データセクション

ブランディング

デザイン

当社は、ブランド力の強化と優位な市場競争の展開をすべく、魅力的なデザインの創作に努めています。2021年度はガス監視ソリューションや生体情報モニタリングシステム「VS1」など5製品について国内外で各種の賞を受賞しました* 。ガス監視ソリューションについては、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「グッドデザイン賞」を受賞し、ガス漏えいの見える化によるプラント安定操業の実現という顧客提供価値を最大化するデザインが高く評価されました。

図8.ガス監視ソリューション

この創作活動の成果を着実に守るために、創作者に向けた教育活動も実施しています。2021年度においては、日本意匠法の改正によりグラフィカルユーザーインターフェースなどの画像のデザインも意匠権で保護できるようになったことを受けて、顧客価値創出へと繋がる今後の実践的な活用について、知的財産部門でオンライン教育コンテンツを作成・配信し、社内周知を行いました。これにより、ネットワークを通じて提供されるアプリケーションソフトウェアについて、独特の美感、優れた操作性を備える画像デザインの意匠権取得へ向けた動きが開始されています。製品・サービスはもとより企業の価値向上へ向けて、顧客の多様なニーズを捉えたデザインを意匠権で戦略的に保護し活用していきます。

* 関連情報:
コニカミノルタのデザイン
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/design/index.html

ブランド

「KONICA MINOLTA」、シンボルマークといった当社コーポレートブランドは、コニカミノルタグループの信用・信頼を表象するものであり、その価値は当社全ての企業活動によって築かれるものです。当社では、ブランドの価値の維持、向上を図ることを目的として、コーポレートブランドの使用基準及び管理についての基本方針を定めています。知的財産部門は、その方針のもとに、これらコーポレートブランドの法的保護活動を担っています。具体的には、約180カ国にて当社コーポレートブランドを商標登録するとともに、これを活用して、当社コーポレートブランドを無断使用した商品の押収や、当社のものと誤認混同するような第三者商標出願の監視・対策を行っています。特に、中国においては、当社トナーボトルの模倣品販売の摘発を継続実施するとともに、誤認のおそれがある第三者商標の出願に対して積極的に異議申立てを行い、ブランド価値の毀損防止へと繋げています。このような活動を通じて、当社の持続的な成長の原動力の一つであるコーポレートブランドを法的に保護し、コニカミノルタグループに寄せられる信頼の維持・向上に貢献しています。
当社では商品・サービスについても商標による保護を進めています。2022年3月に横浜みなとみらいにオープンした当社プラネタリウム直営館においては、登録商標「PLANETARIA」及びロゴマークのもとにお客様へ豊かで比類ない「星空」体験を提供しています。

図9. コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAの商標

5年間の主要データ

(百万円)(年度) 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
売上高 1,031,256 1,059,120 996,101 863,381 911,426
営業利益 53,844 62,444 8,211 -16,266 -22,297
研究開発費 77,021 78,395 74,040 65,034 62,678
特許保有件数 21,276 20,235 20,453 19,814 19,737
国内 12,926 11,678 11,757 11,083 11,174
国外 8,350 8,557 8,696 8,731 8,563
特許取得件数 2,269 2,053 2,198 1,850 1,602
国内 1,473 1,183 1,226 1,234 1,163
日本企業中順位※1 12 22 19 11 15
国外 796 870 972 616 439
米国特許取得件数
日本企業中順位※2
24 21 24 22 33
審査請求率 48.2% 79.3% 64.5% 82.0% 83.7%
特許査定率 83.0% 81.1% 83.0% 76.4% 78.6%

※1特許庁発行の「特許行政年次報告書 2022 年度版」の情報に基づく特許取得数の順位。

※2Intellectual Property Owners Association(Top 300 Patent Owners)の情報から推定した順位。

  • IFRS基準
  • 特許取得件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許
  • 保有件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許
  • 審査請求率=審査請求件数/審査請求期限日が年度中にある案件数
  • 特許査定率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+ファーストアクション後の取下げ・放棄件数)
  • 売上高、営業利益、研究開発費は2016年度を1とした指数(左軸)
  • 特許保有件数は国内及び国外特許保有件数を合計し、2016年度を1とした指数(右軸)

