2023年3月期 第3四半期 株主通信

株主の皆様へ

ごあいさつ

第3四半期は、供給制約を乗り越えるための種々の施策により、受注残の解消が着実に進んだことが大きく寄与し、増収となりました。販売管理費の抑制も継続し、第3四半期累計で黒字となりました。引き続き、通期業績見通しの達成に向けて一丸となって取り組みます。

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
「株主通信2022年冬号」をご高覧いただくにあたりまして、ご挨拶申し上げます。

2022年度第3四半期の売上高は2,902億円(前年同期比34%増)となりました。第3四半期累計期間(2022年4月~12月、以下「当期間」)における、当社グループの売上高は8,210億円(前年同期比24%増)となりました。
デジタルワークプレイス事業では、第1四半期において、新型コロナウイルス感染症の拡大による中国工場での稼働率の低下、半導体などの部材供給のひっ迫、物流輸送期間の長期化などの影響により、複合機の供給不足が続いていました。第2四半期および第3四半期に生産数の拡大に努めた結果、受注残の解消が着実に進み、大幅な増収となりました。プロフェッショナルプリント事業およびヘルスケア事業も増収基調を維持しています。インダストリー事業では、機能材料ユニットが市況低迷の影響を受けたものの、センシング、光学コンポーネント、IJコンポーネントの各ユニットの好調により、増収となりました。

利益面においては、部材費や物流費の高騰による売上原価の増加、航空輸送増加の影響を継続して受けております。一方で、全社一丸となって供給を拡大し、販売管理費の抑制に努めた結果、営業利益は第3四半期で85億円(前年同期は85億円の営業損失)、当期間で33億円(前年同期は101億円の営業損失)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は第3四半期で34億円(前年同期は89億円の損失)、当期間で32億円の損失(前年同期は132億円の損失)となりました。

 

第4四半期も引き続きお客様からいただいている多くのご注文に対応し売上を最大化することで、通期の業績目標達成につなげます。第3四半期までで業績は想定以上に回復しておりますが、エネルギー価格高騰、金利上昇などのリスクを勘案し、2022年度の業績見通しは、売上高11,200億円、営業利益150億円、親会社の所有者に帰属する当期利益55億円、年間配当予想の1株当たり20円は据え置きます。

 

2023年、当社は創業150年を迎えました。1873年に杉浦六三郎が写真と石版材料の取り扱いを開始して以来、人々の「みたい」想いに応え、お客様や社会の課題解決に貢献するために、新しい価値を創出し続けてきました。この間、祖業であるカメラ・フォト事業からの撤退といった厳しい経営判断も行いながら、人々の働き方やモノづくりのあり方の変化など、事業環境の動向を先読みし、常に変革し続けてまいりました。
すべてのステークホルダーの皆様に支えられ、創業150年を迎えることができましたこと、改めて皆様に感謝申し上げます。

今、当社は、事業ポートフォリオ転換という大きな変革の時を迎えています。この150年の節目を新たなスタートと位置づけ、創業以来培ってきたイメージングの力を活かし、人々や社会の持続的成長に貢献していくために歩みを進めてまいります。

 

末筆ではございますが、株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年2月

コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO 大幸利充

売上高(億円)

営業利益(億円)

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親会社の所有者に帰属する当期利益(億円)

トピックス

ノバケアとコニカミノルタ、AIを活用した介護分野での協業に合意

「J.D. パワー 2022年カラー複合機顧客満足度調査℠」の
スモールオフィス市場部門で第1位を受賞

「世界で最も持続可能な100社」に5年連続6度目の選定

事業別概況

1.デジタルワークプレイス事業

当第1四半期において中国における経済活動制限の影響を受けて工場の稼働率が低下していましたが、制限解除後の6月以降、生産が回復しています。また、長期化していた物流輸送期間にも改善が見られました。当累計期間のA3複合機ハード販売台数は、欧州、米国、日本など主要地域で増加し、前年同期比でカラー機は148%、モノクロ機は97%、全体では125%と伸ばすことができました。また、9月末に575億円あった受注残高は12月末には364億円に減少しました(9月末、12月末ともに実勢レート換算)。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、顧客企業での従業員の出社再開によるプリント量の回復が地域によりばらつきはあるものの、全体では増収となりました。
また顧客のIT基盤を一括受託するマネージドITサービスの販売が欧米での受注伸長により拡大するとともにリカリング売上も増加し、前年同期比で増収となりました。
これらの結果、デジタルワークプレイス全体では増収増益となりました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

