リスク情報

当社グループの財政状態、経営成績績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、以下で記載しておりますが、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。
また、当社は、リスクを「組織の収益や損失に影響を与える不確実性」と捉えております。リスクを単にマイナスの側面からだけではなく、「機会」としてのプラスの側面からも捉えたうえで、リスクマネジメントを「リスクのマイナス影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動」と位置づけております。
記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報等に基づいて、当社グループが判断したものであります。また「新型コロナウイルス感染症の影響」に関する事項については、本記載項目の最後にセグメントごとにまとめて記載をしております。なお、当該事項のうち将来に関する記載事項は2022年3月末現在において当社グループが判断したものであります。

①経済環境に関するリスク

1)経済動向・市場環境

当社グループは、複合機やデジタル印刷システム、ヘルスケア用機器製品や遺伝子診断・創薬支援等や計測機器や光学部材、ディスプレイ材料及び関連サービス等を世界中のお客様に向けて提供しております。これらの事業の売上及び損益は各国の景気動向や事業環境に大きく影響を受けます。
当連結会計年度は、各国の経済政策やワクチン接種者の増加により、世界経済は回復基調を維持しているものの、世界的な経済活動の本格的な再開に伴い、半導体を中心に電子部品が不足するなど、グローバルサプライチェーン上の問題が発生し、また、2021年末にかけて物価上昇圧力が一段と強まりました。
米国経済は、雇用・所得環境の改善により総じて回復基調を維持しましたが、経済活動回復に伴う需要増加による資源価格の高騰、供給網の混乱による需給の不均衡や労働市場の人手不足などの影響によりインフレ率の上昇が続き、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制に向けて金融緩和の縮小ペースを加速させています。
また、欧州連合(EU)では、感染対策と経済活動を両立する動きが続けられ、変動を繰り返しながらも景気回復基調は維持されましたが、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、ロシアからの天然ガス供給は不安定な状況が続きました。
中国は、不動産市場の冷え込み、ゼロコロナ政策下の経済活動抑制から成長減速が継続しています。特に、2022年3月より中国の主要都市で実施されたロックダウンは、供給面での制約となり、中国内外の物流にも悪影響を与えています。
昨今のウクライナ情勢が、世界各国の安全保障並びに経済活動に大きく影響し、ロシアが主な輸出国である天然ガスなどの資源エネルギー、ウクライナが主な輸出国である半導体製造用ネオンガスなどの物資の供給が滞ることにより、今後、エネルギー価格の高騰、更なる半導体不足が加速するリスクがあります。また、ウクライナ情勢による欧州を中心とした物流ルートの変更及びロシア産原油の禁輸措置による原油の高騰は、物流コストの高騰につながります。このような地政学的リスクが継続した場合、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。
今後の世界経済は、防疫と経済活動の両立が進む中で景気回復を持続するとみられますが、世界経済の回復ペースは、ウクライナ情勢前と比べて大幅に鈍化し、同情勢のもたらす経済損失は、2022年に世界の経済成長が減速する要因となるほか、欧米での高い物価上昇圧力や米国金融政策、中国のゼロコロナ対策などが引き続きリスク要因として懸念されます。
また、新型コロナウイルス感染症は、国・地域によって差はあるものの、変異株が出現するなど依然として感染拡大の懸念を残しており、米中の覇権争いに起因するハイテク冷戦の影響なども引き続き懸念されます。
各国の経済活動が停滞した場合、顧客の投資抑制や経費削減、消費低迷を引き起こし、結果として当社の予想を超えた在庫増加や競争激化に伴う販売価格の下落、新たな機器設置数の減少等、将来にわたり当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、④「新型コロナウイルス感染症に関するリスク」に詳細を記載しております。

2)為替レートの変動

当社グループは、高い海外売上高比率が示すようにグローバルに事業活動を展開しており、為替レート変動の影響を大きく受ける状況にあります。また、外貨建ての取引から生じる当社の資産及び負債の円貨額や海外子会社の外貨建財務諸表から発生する在外営業活動体の換算差額も変動するおそれがあります。ユーロにつきましては、為替レートが1円円安に変動した場合、欧州での利益増により、営業利益に約4億円のプラスの影響を与えます。人民元も同様に、1円円安に変動した場合、中国での利益増により、営業利益に約13億円のプラスの影響を与えます。一方、米ドルについては、1円円安に変動した場合、調達・製造コスト増等により、営業利益に約3億円のマイナスの影響を与えます。

