2022年3月期 第3四半期 株主通信

株主の皆様へ

ごあいさつ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
「株主通信2022年冬号」をご高覧いただくにあたりまして、ご挨拶申し上げます。

当第3四半期連結累計期間(2021年4月~12月、以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は、6,615億円(前年同期比7.6%増)となりました。
当期間では、世界的な半導体などの部材不足や、港湾混雑などによる輸送期間の長期化が影響し、デジタルワークプレイス事業のオフィスユニットでは、受注は回復していますが製品供給が不足したことで、売上が伸び悩みました。その一方で、プロフェッショナルプリント事業は、トナー工場事故の影響があるなかでも増収、ヘルスケア事業は国内がけん引し増収、インダストリー事業はセンシングや材料・コンポーネントを中心に大幅な増収となりました。
売上高、売上総利益を回復しながらも、販売費及び一般管理費の水準を維持し、当期間の営業損失は101億円(前年同期は246億円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は132億円(前年同期は206億円の損失)と赤字幅を縮小しました。

 

トナーを生産している辰野工場で、7月と8月に爆発事故が発生しトナー供給不足が生じましたが、事故発生の原因究明とその対策を第三者機関も交えて徹底的に行い、問題がないことが確認できましたので、生産と供給を再開し、その後は安定稼働を続けております。トナー供給不足では、お客様に多大なご心配とご迷惑をおかけしました。改めてお詫び申し上げます。

 

2021年度の通期業績予想につきましては、売上高9,000億円、営業利益は120億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を15億円と、売上高のみを修正します(修正前は売上高8,900億円)。オフィスユニットでは、輸送期間の長期化により想定より増加した受注残を解消することで売上につなげ、プロフェッショナルプリント事業はトナー供給の正常化に合わせて販売促進活動を再開します。また、ヘルスケア事業と、インダストリー事業は、現在の売上成長を加速させます。これらにより、業績予想の達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2022年2月

2022年2月 コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO 山名昌衛

売上高(億円)

営業利益(億円)

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親会社の所有者に帰属する当期利益 / ROE(億円)

トピックス

「世界で最も持続可能な100社」に4年連続5度目の選定

事業別概況

1.デジタルワークプレイス事業

オフィスユニットでは、A3複合機の受注は継続して回復していますが、半導体等の部材不足による生産遅延や港湾混雑による輸送期間長期化の影響が拡大し、販売台数は前年同期比でカラー機は78%、モノクロ機は86%、全体では81%になりました。欧米での新型コロナウイルス感染症の再拡大により、消耗品やサービスなどのノンハードの売上は回復が停滞していますが、全体では前年の水準を上回りました。
DW-DXユニットでは、オフィス・ソリューションの分野は、複合機の販売台数減少の影響を受けましたが、顧客のIT基盤を一括受託するマネージドITサービスは、米国のセキュリティサービスに対する需要を捉え、リカリング収益が好調に推移しました。顧客のビジネスプロセス効率化を提供するデジタルワークフローソリューションは、米国の政府系の顧客で売上が伸長しました。ワークプレイスハブは、受注数、顧客平均単価ともに増加しています。

売上高(億円)

営業利益(億円)

2.プロフェッショナルプリント事業

プロダクションプリントユニットでは、機器本体の販売台数は、前年同期比でカラー機は102%、モノクロ機は96%、全体では100%になりました。消耗品やサービスなどのノンハードの売上高は、中堅大手の印刷会社を中心に商業印刷需要が回復基調にあります。また、辰野工場の爆発事故によりトナー供給が不足しましたが、顧客への影響を抑制するよう努めました。
産業印刷ユニットでは、効率的かつ高画質な印刷が可能となるインクジェット機の稼働率が上がり、1台当たりのプリント量が増加しました。併せて、日用品の堅調な需要回復や欧州アパレル市場の回復が継続し、ラベル印刷やテキスタイル印刷でもノンハードの売上高が伸長しました。最終需要の拡大により、ハードウェアの販売も増加しました。
マーケティングサービスユニットでは、欧米での景気回復、日米韓では新規顧客獲得、及び、主要顧客の販売促進活動の段階的な再開に伴い売上が拡大しました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

3.ヘルスケア事業

ヘルスケアユニットでは、DRの販売台数は、国内では前年同期を上回り、国外は特にインド、アジア市場で大きく数量が増加しました。超音波診断装置は、国内のほか、米州、中国市場でも販売台数が増加しました。また、国内では新型コロナウイルス感染症の自宅療養者貸出用途で自治体向けにパルスオキシメータの販売台数が大幅に増加しました。医療ITでは、国内ではITサービス「infomity」の販売が引き続き好調に推移し、米国ではPACSの販売は回復基調が続いています。
プレシジョンメディシンユニットでは、遺伝子検査は、米国での新型コロナウイルス感染症再拡大により病院への来院者数減少の影響を受けていますが、検査数は継続して増加しています。創薬支援サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により治験参加者が減少し、製薬会社の治験開始遅延が継続していましたが、顧客でのアルツハイマー等の治験が再開し売上に貢献しました。

売上高(億円)

営業利益(億円)

4.インダストリー事業

センシング分野では、光源色向け計測器はアジアでのディスプレイ需要を着実に捉えて売上を維持しました。物体色向け計測器は各地域とも売上が好調に推移し、自動車外観計測では新規案件でパイプラインが増加しました。また、HSI(ハイパースペクトルイメージング)分野でも新規受注を順調に獲得しました。
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットは、大型テレビやIT領域の好調な需要を確実に捉え堅調に推移しました。IJコンポーネントユニットは、中国、アジアでのサイングラフィックス用プリンターの需要や、成長領域の工業用途向けが堅調に推移し増収となりました。光学コンポーネントユニットは、プロジェクタ用レンズは回復基調が継続しました。
画像IoTソリューション分野では、画像IoTソリューションユニットは、当社の強みであるイメージング技術をベースに最新のIoT、AI技術を融合させた画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」の 戦略的パートナー数を順調に増加させ、ソリューション展開を加速しています。映像ソリューションユニットでは、直営館事業は国内初のLEDドームを採用した施設であるプラネタリウムを名古屋に新規にオープンし、3月に予定している横浜の直営館の開業準備も計画どおり進捗しています。

売上高(億円)

営業利益(億円)