デザイナーズインタビュー

プラネタリウムを通じて新しい価値を表現

大江原 容子

プラネタリウムのUX、空間、グラフィックなどを担当

入社のきっかけは楽しく働く自分をイメージできたから​

もともとフリーランスのデザイナーとして活動していたころ、知り合いの紹介でコニカミノルタのプロジェクトに関わったことがあったんです。​
外部パートナーだった私をチームの一員として受け入れてくれて、和気あいあいとした雰囲気の中で気持ちよく仕事をさせてもらったことは、今でも印象深く覚えています。それから程なくして、「うちに入らないか?」と誘われて。ここで楽しく働いている自分の姿がはっきりとイメージできたので、すぐに入社を決めました。

写真:大江原容子

プラネタリウムをトータルデザインするプロとして

私が注力している仕事は、プラネタリウムのトータルデザインです。これまでに池袋サンシャインシティにある“満天”や東京スカイツリーにある“天空”のリニューアルを手がけてきました。現在は有楽町マリオンに新しくオープンする“プラネタリアTOKYO”を担当しています。
業務の幅は広く、空間のコンセプト設定、施設内の椅子のデザイン、上映前に見せるマナー映像や小物の制作などです。ハードからソフトまで、プラネタリウムを構成するあらゆる要素のデザインにタッチします。

写真:有楽町のプラネタリアTOKYOの椅子のデザインスケッチ確認をする様子

“ストーリーの美しさ”が重要なコンセプトに

プラネタリウムのデザインにあたって、とりわけ重要になるのが、全体の世界観を決めるコンセプトメイキングです。私はその中で「お客さまの体験として語れる​ストーリーの美しさ」を大事にしています。会議を重ねて出てきた面白いアイデアを、ひとつの物語になるように組み立てていくんです。そこは、チームのみんなで脚本をつくっていくようなイメージですね。

たとえば、“満天”​のコンセプトは“感覚の解放”でした。そこから紡ぎ出したのは、「都会の喧騒で麻痺している感覚をリセットする」というストーリーです。このストーリーから、プラネタリウムを寝そべって鑑賞できるプレミアムシートの構想が生まれました。このシートは私が初めて挑戦するプロダクトデザインでしたが、家具の経験があるデザイナーにもサポートをもらって、お客さま​に今までにない体験と感動を与えられるものをつくることができたと思っています。

誰も気づいていない“新しい価値”を表現する

一般的に、デザイン思考というものは「問題解決が得意」だと言われています。ただ、私はそこに「今までなかった、もしくは気づかなかった価値を表現すること」を加えたものを、自分のデザインの最終目標としています。個人的に、新しい物事を見出して人を喜ばせるのが好きなんです。
最近はプラネタリウムの仕事に携わっている関係者と雑談する時間を意識的に取っていますね。日々現場で働いている人たちは、我々メーカー以上に​いつもプラネタリウムのことを考えているし、お客さまの様子を間近で見ています。彼らの視点や価値観に寄り添っていくと、いいアイデアが浮かんでくることが多いです。

写真:“満天” のドーム

体験にこだわったプラネタリウムづくりを!

コニカミノルタの​「デザインセンター」は2016年に​「ヒューマンエクスペリエンスデザインセンター」と名称を変更しました。“エクスペリエンスデザイン”と掲げているからこそ、私はこれからも「体験づくり」にこだわってプラネタリウムをデザインしていきたいです。
ゆくゆくは、海外のプラネタリウムも手がけてみたいなと考えています。現状、コニカミノルタはBtoBが多いですが、将来的にはこのプラネタリウム事業が、当社のBtoC事業全体を牽引するくらいの存在になってくれたらうれしいですね。こんなに素敵で、夢のある仕事は他にないですから。

写真:インタビュー中の大江原

OFF TIME本物の星空を眺めながらリフレッシュ​

写真:本物の星空のしたでキャンプをしている様子

プロジェクトによって働き方はさまざまですが、デザインセンターはオンとオフの調整はしやすい環境だと感じています。私は今の仕事が楽しいあまり、ついオフの時間もどこかでプラネタリムのことを考えてしまいますが(笑)。​
まとめて休みをとった時には、息抜きでキャンプに行きます。街明かりが届かない場所で本物の星空を見ると、キレイで癒やされます。​

Designer's Profile

写真:大江原のプロフィール写真

Yoko Oehara

多摩美術大学造形表現学部プロダクトデザイン学科卒業
2008年にキャリア採用で入社

入社後、複合機のアプリや新規事業のデザインに携わり、現在はプラネタリウム全体のデザインを担当。2012年スマホアプリケーション「Page Scope Mobile」、2017年プラネタリウム“満天”体験のリニューアルプロジェクトがグッドデザイン賞を受賞。