②事業活動に関するリスク

1)デジタルワークプレイス事業 プリント環境の変化に関連するリスク

先進国を中心としたオフィスにおいては、紙に代わる情報共有の手段としてタブレット端末やスマートフォン等のデジタル機器の普及加速に加えて、ワークスタイルの変化により、オフィスにおける紙への出力機会が徐々に減少するリスクがあります。それに加えて、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの普及が、このリスクの顕在化を加速させることも懸念されます。こうしたお客様の変化に対応ができない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

2)各国・各地域の規制

当社グループの事業活動の多くの部分は、北米、欧州及びアジア諸国といった日本国外で行われており、その国や地域固有の法制、規制や承認手続きの影響を受けております。米国と中国の貿易摩擦に端を発する相互関税の引き上げ、技術輸出規制などの経済措置の動向には常に十分な注意を払っておりますが、将来、各国の政府や国際的枠組による規制、例えば税制、輸出入規制、通貨規制、個人情報保護規制、デジタル関税、その他各種規則等が新規に導入される、又は変更された場合には、これらに対応するための費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。特に、個人情報保護規制については、巨大IT企業でのターゲティング広告への規制法案や欧州GDPRなど、各国で法制化、罰則が強化され、当社で推進しているDX関連事業への影響が高くなります。 さらに、主要国における予期せぬ戦争状態等の発生により、それに対する各国の制裁措置が発動された場合、当社グループが予期しない法制、規制や承認手続きなどの変更に直面するリスクがあります。
また、当社グループのヘルスケア事業、バイオヘルスケア分野では、事業活動を行っている各国の様々な医療制度や許認可の手続きの影響を受けております。医療制度改革等によって、予測できない大規模な医療行政の方針変更が行われ、その環境変化に速やかに対応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

3)次世代技術変化

温暖化による気候変動・長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大・デジタル革命といったグローバル規模での中長期トレンドの進行に伴い事業環境が大きく変貌する中で、革新的な技術は企業間の競争優位性に大きな影響を持つことが予想されます。当社グループにとって他社に先んじた技術革新は重要な競争優位の源泉ですが、競合他社が先行して類似技術や代替技術を開発し事業活用する可能性があります。グローバルかつ広範な視点で競争優位になり得る革新的技術を開発対象として見定め、迅速・柔軟に市場に提供できなければ、長期にわたり市場でのポジションを喪失する等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

4)新製品への移行

当社グループが事業展開する分野は、ハードウエア・ソフトウエアの急速な技術的進歩による製品・サービスに求められる機能の汎用化が早く、製品ライフサイクル期間内であっても性能・サービスの内容・機能の改善が求められる事業分野です。このため、顧客・市場ニーズに対応するため常に革新的な技術開発に挑戦し、多くのリソースを投入し研究開発を行っておりますが、新製品・新サービスへの移行は多くのリスクが内在しております。開発または生産の遅延、量産初期段階での品質問題、製造原価の変動、新製品導入に伴う現行製品への販売影響、半導体・部品・材料の調達影響など当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、競合他社から当社新製品・新サービスと類似製品・サービスが先行投入されるなど競合他社の新製品・新サービス市場導入時期により当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

5)他社との協業、企業買収等について

当社グループは、事業競争力の強化あるいは効率化の観点から、資本提携・企業買収等、他社との協業を進めております。 企業買収等に伴い、のれん及び無形資産を計上しており、定期的に減損テストを実施しております。事業環境の変化に伴い、買収対象会社に係る将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合等には、減損損失を認識する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

6)調達・生産等 

当社グループの主力事業であるデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及びインダストリー事業では、コスト競争力強化と市場への迅速な製品供給のために海外での生産活動を継続しており、重要な活動拠点のひとつに中国があります。中国におきましては経済発展とともに法制面改革やインフラ整備等も進んでおりますが、法的な変化、労務政策の難しさ、人件費の上昇、人民元の切上げ、輸出入規制や税制、環境規制の変更等予測困難な事態が発生する可能性があります。主力事業の生産活動の一部を中国で行っている当社グループにとって、これらのリスクに対処できない場合は、当社グループの業績及び成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、特定の製品、部品や材料、及びエネルギーを世界中の複数のサプライヤーから調達する方針を取っております。それらのサプライヤーに不測の事態が発生した場合、当社グループの生産及び供給能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産活動において使用する鉄やアルミニウム等の金属製品、原油を原料とする石油化学製品、レアアース等の希少天然資源等の原材料価格、及びエネルギー価格の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。特にウクライナ情勢によって、原材料価格・エネルギー価格に加え物流費の高騰が顕在化しており、その長期化によって影響がさらに大きくなる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の局所的又は全世界的な感染拡大は、当社グループ内の生産、サプライヤー生産、物流網に至るサプライチェーン全体に影響を与えたことから、今後も新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
さらに世界的なインフレによる生活費上昇等の影響により、各国の最低賃金切り上げによる労働者の賃金上昇リスクが高まっており、生産コストの上昇につながる可能性があります。

