知的財産活動の方向性

知的財産の活用

近年のデジタル化の加速的進展によりモノ売りビジネスから、ソリューションビジネス・ITサービスへの事業転換が急務とされている中、その実現にはイノベーションの創出が不可欠です。当社はイノベーション創出に単独で取り組むだけでなく、M&Aやオープンイノベーションも積極的に活用し、技術やノウハウ等の知的財産をはじめとする無形資産を獲得しています。
当社は、これら無形資産の効果的な活用を通じて事業転換を加速し、事業利益の拡大のみならず、様々な社会課題に向けたソリューション提供を実現します。

知的財産戦略

知的財産は経営資源の一つであり、事業戦略、技術戦略と結びついた知的財産戦略は経営において不可欠な要素です。当社では、先の中期経営計画「SHINKA 2019」の策定とともに、各事業を知的財産で支えるため、知的財産戦略2017-2022を策定しました。知的財産戦略2017-2022では、基本特許の獲得と独自技術を囲い込む特許網構築、ノウハウ・データの知的財産戦略への組み込みと活用などに取り組み、さらに、事業や知的財産に関する環境変化に応じて毎年アップデートを行ってきました。
また、知的財産戦略2017-2022を着実に実行していくため、同戦略とともに、質向上のための戦略と施策、人財育成のための戦略と施策を展開しており、知的財産の資産価値の向上、同戦略の実効性向上にむけて知財プロの育成に努めています。当社は、2020年度に策定した新たな中期経営計画「DX2022」において、独自の「画像IoTプラットフォーム」を核としたデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて事業ポートフォリオの転換を図っています。この状況を踏まえ、知的財産戦略2017-2022をベースとして、画像IoT知財ジャンルトップ戦略を新機軸として立ち上げ、業容転換の核となる画像IoTプラットフォームビジネスを知的財産面からサポートしています。

図1.知的財産戦略の変遷

事業フェーズに応じた取り組み

当社は、各事業における事業フェーズに沿って知的財産活動を行っています。戦略的新規事業では、市場創造・参入を着実に進めるべく、顧客価値を起点とした知的財産の創出、関連するデータ・ノウハウの保護に注力し、コア事業では、事業の持続的成長・収益化の柱となる技術を保護することにより競争優位性の確保に努めています。安定収益事業・低収益事業では、事業環境に応じて知財投資効率を最適化する知財ROI管理を行うことにより、収益力及び競争力の維持・向上の実現に取り組んでいます。

図2.事業フェーズと知的財産活動での取り組み