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2.プロフェッショナルプリント事業

プロダクションプリントユニットでは、デジタル印刷機の需要は引き続き堅調で、中国における活動制限解除後には生産および出荷が回復し、ハード販売台数は、当累計期間における前年同期比で、カラー機は125%、モノクロ機は110%、全体では120%と伸ばすことができました。また、受注残高は9月末の105億円から減少し、12月末には90億円となりました(9月末、12月末ともに実勢レート換算)。ノンハード売上高は、商業印刷会社でのプリント量が欧米を中心に回復し、中国、インドでの需要も増加しました。前連結会計年度にグループ会社で発生したトナー工場事故によるトナー供給不足が順調に回復したことにより増収となりました。
産業印刷ユニットでは、欧州でインクジェット印刷機「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1e」の販売台数が増加しました。ノンハード売上高は、印刷会社でのデジタル印刷化比率が高まり、一般商業印刷、ラベル印刷、加飾印刷、テキスタイル印刷のすべての領域で伸長しました。
マーケティングサービスユニットでは、引き続き欧米での主要顧客の販売促進活動が活発化したことに加え、日本と韓国でのオンデマンドプリントの拡大により売上が伸長しました。
これらの結果、プロフェッショナルプリント事業全体では増収増益となりました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

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3.ヘルスケア事業

X線診断に用いられるDR(デジタルラジオグラフィー)の販売数量は、日本の開業医市場で拡大したほか、米国ではX線システム向けを中心に病院市場で増加しました。超音波診断装置の販売数量は、日本の整形・産科向けが堅調に推移しました。また、医療ITでは、医療画像管理や遠隔医療、病院と開業医の連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が日本で拡大し、PACS(医用画像保管・管理システム)の販売が日本と米国で伸長しました。
遺伝子検査は、重点施策である生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査を中心に遺伝子検査の検査数が増加しましたが、米国で医療従事者の人員不足が長期化している影響を受けて、想定よりも遺伝子検査全体の検査数の増加が鈍化しています。創薬支援サービスは、同様の影響により、製薬会社による臨床試験の実施に引き続き遅れが生じていますが、緩やかな回復傾向にあります。遺伝子検査、創薬支援サービスともに新型コロナウイルス感染症拡大前の売上高を上回りました。
これらの結果、ヘルスケア事業の売上高は増収増益となりました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

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4.インダストリー事業

センシング分野では、光源色向け計測器は大手顧客からの受注やアジアでのディスプレイ需要を着実に捉えて、前年同期比で増収となりました。物体色向け計測器は北米での需要がけん引し好調を維持しました。外観計測およびハイパースペクトルイメージング技術を活用した検査機器でも受注が順調に拡大し、販売が伸長しました。
機能材料ユニットは、サプライチェーン下流の在庫調整が継続する中、当社の主力製品であるTVのVAパネル用位相差フィルムの販売は堅調に推移しましたが、IPSパネル用位相差フィルムおよびIT、スマートフォン用薄膜フィルム販売は影響を大きく受け、全体としてフィルムの販売数量が減少しました。
IJコンポーネントユニットは、主要市場である中国での経済活動制限解除による感染再拡大の中、一部顧客からの今後の市場回復への期待を含めた需要を前倒しで取り込めたこと、また欧米では高精細プリンタ向けヘッドの販売が好調に推移しました。
画像IoTソリューションユニットは、主要市場である欧州を中心とした監視カメラソリューションの販売伸長と、当第1四半期にMOBOTIX AG社が買収したVaxtor Ltd.の自動ナンバープレート認識ソリューションの販売が拡大しました。
これらの結果、インダストリー事業全体では減収減益となりました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

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