(株式会社コニカミノルタサプライズ辰野工場における爆発事故について)
トナーを生産しているグループ会社の株式会社コニカミノルタサプライズ辰野工場で発生した爆発事故によりトナー供給リスクが顕在化しました。その後、事故原因の究明・再発防止策を実施し、確実に安全な生産体制を実現した上で生産と供給を再開し、現在、事故前の水準までトナー生産能力は順調に回復しております。今後、事故によって減少したトナー在庫を安全水準まで回復させるべく、生産効率の向上など、更なる能力増強策を進めてまいります。

7)グローバルサプライチェーン

当社グループの生産、販売活動の多くの部分は日本国外で行われており、サプライチェーンもグローバルに展開しております。各国・各地域の物流上の問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、供給遅延により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは中国・ASEANでの生産が多く、その拠点からグローバルに供給を行っております。欧米を中心とした新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における経済活動優先策により輸出物量は増加しており、各国・各港でコンテナ船のスペース不足、輸送コンテナ不足が発生、長期化しています。さらに各国港湾における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により不定期に荷役作業が停滞し、輸送遅延が発生、継続しており、影響の拡大リスクがあります。
製品の到着地である欧米各港では、輸入物流増加により港湾の作業が追い付かず、コンテナ船の到着遅延が慢性化しております。また、各港でコンテナヤードの混雑が発生しており、当社グループ販売拠点の倉庫への入荷も遅延が発生しております。今後、更なる輸出入物量の増加、並びに、米国西海岸労使交渉決裂によるストライキが発生すると、これまで以上に国際輸送リードタイムが長期化する可能性があります。結果、販社拠点での在庫不足が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ウクライナ情勢により、欧州向け航空輸送サービス減少の懸念があり、長期化した場合、航空便を利用した緊急出荷に影響するリスクがあります。さらに中国のゼロコロナ政策による活動制限、特に上海市での影響から、港湾、空港での混雑により輸出物流が滞り、販売拠点への供給に大きなリスクがあります。

8)製造物・品質責任

当社グループは、国内外のグループ会社や生産委託先にて厳格な品質保証体制を構築し、お客様に対して高い性能と信頼性を備えた製品及びサービスを提供しております。万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生した場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループは賠償責任を負う可能性があり、またその欠陥に対して多大な対策費用が発生する可能性があります。さらに当該問題により、企業ブランドや製品ブランドが毀損され経営成績に悪影響が及ぼす可能性があります。

③その他のリスク

1)大地震・自然災害・感染症等

当社グループは、研究開発・調達・生産・販売等の拠点を世界各国に置き、グローバルに事業活動を展開しております。地震、火災、気候変動に伴う大規模な台風、洪水、森林火災等の災害、新型コロナウイルスや新型インフルエンザのような大規模な感染症の発生、また戦争、テロ行為、サイバー攻撃等が起こった場合、当社グループの設備等が被害を受け、一時的に操業が停止し生産及び出荷の遅れにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、首都直下、南海トラフ等における巨大地震の発生においては、その影響度を検討して策定した「コンティンジェンシープラン」においても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策や事業継続マネジメントを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービスの提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。

2)気候変動・環境規制

世界全体が低炭素社会へ移行した場合、当社グループは、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミー(循環型経済)に関する規制、炭素税等新規・追加の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合には、遵法のための追加的義務及び費用が発生する恐れがあり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ステークホルダーからの再生可能エネルギー調達の要求が高まることにより、適時及び適切に対応できなければ、投融資及び販売機会の逸失、企業ブランドの低下につながる可能性があります。
また、気候変動の影響を抑えようと社会・顧客の志向が変化すると、オフィスにおける紙への出力機会の減少、化石燃料や化石資源の代替化による製造・調達コストの増加など当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、世界各地で気候変動による物理的影響が顕在化した場合、当社グループは、極端な異常気象や大規模な森林火災等の発生により森林資源の保護に関する規制や社会要求が強まることで、紙原材料の調達が不安定になり事業機会の損失につながる可能性があります。また、気候パターンの変化など気候変動の慢性的な影響が発現すると、自然資源の調達が不安定化し、原材料等の供給量が制限又は一時停止して工場の稼働に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な台風や洪水などの急性的な気候災害が発生すると、当社グループの設備や労務環境が被災し、従業員の就業が困難になる可能性があります。その結果、自社拠点及びサプライヤーで一時的に操業が停止してサプライチェーンが寸断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。
気候変動をはじめとした地球環境問題の進行は、その緩和及び適応の局面において将来にわたり当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の除去、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染等に関する様々な環境法及び規制の適用を受けており、それらの遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。

