Lino様

2022年3月特別養護老人ホーム85床のうち、10床にサブスクリプションプラン(月額制)にてご導入いただきました。
今回は、施設長の大門様と介護副主任の西様にHitomeQ ケアサポート導入のきっかけと運用の成功の秘訣を伺いました。

社会福祉法人史明会
特別養護老人ホーム Lino
施設長
大門 弘尚様(左)
介護副主任
西 辰徳様(右)
※2022年6月時点の情報です。

“エビデンスを取りたい”をもとに動き始めました

ICT・介護ロボットの導入を考えたきっかけはどのようなものでしたか

大門様

高齢者施設でよくある転倒の事故が当施設でも課題で、それを改善することが第一。転倒自体をすべて防ぐのは 難しいですが、エビデンスはどうしても取りたいと考えていました。居室内で起こる転倒は、ヒヤリハットにしろ報告にしろ想像の範疇を越えないですし、ご家族に説明する際も想像になってしまいます。ご家族は施設に入 所する前の利用者様の状態をイメージされますので、何かあった際にもお互いにとってエビデンスがあったほうが良いと考えていました。

“HitomeQ ケアサポート導入は映像が決め手

どのようにサービスを選ばれましたか

大門様

展示会などで多くのシステムをスタッフと検討し、1年ほど悩みました。その中でもHitomeQはお部屋のなかの利用者様の動きをとらえて、映像通知が来ます。この映像が、ほどよく利用者様が見える。結構しっかり人の画像が映るし、誰か認識できる。ここが重要でした。
シルエットも候補でしたが、誰かまではわからない。そうするとご家族への説明でやはり不透明な部分が出てきてしまう。見え過ぎるのも問題ですが、見えないのも問題。ほどよく見えることが決め手でしたね。

うちは特別養護老人ホーム以下特養 なので、介護度が高い方が多く、認知症の方も多いです。特養はナースコールの設置が義務付けられていますが、認知症の方に「ナースコールを押して」というのは難しいのが実情です。ナースコールを壊してしまったり、連打されてしまうケースも少なくありません。過去にはナースコールの紐を強く引っ張りすぎて壁が抜けてしまうということも実際にありました。
HitomeQは、利用者様の動きを中心に通知が来ますし、「大丈夫ですよ」「ちょっと待ってね」とスマホからお声がけが出来るので、 認知症の方へのケアに活かす ことが出来る点も後押しになりましたね。

負担を少なく、段階的に進めていきたい

もともと徐々に施設へ導入したいご意向があったと伺いました

大門様

はい、当初から施設全体へ一度に導入することは考えていませんでした。一度に導入するとなればそれだけ施設には費用面で、スタッフには運用面で大きな負担がかかりますので、10年という中長期の計画で段階的に施設全体へ導入したいと思っていました。今は半導体不足など様々な社会環境の変化があるので、自社生産していたり、企業の持久力という意味でもコニカさんは安心感がありました。
また今回はサブスクで初期費用が掛からず、まずは10床から導入できたのが良かったですね。来年はさらに20台ほど導入する予定で、今後も補助金や施設の状況に合わせて徐々に導入していきたいと思っています。 実際に導入する前にもトライアル的に施設での運用を試してから、導入できたのも良かったです。

導入のコツは、検討段階からスタッフと一緒に考える

導入検討の際に施設メンバーを巻き込むコツはありますか

大門様

うちの施設の場合は、主任、副主任、現場のスタッフ、そして施設の電気系を任せている業者のみんなを展示会に連れて行きました。スタッフもみんな忙しいですが、ちょっと楽しみに行くような雰囲気づくりをしながら行きましたね。やっぱり実際に使うのはスタッフなので、本当に施設で使うことを想定しながらうちの利用者様に適しているのはどれかと、たまにお茶の時間も挟みながら、みんなで話し合いながら検討しました。
業者の方にも一緒に来てもらうこと実際に施工が可能かどうか、実現性を確かめることが出来たので良かったです。