図10. 主要データの推移

当社は、中期経営計画に基づいた各事業計画と連動させた特許ポートフォリオ の構築に努めています。2021年度は、経営状況及び外部環境変化を受けて、収益の回復が急務である事業については、特許保有・取得を厳選する一方、成長が見込める領域においては、成長戦略を支援する新たな特許出願、特許権の創出活動に注力しました。この結果、全体の特許の保有件数、及び特許取得件数については昨年度に比較し、減少しています。

図11. 出願日が2017年度以降の指標*において2019年度を1とした推移

「知的財産戦略2017-2022」の展開を始めた2017年度以降に出願された特許については、特許の注目度を数値化した指標*が年々上昇しており、その特許ポートフォリオの価値が向上しています(図11)。引き続き、知的財産の価値評価を行い、事業に貢献する特許ポートフォリオの構築に取り組みます。

* 株式会社パテント・リザルトのBiz Cruncher で提供される権利者スコアを有効特許件数で割った値。

データハイライト

知財ポートフォリオ転換

「計測・検査・診断」領域での事業成長へ向け、事業拡大を図っているインダストリー事業、ヘルスケア事業、プロフェッショナルプリント事業について、知財投資の配分を高め、当社の特許ポートフォリオにおける同事業の占める比率を拡大させています(図12)。
また、事業成長を支える画像IoT技術の当社強み領域であるImaging AI「人行動・先端医療・検査 」*での特許出願件数が、前年比+38%へと増加しています(図13)。

* 関連情報
画像IoT技術
https://research.konicaminolta.com/jp/technology/overview/

※過去分を含め、事業部間でのポートフォリオ組み換えや組織編成により、比率の変動が生じます
図12. 事業別特許出願構成比
図13. Imaging AIに関連する特許出願件数推移

2021年度の外部評価

<Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター2022に選出>
当社は、世界的な情報サービス企業である英国のクラリベイト社が選定する「Clarivate Top100グローバル・イノベーター2022」に選出されました。これは、クラリベイト社が保有する知的財産・特許データを基に、2000年以降に500件以上の出願を行い、過去5年間で特許登録された発明を100件以上保有する企業・組織の中から、「影響力」、「成功率」、「グローバル性」、「技術分野の広さ」の4つの要素で卓越性を評価し、世界の⾰新的企業・組織上位100社を選出するものです。当社の特許ポートフォリオがイノベーションを生み出す価値の高い知的財産として評価され、今回の受賞につながったものと考えています。

※詳細はこちら https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/2022/0311-01-01.html

<記述情報の開示の好事例に選出>
金融庁では、各社の有価証券報告書における情報開示の好事例を公表して、投資家との建設的な対話に資する充実した情報開示を促しているなか、当社の「事業等のリスク」の開示内容が、2022年2月4日発行の「記述情報の開示の好事例集2021」で紹介されました。「知的財産権に関するリスクについて、類似製品の流通や他者の知的財産権の侵害などのリスクのみではなく、SDGsの推進や新型コロナウイルス感染症の対策支援などの機会の観点も含めて具体的に記載」している点が評価されています。 

※詳細はこちら(外部リンク) https://www.fsa.go.jp/news/r3/singi/20220204.html

<発明奨励賞を受賞>
公益社団法人発明協会主催の2021年度地方発明表彰において、当社の特許第6428621号(発明名称:湿度変動に強い液晶表示装置用光学フィルム)が発明奨励賞を受賞し、技術的に優秀かつ、実施効果の高い技術を生み出した発明者として当社の社員が表彰されました。

※詳細はこちら(外部リンク) http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R3/jusho_kanto/index.html