知的財産活動の概略

(1)特許出願・権利化および特許保有件数の状況

2013年度の日本特許出願公開件数は2,924件となりました。分野別に見ると、主力事業である情報機器事業がほぼ半分を占めています。また、産業用材料・機器事業においては、主に有機EL照明を中心に堅調な出願活動を行っており、全体に占める割合は27%となりました。

当社の海外売上高比率は70%を超えており、また、海外に多数の営業拠点や生産拠点を有しています。こうした事業活動を知的財産面から支えるべく、重要な市場や生産国をカバーするワールドワイドな出願および権利化を実行しています。具体的には、重要な市場である米国での積極的な出願・権利化活動は継続しつつ、市場および生産国として重要な中国での出願・権利化活動を強化しています。
その結果、各国における特許登録件数および保有件数は順調に増加しています。

グラフ:日本特許公開件数の割合

日本では、2013年度に、2,108件の特許が登録されました。この件数は当社の2009年度の登録件数の約1.5倍となります。また、特許庁発行の「特許庁行政年次報告書2013年版」の情報に基づく2013年度の順位では、2012年度と同じく第16位となりました。特許保有件数については、2013年度末で11,831件となり、2009年度に対して、1.7倍の増加に至っています

日米中特許保有件数の推移

米国における2013年度の特許登録件数は、2009年度比約1.5倍の680件であり、日本企業の中では第19位*3となっています。特許保有件数については、2013年度末において、2009年度より1.2倍増加しています。さらに、中国における2013年度の特許登録件数は、2009年度比で約1.2倍の145件となりました。中国での2013年度末の特許保有件数は、2009年度に対して約2.5倍の687件と、大幅に積み上げており、権利化への注力の成果が結実してきています。

また、環境の変化が激しい事業分野においては、適切な出願国の選定を行うために、各国出願へ移行するまでの期間に技術動向および特許性の見極めを行うのに有利なPCT出願を活用しています。グラフに示すように、当社の日本特許出願公開件数に占めるPCT出願の国際公開件数の比率は、2009年度においては15%でしたが、2013年においては約17%にまで増加しています。

PCT出願国際公開件数の比率

(2)工業所有権に対する補償・褒賞制度

当社では、従業員の創意を引き出し、活発な出願に結び付けるべく、工業所有権に対する補償金・褒賞金に関する社内規程を整備し運用しています。発明や意匠の創作を行った従業員に対して、出願時および登録時に出願対価、登録対価が支払われる他、自社製品への貢献に対する実績対価、他社への譲渡や他社からのライセンス収入に応じた譲渡・許諾対価などが支払われます。これらの対価の額については、従業員に対してインセンティブとなり得るものであることに常に留意しています。その一例として、ライセンス収入に応じて支払われる対価につきましては、従来あった上限額を撤廃し、ライセンス収入に応じて支払う制度となっています。
また、対価の支払い方法についても、従業員の選択肢を増やした制度となっています。すなわち、従来より多くの企業に採用されている出願時、登録時、自社製品への貢献時に、その都度支払いを受ける方法に加えて、出願時にまとめて定額の支払いを受ける方法も用意しています。従業員は、自らの意思によって、いずれの支払い方法で対価を受け取るかを選択することができます。
なお、当社では、米国や中国に開発拠点を持っていますが、これらの拠点で働く従業員のために、それぞれの国に適した補償制度も整備し、運用しています。
前述した対価以外にも、知的財産活動に対する貢献度に応じて褒賞金が支払われる制度が用意されており、従業員のインセンティブになっています。

図:補償制度の概略

※3Intellectual Property Owners Association (Top 300 Patent Owners)のデータから順位を推定しています。