2017年(平成29年)3月期 第2四半期 株主通信

特集

日本人の2人に1人ががんにかかる時代を迎え、早期発見や的確な治療が社会的な課題となっています。当社はフィルム製造で培った技術をもとにあらたな病理診断技術を開発し、がん治療の進化に貢献していくことで、将来の事業の柱へと育てていきます。

がん治療の費用と負担を抑える新技術「蛍光ナノイメージング」

近年、がん治療の分野では、副作用を抑えつつ治療効果を高めるため、肺がん、乳がんなど特定のがん細胞だけを狙って作用する新薬(分子標的薬)の開発が進んでいます。こうした新薬の開発や使用にあたっては、がん細胞に発現する特定タンパク質の種類や位置、量を把握することが重要です。
これまでの測定手法は、細胞を発色させて顕微鏡で目視するというものでしたが、医師の負担や計測精度に課題があり、結果として開発工程の長期化と費用の増大を招き、薬価にも転嫁されていました。

このような問題を解決するのが、当社が東北大学と共同で開発した「蛍光ナノイメージング」技術です。「蛍光ナノイメージング」は、その画期的な計測精度によって新薬開発の短期化を可能にし、薬価と医療費の抑制に貢献します。また、より効果的で副作用の少ない薬を実現することで、患者様の負担も軽減できます。当社は、このような医療分野の課題解決に寄与する技術を新たな事業へと育てていくことで、さらなる成長を目指します。

コニカミノルタ「蛍光ナノイメージング」による解決策

写真用フィルムの技術を応用した蛍光ナノイメージングとは?

従来、特定タンパク質を計測するには、酵素反応によって発色させたタンパク質を医師が光学顕微鏡を使って目視で計測する手法が一般的でした。この手法では、医師の負担が大きいだけでなく、反応の温度や時間によって発色にばらつきがあるため、計測精度に課題がありました。
蛍光ナノイメージングでは、ナノメートル(=10億分の1メートル)単位の「蛍光ナノ粒子」を使ってタンパク質を発光させます。従来の蛍光色素と比べて3万倍もの明るさで、精度の高い観測ができます。当社はこの「蛍光ナノ粒子」を、写真用フィルムの領域で培った材料合成技術を駆使して開発しました。さらに、当社が得意とする画像処理技術を用いて、発光させた細胞組織をデジタル撮影して高精度解析することで、特定タンパク質の個数や位置を正確に測定します。このようにがんを「見える化」する独自の技術によって、当社はより効果的な新薬の開発やがんの治療に貢献します。

従来
目視で判断するアナログ手法

蛍光なのイメージング-確実な診断が可能なデジタル手法

酵素で発色させた細胞組織を光学顕微鏡で観察し、発色の濃淡を見分けながら、濃く発色した箇所だけを数え、がん細胞かどうかを判断します。

蛍光名のイメージング
確実な診断が可能なデジタル手法

蛍光ナノ粒子で発光させた細胞組織をデジタル撮影し、特定タンパク質の個数、位置、面積を自動解析で測定。正確かつ効率的な診断が可能です。

蛍光ナノ粒子の機能とは?

特定タンパク質だけに反応して均一に明るく光らせるため、酵素反応のように発色の濃淡を目視で見極める必要がなく、確実な観測が可能です。従来の酵素反応と比べると約3万倍の明るさがあり、容易に見分けることができます。

蛍光ナノ粒子の機能とは

蛍光ナノイメージングを用いたサービスを幅広く展開し、
病理診断の世界標準に

蛍光ナノイメージングは、医薬の研究から開発、さらには医療現場での診断に至る各工程で役立つ技術です。日本の製薬会社が創薬や治験に投じてきた年間総費用は10兆円以上※にのぼります。その費用を削減し、効果的な薬をより早く、的確に、そして安価に患者様へ届けられる未来を目指して、当社はがん治療の各工程の課題解決に寄与する新たな製品・サービスを提供していきます。 当社は日本で、蛍光ナノイメージングを用いた病理標本作製サービスを2015年7月に始めています。 がん治療の高度化に対する世界の期待に応えるべく、当社は2016年6月にフランスのパスツール研究所、バイオアキシャル社との共同開発プロジェクトを開始。2017年には米国でも事業を開始する計画です。蛍光ナノイメージングが世界標準の病理診断手法になるよう、事業を推進していきます。

出所:厚生労働省 医薬品産業ビジョン2013

コラム
受け継がれる技術と魂

蛍光ナノイメージングの実用化にあたっては、高輝度の色素を持つ蛍光微粒子を、いかに均一に合成するかが問われました。この難題を解決できたのは、当社が フィルムメーカーとして培ってきた独自の技術があったからこそです。フィルム事業から撤退した今も、約140年にわたって写真フィルムを生み育ててきた技術は連綿と受け継がれています。そうした技術と、「自らの技術を社会に役立てたい」という想いを受け継いだ人財が、新たな夢に向かって挑戦を続けているのです。

受け継がれる技術と魂

当社ホームページでも紹介しています。

デジタルで産業印刷に新たな顧客価値を創出 新製品「アキュリオジェットKM-1」

マーケティングの世界では、消費者の購買意欲を高めるために、地域・季節を限定した商品や、消費者一人ひとりに対応した商品などの開発が進んでいます。
ラベルやパッケージを少部数で作成したり、贈答用ワインのラベルに名前や日付を金箔で印字して特別感を醸成するなど、よりきめ細かな対応が求められています。また、ファッションの世界でも、地域、季節ごとの流行の変化に対応するために、多様なデザインを、少量ずつプリントする生地づくりが求められています。
こうした産業分野の高度な印刷ニーズに応え、当社は新たな「デジタル印刷」の可能性を拡げていきます。当社は2003年、トナー式デジタル印刷機の課題であった印刷品質とスピードを劇的に高めた旗艦製品を発売。印刷業界に革新をもたらし、以来、デジタル印刷機の市場を牽引してきました。近年は、産業印刷分野における変化にいち早く対応するため、新機種の開発や他企業との提携によって、より高付加価値な印刷を実現できる製品づくりを推進しております

産業印刷の市場規模

こんなところで活躍!

例えば贈答用ワインボトルで
誕生日プレゼントにワインを贈る際、日付や名前を入れた金箔ラベルでサプライズを演出!

例えば商品パッケージで
ブランドの“顔”となるパッケージを箔押しやニス加工で演出し、店頭での訴求効果をアップ!

例えば商品ファッションで
生地にデザインを直接プリントする「テキスタイルプリント」なら、少量でも対応可能!