3)知的財産権

当社グループは、製品開発の中で多くの技術あるいはノウハウを蓄積し、それらを保護するための知的財産権の取得に努めております。しかしながら、一部の地域・国では、知的財産権を保護する制度が不十分な場合があり、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があります。
また、当社グループでは他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされ、当社グループが技術を使用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。さらに、現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更される可能性があります。

4)人財確保

当社グループの新規事業を中心とした将来的な成長には、優秀な人財の継続的な獲得が欠かせないと認識しております。特に、IoT、AIに代表されるデジタル技術の普及に伴うデータの活用領域が拡大することによる様々なビジネスモデルの変化に対応するためには、IoT人財の強化が必要となります。計画どおりに人財の強化が進まない場合は、当社グループの目指すソリューションビジネスへの転換に影響を及ぼす可能性があります。

5)情報セキュリティ

当社グループは、様々な事業活動を通じて、お客様や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらの情報管理につきましては、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生する可能性があります。
企業を狙ったサイバー攻撃が多発しておりますが、当社グループにおいても、2022年3月に英国の子会社が第三者によるサーバーへの不正アクセスを受けました。この事案を受け、当社グループ全てに対してセキュリティ運用ルールの再徹底を実施しております。

④新型コロナウイルス感染症に関するリスク

1)新型コロナウイルス感染拡大の影響

当社グループは、グローバルな事業を展開しており、売上高における日本以外の地域の構成比は、80%以上を占めます。そうした事業環境下において、2019年度から続く新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、欧米地域では当社グループの顧客企業の事業活動が停滞し大きく需要が減少したため、当社グループの販売活動の停滞を余儀なくされました。新型コロナウイルス感染症の影響は、感染の規模や収束の時期について、2022年4月末現在において入手可能な情報等に基づいて、当社グループが判断し一定の想定をしております。
一方、新型コロナウイルス感染症と闘いながら経済活動を再開していく過程においては、医療従事者への一層の支援が必要とされるとともに人々の価値観や働き方にも変化が生じております。パルスオキシメーターの増産による感染者の在宅療養への対応、胸部X線のAI診断支援、遠隔診断支援や「Workplace Hub」を活用した多拠点連携による働き方改革支援、自社実践から得られたテレワークのノウハウ提供等は、これらの社会課題の解決を通じ事業機会拡大も想定されます。
以下、セグメントごとに、リスク(マイナス側面)と機会(プラス側面)の両面からご説明します。

(デジタルワークプレイス事業・プロフェッショナルプリント事業)
顧客企業のテレワークや事業活動の制限により、製品購入判断や設置の遅延、商談機会の制約や長期化、印刷量の減少が想定され、当社の経営成績においてもマイナスの影響がでております。
 プロフェッショナルプリント事業では、企業内印刷等のオフィスドキュメント印刷が減少しております。またリアルイベントの中止などにより、店頭における販促用の印刷物の需要回復が遅れております。

(ヘルスケア事業)
病院における一般患者や被検者の減少、当社グループからの病院や製薬企業への訪問が制約されることなどにより、販売の減少がワクチン接種による集団免疫獲得までは継続することが想定されます。

(インダストリー事業)
顧客企業のFPD(フラットパネルディスプレイ)製造ライン増設の遅延や最終製品の需要増減の影響が想定されます。特に中国の「ゼロコロナ政策」によるロックダウンが発生した場合、当該地区に工場を構える偏光板メーカー、パネルメーカーの工場稼働率に大きな影響が生じます。

(調達・生産)
新型コロナウイルス感染症拡大とその後の需要回復局面では、当社グループの生産に加え、サプライヤーの企業活動や物流網に至るサプライチェーン全体に影響が及んでおります。サプライヤーの需要回復に向けた過剰稼働による事故や局所的なロックダウンによる生産停止などの発生により、当社グループへの部材類の供給不足、生産への影響が断続的に発生しており、特に中国の「ゼロコロナ政策強化」等により、その影響範囲が拡大・長期化する可能性があります。また、サプライヤーの事業継続コストによる調達品目の価格高騰、もしくは事業継続が困難と判断された場合の代替品調達に伴う追加費用の発生などが生じる可能性があります。