2024年3月期 第2四半期 株主通信

特集

前中期経営計画の課題・成果を踏まえ、事業の位置づけを見直し

前中期経営計画期間において、収益力が低下、赤字が継続した事業があった一方で、着実に収益を拡大した事業もありました。それを踏まえ、2023年度からの新たな中期経営計画において、各事業の位置づけを下記の4区分に見直し、各事業に対する期待と役割をより明確にしました。

※1インダストリー強化領域:センシング + 機能材料 + I J コンポーネント + 光学コンポーネント(産業用途)

※2プロフェッショナルプリント強化領域:プロダクションプリント + 産業印刷

新中期経営計画では「強化事業」に経営資源を配分し、高収益企業への回帰を目指す

これからの3年間では、事業の選択と集中を実行し、利益が出ていない「非重点事業」や「方向転換事業」の赤字幅を大幅に減らしていくとともに、「強化事業」「収益力堅守事業」の収益を着実に増やしていきます。これにより、 2025年度以降の成長基盤を確立していきます。

中期経営計画(2023-2025)の基本方針

事業貢献利益のイメージ

※ 事業貢献利益:売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を差し引いた利益で、当社独自の利益指標

社会・環境課題解決に貢献する成長ドライバー

世界的な自動車業界の人手不足を背景に、自動車製造ラインの自動化ニーズが高まっています。なかでも、車体の外観検査は検査装置の市場規模が年々拡大している一方で、いまだ目視検査に依存している部分が多く、品質安定化、省力化が大きな課題となっています。
そうしたなか、当社は強みである「外装の色計測・管理技術」と、外観検査のパイオニアでもあるグループ会社のEines Systems社(スペイン)が持つ「トンネル型自動検査技術」を掛け合わせ、外観検査の自動化・効率化を実現するシステムを開発しました。これによってライン上を流れる車体を止めずに塗装欠陥や隙間段差を自動で検査することができ、労働者を単純作業や過酷な環境での作業から解放します。
また、塗装欠陥の自動検査ではシャープペンシルの芯の直径ほどの欠陥も見逃さないほどの精度を実現しています。さらに、AIの導入によって多種多様な塗装欠陥を詳細に分類・分析することができるため、前工程へのフィードバック、後工程での自動修繕システムとの連動が可能となっています。
今後は急速に普及、発展が進む電気自動車の製造ラインにおいても多様な検査ノウハウと技術を提供し、自動車業界のさらなる発展と効率化に貢献していきます。

外観検査システムの提供価値

現在、日本の社会課題となっている医療費の増大は、生活習慣病の増加が要因の一つとしてあげられます。生活習慣病は一度かかるとその後も治療が続くため、未病時の発病予防や病気の重症化予防が重要となりますが、患者さんのモチベーションが続かないことや通院中に治療を自己判断で中断してしまう場合があることが課題となっています。 当社は、これまでも医療機関向けに情報プラットフォーム「infomity(インフォミティ)」を提供し、医療のICT化と情報連携を支援してきましたが、2023年6月に患者さんが活用できる「infomityスマートクリニックサービス」を発売しました。LINE®や健康管理アプリを通して、普段から患者さんに医療機関とのつながりを持ってもらうことで、日常に寄り添った医療の提供をサポートし、生活習慣病の予防や重症化の予防に貢献します。

※「infomity」は、厚生労働省が定めるガイドラインに準拠したセキュリティーの高いシステム環境を有し、機密性の高い個人情報などを利用する際にも安心して使用できます。

「infomityスマートクリニックサービス」のメリット

患者さんがLINE®を利用して医療機関からの情報を簡単に確認できる

患者さんが、医療機関から送信された検査結果を健康管理アプリですぐに確認できる

患者さん自身が日々の健康状態を記録することで、治療や通院に対するモチベーションが保てる