スタッフ全員が納得したうえで、楽しんで使っていく

導入前に現場ではどのような準備をされたのでしょうか

西様

検討の段階からリーダーも入り、様々なサービスを施設で試しましたので、スタッフには現場に新しいシステムが入るんだという認識はありました。説明する 中で特に心掛けたのは“エビデンスをしっかりとる”、そして“現場の負担を軽減す る”ために導入するという目的を共有することでした。
実際に導入するって決まってからは4カ月くらいかけて準備しました。各フロアの リーダーを集めて計画を伝え、スタッフにもなぜ導入するのか根本的なところから丁寧に説明しました。エビデンスの話も然りですが、これは社会的目線ではなくて、うちの施設の現場目線の話として、職員を救うために入れるんだということ。今の空訪室が多いことでみんなの負担が増えていること、負担が増えると ストレスによって虐待や離職に繋がってしまうことなど、根拠を一つずつ説明することが大切と思い、実践しました。

利用者様のことを思うからこそ、スタッフを大事に

西様

やっぱり現場にとって1番大きな課題は離職です。今はもう是正されていますが、ストレスによる離職が過去にありました。介護をするうえでもちろん 利用者様のことを第一に考えていますが、それを実現するにはやっぱりスタッフがいてくれることが大前提です。
つまり、“利用者様のケアを考えるとスタッフを大事にすることに繋がる”と いうのは私自身がここ数年で実感したことだったので、導入する目的の共有 と楽しむ雰囲気作りは常に心掛けました。

映像通知の安心感とエビデンス動画による負担削減

従来のケアと変わったところはありますか

大門様

今までは個室ということで利用者様のプライバシーは守られている一方で、転倒事故のリスクは非常に高かった ので、エビデンスが取れるようになったのは非常に安心感がありますね。
検討していたベッドやマットセンサーだとベッドの動きは分かりますが、そのあとの動きが全くわからない。実はベッドから起きた後のお部屋のトイレや洗面台に向かうまでが一番リスクが高いんです。その点HitomeQ ケアサポートは天井についていて死角なしでお部屋のなかの動きが分かるので適切な対応を取ることが出来ます。

あとは事故報告書を書くスタッフの負担が減ったと思います。今まではどうしても想像でしか書くことが出来ませんでしたが、映像を見ながら書けるようになりましたので、ストレスも残業時間も減りましたね。

1/5に減った空訪室

西様

圧倒的に空訪室が減りました。訪室は記録しているので最近減ったなと思い、特に訪室が多かった複数の部屋を中心に測ってみたら1/5になっていて驚きました。空訪室が減ったことで他の業務の時間に使える時間が増えました。
今って以前に比べて清掃業務が大変なんです。コロナ含め感染症予防対策として、今まで以上にこまめな清掃・除菌対応が増えましたので、そっちの時間を充てられるようになったのは非常に良かったですね。

エビデンス動画はスタッフの教育にも活用できる

エビデンス動画はどのようにご活用されていますか

西様

そうですね。実際の利用者様の転倒映像を見て、原因の特定再発防止策の検討に役立てています。またHitomeQ が導入されたことで、改めて日々のケアについて考えることになりましたね 。

お部屋に行動分析センサーが付いたことが今まで以上に丁寧なケアを心掛けることに繋がり、軽い出血内出血予想以上に減りました。どうしてもスタッフによって技術の違いがありますので、あとから実際のケアの映像を見て、「こういう風にやると安全かつ簡単にできるよ」とか、声をかけるともできますのでスタッフの教育にも活用することが出来ていますね 。

今後も利用者様がその人らしく過ごせる空間を提供していきたい

目指す施設像を教えてください

大門様

介護施設ではあるけれども、介護施設らしくないところでありたいなと思っています。がちがちな介護施設というよりも、ここに入居されている利用者様が本当に自分の家だと思っていただくには、私たちがゆったりおっとりしていないとそういう環境って提供しにくいですよね。ここは病院ではないので、今後も利用者さまがその人らしく過ごせる空間を提供していきたいですね。