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Works & People

センシング技術にAIを融合し、
人の感覚に頼らない画期的な
評価手法・ソリューションを開発する。

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市場のニーズを強く意識しながら、新規事業の種を模索する技術開発本部。新しい技術はどのようにして生まれ、実用化に向けてどんなハードルがあるのか? 「Kunkun X」「FLAIRS」の担当者2名が詳しく語ります。

※1 「Kunkun X」に関する詳細はこちら
※2 「FLAIRS」に関する詳細はこちら

Suguru Enomoto

技術開発本部 研究戦略センター

前職では生物系の研究開発に従事し、2021年キャリア入社。現在に至るまで一貫して、ニオイ嗅ぎ分け技術の開発を担当している。

Haruki Minami

技術開発本部 デバイス技術開発センター

大学院では光や色に関する技術を専攻し、2021年新卒入社。現在は次世代AIセンサーの技術開発を担当している。

※掲載情報は取材当時2024年10月時点のものです。

新規事業の「種」をつくる技術開発本部

技術開発本部は、新規事業の種へとつながる技術開発を行う全社共通部門です。化学やデータサイエンス、システムなどの開発機能をもっています。ただいずれにおいても、技術偏重にならないよう、市場ニーズを強く意識しながらイノベーション創出に取り組んでいます。

榎本その中で、私は研究戦略センターに所属していますが、ニーズ起点でビジネスを創出することが多いと思います。一般的に技術開発系の部門は、市場ニーズとのマッチングが苦手。そうならないよう我々のセンターでは、ニーズ起点で事業の種をつくってきた自部門のノウハウを、他のセンターに共有することを意識しています。シーズ起点であれニーズ起点であれ、重要なのは事業化まで持っていくことです。

私の所属するデバイス技術開発センターは対照的に、技術色が濃いかもしれません。もともと、ニーズにつながらないと技術は発展しないという課題感があったので、榎本さんの組織とも連携しながら、ヒアリング活動を通してニーズが本当にあるのかを仮説検証しています。榎本さんも私も、今いないお客様を相手にしている点が共通していますね。

榎本将来的には、ビジネス化できそうな手応えを得たら、事業部と連携しながら製品化、収益化を目指します。

人の感覚頼みだった評価から、
AIによる評価へ

私が担当しているテーマは、「FLAIRS(フレアーズ)」というソリューション。一言でいうなら、官能評価や勘をデータでとらえるセンサーです。甘み、酸味、苦みなどさまざまな要素を包括的に捉え、評価することができます。例えば、「このワインとこのワインは似ている」「この薬とこの薬は同じ」といった判別ができる技術です。

榎本私はニオイ嗅ぎ分け技術を活用した「Kunkun X」というソリューションを担当しています。ニオイの種類と強さを判別することが可能で、仕組みとしては人間の「鼻」と一緒です。当初は主に、体臭を検知するソリューションを想定していましたが、現在は対象とするニオイの種類やソリューションの目的をもっと広げています。市場調査を進める中で、排気ガスや食品、消臭素材の評価にも応用してほしいなど、多種多様なご要望を頂いているからです。

世の中に出回っているセンサーには大きな課題がありました。例えば水やお茶の品質を知りたいとき、PHや酸素濃度など特定の影響因子を数値で捉える手法を取ります。ただ、天然素材や生物由来の原料の場合、特定の影響因子だけ測っても実態がつかめないケースが多かったんです。また、最終的に人間が官能評価する場合も、職人の経験や勘で判断していました。当然、見逃しや基準のバラツキが生じるという課題があったわけです。そこで「FLAIRS」の出番となります。解決方法としてまず、特性に応じて色が変わるセンサーをたくさん用意。すると対象物によって複雑な発光パターンが見られます。そのパターンをAIに学習させて、対象物の種類や状態を割り出すという技術です。

榎本ニオイの課題は世の中にたくさんあります。例えば食品メーカーの現場では、人がニオイを嗅いで検査していますが、人の鼻には個人差がありますし、ニオイに慣れてしまうと嗅覚は鈍くなってしまいます。その点、「Kunkun X」なら客観的な判定が可能です。また、中古車販売における車内のニオイや、ホテル経営における客室のニオイなどは、顧客満足度を著しく低下させるリスクがあります。無臭であることが強く求められるモノ・場所をめぐっては特に、ニオイの可視化が重宝されるはずです。さまざまなシーンを想定しながら、現在はパートナー探しや、さらなる技術開発に取り組んでいます。

