「みえる化」技術をコアに、新たなプラットフォームビジネスを

当社は、長い歴史のなかで磨いてきた「画像技術」に、最新のIoTやAI技術を組み合わせることで、画像技術によるデータ活用に強みを持つサービスプロバイダーへの変革に挑戦しています。当社では、そのコアとなる技術を「画像IoT技術」と総称し、画像IoT技術を中心としたビジネスを行うための環境全体を「画像IoTプラットフォーム」と称しています。
画像IoTプラットフォームは、製造、医療、介護など、さまざまな現場の業務ワークフローに変革をもたらすサービスを提供する基盤となるもので、その起点となるのが“みえる化”です。当社の計測器やセンサーといった入力デバイスから画像データを取得し、そのデータをもとにして独自のプロセッシングと組み合わせることによって、今まで見えなかったものを“みえる化”する。例えば、人がどういう状態かを自動で検知する、見えないガスの漏洩を発見する、病理検査のための細胞の位置や数を自動で検出する、といったことによって顧客価値を生み出します。さらには、蓄積したデータを活用することで、より付加価値の高いサービスを構築していこうというのが、我々が考えている画像IoTによる高収益データサービスです。

コニカミノルタの画像IoTプラットフォームビジネス

コニカミノルタの画像IoTプラットフォームビジネス

画像IoT技術を進化させ、新たな事業を創出

近年、AI技術が急速に進化しており、ITジャイアントをはじめとした多くの企業が開発に力を入れています。当社では、どの会社にも負けない領域として「人行動」「先端医療」「製造物検査」の3領域を定め、それらに特化して「独自のAIアルゴリズムを開発する環境」を整備してきました。これに加え、画像ビジネスで培ってきた「画像入力デバイスの開発力」と、複合機開発で培ってきたAIアルゴリズムを高速処理する「組み込みAI実装技術」が、当社の画像IoT技術の強みとなっています。
これらの技術開発を強化してきたことで、人行動認識や物体検知をより精緻かつ高速で行う画像認識技術は世界でもトップレベルに到達し、今後、さまざまなパートナー企業との連携を進めていくうえでも、当社の価値を十分に認めていただける技術水準にあると認識しています。
前中期経営計画「SHINKA 2019」の期間では、これらの技術をもとに、デジタル印刷機の自動品質最適化ユニット「IQ-501」といった新機能や、介護施設向けサービスの「HitomeQ ケアサポート」、プラント向けサービスの「ガス監視ソリューション」などの新事業を創出してきました。また、パートナー企業とのエコシステムやサービスにおける課金の仕組みなど、画像IoTビジネスを本格的に展開していくうえでの基盤整備を完了することができました。

画像IoTビジネスの拡大に向け、パートナー企業との連携を加速

新中期経営戦略「DX2022」の3年間では、画像IoTビジネスのさらなる拡大がテーマとなります。例えば、プラットフォーム上でパートナー企業のアプリケーションをお客様に提供する、プラットフォームに蓄積したデータをパートナー企業と共有し新たな価値を生む、あるいはサービスパッケージにしてさまざまなお客様に提供する、といった新しいサービスモデルの検討を進めています。用意した技術とプラットフォーム環境をセットにして提供することでビジネスを拡大していく考えです。
こうした画像IoTビジネスの拡大には、さまざまな技術も組み合わせていく必要があるため、パートナー企業との連携もさらに進めていきます。2020年8月には大阪の高槻サイトに新開発棟を竣工したほか、北米でもカナダに研究開発拠点を設置し、大学とAI先端技術の共同研究を開始しました。これらの拠点に画像IoT開発機能・人財を集結し、パートナー企業とのオープンイノベーションを加速させます。
IoTビジネスは、一社だけで成功できるものではないため、世界を見渡しても成功例はまだ多くありません。そのなかで、画像IoTを強みとし、200万社の顧客基盤を持つ当社が、パートナー企業に使っていただけるオープンなプラットフォームをつくり、各企業が切磋琢磨しながら顧客ファーストで価値の高いサービスを提供していく――。そうした環境を世界に先駆けてつくっていきたいと考えています。

画像IoT/AI人財を1,000人規模に増強

当社では、将来的な業容転換を見据え、約10年前から画像IoTの技術開発・事業化を担う画像AIエンジニアやデータサイエンティスト、システムアーキテクトなどの育成に力を注いできました。そして、社内育成プログラムとして、「エントリー」「スタンダード」「エキスパート」というスキルレベルに応じた認定・登録制度を設けています。
現在、画像IoT/AI人財は、外部から採用した人財も含めて、約500人体制となっていますが、社内人財をさらに増強すれば、スピードの面からも開発到達レベルからも優位性があり、パートナー企業との連携においても有利に働きます。
そこで、「DX2022」の期間において、人財を倍増して1,000人規模にしていくことを計画しています。そのなかでも、今後の画像IoT関連の事業拡大を見据え、特にデータ分析によって課題を解決するデータエンジニアや、アプリケーションやサービスパッケージをつくるプロダクトエンジニアといった人財を増強していきたいと考えています。こうした人財がエキスパートとして各地域のセールススタッフと協働して商談をクロージングするケースも増えてきていますので、サービスをつくる、ビジネスを広げることができるエンジニアの育成に注力していく方針です。
そして今後は、欧州の画像IoT開発拠点、日本と北米に新設した開発拠点を人財強化の拠点としても活用し、日・米・欧の3極体制で画像IoTの人財育成・採用を加速していきます。

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イントロダクション (PDF:1.2MB)

  • コニカミノルタ フィロソフィー
  • はじめに
  • 目次

コミットメント (PDF:2.4MB)

  • CEOメッセージ
  • 取締役会議長メッセージ
  • 社外取締役対談

価値創造ストーリー (PDF:2.9MB)

  • 私たちのDNA
  • 私たちの目指す社会
  • 価値創造プロセス
  • 価値創造の源泉となる 無形資産
  • 価値を生み出す ビジネスモデル

価値創造戦略 (PDF:5.0MB)

  • 中期経営計画の振り返り
  • 新中期経営戦略 「DX2022」
  • 財務戦略
  • 顧客接点強化戦略
  • 技術戦略
  • 人財戦略
  • 環境戦略
  • 事業戦略
    • At a Glance
    • デジタルワークプレイス 事業
    • プロフェッショナル プリント事業
    • ヘルスケア事業
    • インダストリー事業
  • 財務・非財務ハイライト

価値創造を支える基盤 (PDF:1.7MB)

  • コーポレートガバナンス
  • 役員一覧
  • 外部評価

データセクション (PDF:1.3MB)

  • 10年間の主要財務データ
  • 財務分析
  • 連結財務諸表
  • 会社概要・株式情報
  • 用語集