXAIを接続し、顧客課題の解決に向けて必要となるAIや他のセンサーデバイスを組み合わせたソリューションを迅速に開発し、グローバルに展開することで、本領域におけるさらなる事業成長と社会課題の解決につなげます。

■MOBOTIXについて

MOBOTIXは、ネットワーク監視カメラとビデオマネジメントソフトウェアのメーカーです。同社の監視用ビデオシステムは、カメラ本体で画像処理を行う分散処理型を採用することによりサーバー容量を低減でき、トータルでのコスト効率が高いことが特長です。また、カメラ本体の過酷な環境下でも高耐久かつ見逃しのない性能から、河川の水位監視といった屋外での利用にも強みを発揮しています。現在、ドイツを始めとした欧州の強い販売網を中心に、世界で販売展開されています。

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