このページの本文へ移動します
STORIES - #03

プロジェクトを加速させる
デザインシステム「BLUE」

INTRODUCTION

グローバルでオフィス事業の
ユーザー体験を向上させる

私たちが取り組んでいるコニカミノルタのオフィス事業向けデザインシステム※1「BLUE」は “Brand Language & User Experience” の略称で、ブランドとユーザー体験(UX)の一貫性向上や、開発の効率化を目的としています。

コニカミノルタは欧州やアジア、米国を中心に、世界約150ヵ国で事業を展開するため、各地域でローカルに開発される製品やサービスが存在します。これらのプロジェクトすべてにデザイナーが参加できると良いのですが、実際にはリソースに限界があるため、デザインシステムを開発することで、現地の自立した開発体制を支援することを目指しています。

※1 デザインシステム:プロダクト開発を進める上でのルールや、利用できるツールをまとめた仕組みのこと。

デザインシステムが適用された複数の端末上の UI
デザインシステムに含まれる UI コンポーネント

ACTION - 01

BLUEが開発されるまで

私たちはデザイナーだけではなく、さまざまな関係者の課題解決を目的としてデザインシステムを導入したいと考えていました。そのため開発の初期段階ではプロダクトオーナーやエンジニア、デザイナーへのインタビュー調査を実施し、プロトタイプ開発やユーザーテストを繰り返しながら試行錯誤を重ね、BLUEを形作ってきました。

また、同時期に進行していた「デザイン思考のグローバルサイト構築」のプロジェクトとも連携し、コニカミノルタのデザインの独自性や強みについても意識を共有することで、それぞれのプロジェクトに落とし込んでいきました。

これらの活動の学びから、目的やターゲットだけではなく導入パートを重視し、コニカミノルタのデザインフィロソフィーやブランドストーリーをしっかりと伝えることで、このデザインシステムの意義を理解してもらえるようにしています。

ACTION - 02

意識や文化の違いが
お互いを高める

BLUEはグローバルでの運用を目指しており、日本と欧州のデザインチームが協力してプロジェクトを進めています。欧州デザインチームは、欧州グループ会社に所属しながらもデザインセンターの一員として契約し、グローバル業務を共に支える重要なパートナーです。

このような国際的な協力体制により、多様な視点や専門知識を生かし、より優れたデザインを生み出すことが可能になります。例えば入力コンポーネントの文字サイズで議論になったことがあります。英語圏では、入力フィールドに注目させるために項目ラベルの文字を小さくしたいという意見がありましたが、私たち日本チームは、文字サイズが十分でないとユーザビリティが低下すると考え、入力フィールドと同じサイズを標準として提案しました。

互いの地域の当たり前を共有し理解を深めた結果、最終的には作業効率と柔軟性を考慮して、文字サイズのバリエーションとして登録しました。こうした細部までのこだわりの積み重ねがお互いの刺激にもなり、コニカミノルタとしての最適解につながっています。

欧州のデザインチームとのオンライン会議の様子

また、 UI(ユーザーインターフェイス)ライブラリやWebサイトの開発も、海外の利用促進を意識して欧州の現地パートナーと連携して進めています。海外の開発パートナーとの協業では検討から実装までのスピードが速く、さまざまなフィードバックを受けつつ、アジャイル開発※2 で柔軟に更新することができます。このようなグローバルな体制の開発プロジェクトでは言語や時間、距離、文化などの壁がありますが、メンバーは最新トレンドや効率的な業務プロセスに対する意識が高く、その時々に適した方法を実験的に取り入れながら進めています。

※2 アジャイル開発:システム開発において、小さな単位で設計・実装・テストを繰り返し、顧客のフィードバックを反映しながら、柔軟に改善を重ねる手法

ACTION - 03

BLUE開発を通じた
トレンド とノウハウの蓄積

BLUEではデザインデータと共にUIライブラリを提供しています。そこで私たちは、フロントエンド(ユーザーが直接見る部分)開発における最新のトレンドを意識して、新しいツールや技術の活用にも積極的に取り組んできました。

現在は、FigmaやStorybookなどの開発環境への移行や、デザイントークン※3 の開発、AI活用などを進めており、BLUEを導入するプロジェクトの利便性を高めながら、新しいノウハウを蓄積し共有できるように努めています。

BLUEの開発は、国内の大規模なプロジェクトでは取り組む余裕がない新たな試みを、先行的にトライアルできる場にもなっています。

※3 デザイントークン:使用するカラーパレットや、書体の属性(大きさ、行の高さ、文字間隔など)に代表される、デザインパーツの変数に対する決まりのこと。

開発したデザイントークン、カラーパレットのイメージ

OUR DESIGN

プロジェクトで一体となって
価値創出に挑戦

現代のデジタルプロダクト開発において、デザインシステムの導入は多くの企業が注目する取り組みでしょう。プロジェクトでの開発は「ゼロから作る」のではなく、再利用可能なコンポーネントを活用することで開発時間を短縮し、より本質的な価値の追求に集中することができます。

また、BLUEは「共通言語」としての役割も果たしています。デザイナーやエンジニアをはじめとする関係者間のコミュニケーションをスムーズにし、認識のズレを減らすことで、チーム全体の生産性向上に貢献します。

BLUE が関係者間の共通言語となることを表した図
開発メンバーが BLUE の更新について議論する様子

実際にBLUEを導入した開発チームからは、「チーム立ち上げ時の意識合わせに有用」「チームの視点が揃うので会話がスムーズ」「価値検証の段階から完成度の高いプロトタイプを提供できるので、顧客からより具体的なフィードバックが受けられる」など、好意的な声が寄せられています。スピードが速い開発現場で、より実用性の高いツールとなるように進化を続けたいと考えています。

私たちのゴールはプロジェクトへのBLUEの導入だけではなく、その成功を共に目指すことです。グローバル開発をさらに加速させることを目指して、今後も各チームと連携し試行錯誤を重ねながら、その真価を引き出せるように挑戦を続けます。

OUR ACTIVITIES

デザインシステム BLUE の開発メンバー

グローバル各地域の事業へ貢献するために、デザインセンターの窓口として海外チームと連携しプロジェクトを支援しています。また、開発の効率化をはかるため、オフィス事業向けのデザインシステム「BLUE」の開発と運用にも取り組んでいます。

STORIES

デザインセンターの活動紹介