もっと身近に!スポーツセーフティー

体調管理編 AED使えますか?

駅や学校などの公共施設はもちろんのことオフィスやマンションなどでも見られるようになったAED(自動体外式除細動器)ですが、止まりかけた心臓に電気ショックを与える医療機器だということは今や多くの方がご存知だと思います。しかしどれだけの方が使い方まで知っているでしょうか。スポーツ現場での死亡事故の半数近くが突然死で、その大半が心臓疾患が原因だと言われています。マラソン大会などでもAEDを使用したという事例を世界でも良く聞きます。もしあなたが走っている横で、一緒に走っていたランナーが突然倒れたとしたらどうしますか?
今回はそんな身近にありながら、意外と知らないAEDの使い方をご紹介します。

STEP1 意識の確認

STEP1 意識の確認

  • 大きな声で呼びかける
  • 肩を叩く(体は動かさない)

STEP2 救助の要請

STEP2 救助の要請

  • 意識が無い(異常がある)

⇒救急車とAED要請

STEP3 呼吸の確認

STEP3 呼吸の確認

  • 胸や腹の動きを見て10秒以内で素早く確認
  • 呼吸に異常がある

⇒胸骨圧迫(心臓マッサージ)&AED

STEP4 胸骨圧迫(心臓マッサージ)開始

STEP4 胸骨圧迫(心臓マッサージ)開始

  • 胸の真ん中に手の平の付け根を当てその上からもう一つの手を重ねる
  • 胸をしっかりと5cmほど押し込む
  • 100回/分のリズムで行う

STEP5 AED到着

STEP5 AED到着

  • 電源を入れる(音声ガイダンス開始)
  • パッドを貼る(右胸&左脇腹)

⇒心電図解析が始まる

  • 音声の指示に従い必要があれば点滅するボタンを押して電気ショック

STEP6 胸骨圧迫継続

STEP6 胸骨圧迫継続

  • 次の解析が始まるまで
  • 救急隊が到着するまで
  • AEDから心肺蘇生中止の指示が出るまで

AEDは止まりかけている心臓に電気ショックを与え再び正しいリズムに戻し、蘇生するための医療機器です。ただし電気ショックの前後に脳へ血液の供給を絶やさないために、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を続けることが大切です。胸骨圧迫により心臓に溜まった血液(酸素など)を脳に押し出してあげる必要があります。

心臓が本来のリズムを崩し痙攣している状態を心室細動と言いますが、この細動が1分続くごとに約7~10%助かる確率が減っていきます。救急車を要請しても119番をしてから現場に救急隊が到着するのに全国平均で8分と言われています。近くにいる人の1秒でも早い心肺蘇生(胸骨圧迫&AED)が救助には重要です。

現在AEDは一般市民の誰でも使うことが許されてます。ただしいざという時に使えるためにも是非一度消防署などが行う講習会を受けられることをお勧めします。