シーズ起点とニーズ起点、
それぞれに難しさがある

榎本「Kunkun X」は世の中に前例のない技術なので、実験や分析を通して手探りで解決策を考えなければならないことに苦労しています。そんなとき、コニカミノルタで培われてきたAIやセンシング、化学の技術情報が役に立っています。社内には各分野のプロフェッショナルが集まっているので、とても心強いです。

私は、お客様にどうやって「FLAIRS」の価値を伝えるかで苦労してきました。資料やプロトタイプはありますが、実際にリリースされた製品はない。私は技術の人間なので、最初は技術の話ばかりしていました。でもお客様からすると、技術よりも困り事を解決してくれるかどうかの方が重要。そこで、どんなメリットがあるかを伝えることを意識しました。例えば、「カン・コツからの置き換えができますよ」と。すると今度は、「今は職人がいるから間に合っている」と言われてしまう。そもそも課題意識がなければ、のれんに腕押し。そこのマインドから変えていくのは大変です。

榎本「Kunkun X」の場合は、南さんの話の逆かもしれません。お客様からはむしろ、「こんな困り事があります」と相談されることが多い。「鼻の代わりになります」と伝えると、なんでも嗅ぎ分けられると受け取られてしまう。でも実際は、あくまでセンサーの集合体だから、決まった範囲でしか感知できません。お客様はセンサーの細かいことは分からず、「結局何ができるの?」と腹落ちまで至らない。そこを噛み砕いて説明するのが難しいですね。南さんの「FLAIRS」は技術起点だから、ニーズの掘り起こしや価値の訴求で苦労する。一方、私の「Kunkun X」はニーズ起点だから、技術を理解してもらうことに苦労する。

確かにその通りですね。もちろん「FLAIRS」に関しても、「先進的ですね」「工場のワークフローが変わりますね」と好意的な反応が返ってくることは多い。でもお金を払ってでも導入したいかというと、そうではない。この隠された本音にこそ、越えなければならない大きな壁があると感じています。本音はなかなか見えてきません。そこを会話から探っていくことが難しい。技術じゃない部分での悩みです。

アイデア創出を
後押しするカルチャー

榎本誰もやっていないことに挑戦して価値をつくり、ビジネスとして成立させる。それがやりがいです。もちろん悪戦苦闘していますが、そこも含めて充実感を覚えます。お客様からの反応がダイレクトに返ってくる点も、この仕事の楽しいところです。

やりがいはすごくありますね。博士後期課程を取ったにもかかわらずアカデミアの世界に進まなかったのは、生み出した技術を世に届け、誰かに喜んでもらいたかったから。まだ実用化まで至っていませんが、アイデアを見せるだけでも、お客様は興味を寄せてくれたり、もっとこうしたらいいんじゃないかとアドバイスをくれたりします。それを受けて改善していくのが、とても面白いです。人に届けるって素敵なこと。だから、専門外のマーケティングについて学んでいるだけでも楽しい。

榎本楽しく働けているのは、コニカミノルタのカルチャーも大きいと思います。入社するまでは、歴史が長くてお堅い会社というイメージがありました。でも実際はそうじゃなく、時代の先を行くような自由な働き方ができて、コミュニケーションも取りやすい。チャレンジ精神を持った人も多くて、そのために必要な基礎技術も、社員同士のネットワークもたくさんある。先端技術を開発したい方、イノベーション創出に挑戦したい方には本当にいい環境です。

アイデアや悩みをぽろっと口にすると、「じゃあ今度それやりましょうよ」とサポートしてくれる方が多いですよね。お堅い会社だと上司の許可が必要になりそうな場面で、コニカミノルタはとても柔軟性があります。組織をまたいで協力し合うことも少なくありません。もちろん、量産化のフェーズでは品質に厳格ですが、初期のアイデア段階では伸び伸び動ける。この振り幅の大きさがコニカミノルタの特徴だと思います。各分野のスペシャリストと力を合わせ、新しい技術やビジネスを切り開いていきたいという方にご応募いただけたらうれしいです。

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