2021年3月期 第3四半期 株主通信

株主の皆様へ

ごあいさつ

第3四半期は、営業利益、当期利益ともに黒字に転換しました。
また、新中期経営戦略「DX2022」がスタートしました。

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
「株主通信2021年冬号」をご高覧いただくにあたりまして、ご挨拶申し上げます。

当第3四半期連結累計期間(2020年4月~12月、以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は、6,148億円(前年同期比17.7%減)となりました。欧米を中心に新型コロナウイルス感染症拡大への対策としてロックダウンが再開される中、中国など景気回復が早い地域での販売拡大、また営業促進やサービス活動のオンライン化などの施策を進めて売上高を着実に回復させた結果、前年同期比での減収率は第1四半期の28%から第2四半期では17%に、第3四半期では更に8%まで縮小しました。

四半期推移(億円)

営業損失は246億円(前年同期は105億円の営業利益)となりましたが、第3四半期のみで見れば営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益ともに黒字転換しました。売上高の回復及び売上総利益率の改善により売上総利益額が増加した一方、販売管理費は上期に続き第3四半期でも1,000億円未満に抑制したことが黒字転換につながりました。
黒字化に加え、在庫適正化なども行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは406億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、計測機器事業での事業領域拡大を目指してフィンランドのスペキム社を買収するなど成長に必要な投資を行いながらも、設備投資を抑制した結果328億円となり、フリー・キャッシュ・フローは78億円のプラスとなりました。

第4四半期以降、21年度に向けましては、新型コロナウイルス感染症の影響には不透明感が残りますが、売上高の回復傾向を持続させながら、粗利率改善の継続と、スリム化した経費構造の維持により、引き続き大幅な利益改善に努めます。
また、新たに中期経営戦略「DX2022」を策定し、スタートしました。「DX2022」の基本方針は「デジタルトランスフォーメーション(DX)により高収益のビジネスへと飛躍する」こと、そして「真の社会課題解決企業へと転換していく」ことです。顧客価値をさらに高めていくために事業区分を見直すとともに、報告セグメントについても戦略に従って見直しました。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2021年2月 コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO 山名昌衛

売上高(億円)

営業利益(億円)

親会社の所有者に帰属する当期利益 / ROE(億円)

トピックス

コニカミノルタグループ 中長期の経営戦略を発表

DX2022

センシング分野においてハイパースペクトルイメージング事業に参入し、安全・安心・衛生の新規領域へ展開

SPECIM

「世界で最も持続可能な100社」に3年連続4度目の選定

事業別概況

QOLユニットと映像ソリューションユニットは、新セグメントでは「コーポレート・その他」に分類しています。

1.デジタルワークプレイス事業

事業内容

中堅・中小企業を中心としたお客様に、複合機やITサービス、ワークプレイスハブを組み合わせたサービスを提供することで、企業の働き方改革や生産性向上を支援します。

事業概況

A3複合機の販売台数は、第1四半期を底に回復傾向に転じ、第3四半期では中国などを中心に94%まで回復しました。消耗品やサービスなどの売上も同様に増加傾向にありますが、顧客の従業員出社率低下が継続しているために販売の回復が遅れています。欧米の顧客が多いITサービスでは、顧客のIT基盤構築を一括受託するサービスやセキュリティサービスが新型コロナウイルス感染症の影響が大きい中でも好調でした。また日本では都道府県や政令指定都市など50以上の自治体へDX支援サービスを展開しています。
この結果、売上高は3,362億円(前年同期比18.7%減)、営業損失は62億円(前年同期の営業利益は175億円)となりました。

関連リンク

2.プロフェッショナルプリント事業

事業内容

印刷業界のお客様に、パンフレットなどの商業印刷と、ラベル・パッケージなどの産業印刷の分野で、多品種・少量印刷のニーズに応えるデジタル印刷機を提供します。

事業概況

商業印刷は、オフィスに人々が戻り企業活動が正常化するに従って受注が戻る性質があり、売上の回復が遅れていますが、新たにラインナップに加えた高速機は、このような環境下でも中堅・大手の印刷会社への販売が好調です。産業印刷は、機器本体は、経済活動制限の影響を受け設置が減少していますが、生活に必要な製品のパッケージやラベルなどへの印刷は減らず、消耗品やサービスの売上は引き続き好調を維持しています。
この結果、売上高は1,187億円(前年同期比25.2%減)、営業損失は87億円(前年同期の営業利益は50億円)となりました。

3.ヘルスケア事業

事業内容

医療業界のお客様に、X線や超音波などの画像診断機器や医療ITサービス、遺伝子診断サービス、創薬支援サービスを通じて、医療の高度化に貢献します。

事業概況

主力製品であるデジタルX線診断装置は、新型コロナウイルス感染症の診断に用いられることと、病院への補助金の交付も影響し好調を維持しています。超音波診断装置は、産婦人科向けや、中国・アジア市場で販売数量が回復しました。主に米国で展開している遺伝子検査サービスや製薬会社向けの創薬支援サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大により売上が減少していましたが、第3四半期から前年並みに回復しました。
これらの結果、当事業の売上高は735億円(前年同期比14.0%減)、営業損失は71億円(前年同期は37億円の営業損失)となりました。

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4.インダストリー事業

事業内容

モノづくりのお客様に、コア技術を活用し、計測機器や機能フィルム、光学製品など、さまざまな産業のモノづくりの中核機能を担う多様な部品・機器を提供します。

事業概況

計測機器は、ディスプレイ検査用の計測器が引き続き好調でした。また、安心・安全・衛生領域への事業拡大を目指し、ハイパースペクトルイメージング技術の有力企業であるスぺキム社を買収しました。機能材料は、液晶テレビ向け、PC用及びスマートフォン用のフイルムが好調でした。IJコンポーネントと光学コンポーネントは引き続き経済活動制限の影響を受けています。画像IoTソリューションは、新型コロナウイルス感染症拡大の予防策として、非接触による体表温度測定に用いるサーマルカメラの販売が好調に推移しました。また、画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」の提供を開始しました。
これらの結果、当事業の売上高は854億円(前年同期比3.2%減)、営業利益は98億円(同12.2%減)となりました。

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