TNFD開示
ガバナンス
自然関連のリスクおよび機会にかかる組織のガバナンス
コニカミノルタでは、代表執行役社長が自然資本への対応を含む環境マネジメント全体についての最高責任と権限を有し、環境マネジメントの有効性について責任を担っています。そして代表執行役社長から任命されたグループ環境責任者が同マネジメントを推進し、中期計画を作成するとともに、その進捗状況について、経営審議会その他会議および監査委員会へ定期的に報告し、経営課題として審議しています。主要な目標値の設定や変更等の意思決定は、取締役会の承認を得て実施しています。具体的には、2008年、2020年、2023年に取締役会で目標値の設定や変更の承認を実施しています。
| 時期 | 取締役会での承認事項 |
|---|---|
| 2008年 | 長期環境目標(エコビジョン2050)「生物多様性の修復と保全に取り組む」 |
| 2020年 | 5つのマテリアリティ(「有限な資源の有効利用」を含む) |
| 2023年 | 「地球資源使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を2050年までに90%以上削減する」、「自社製品以外での地球資源使用の削減貢献量を拡大する」 |
また自然関連の依存・インパクト、リスク・機会を評価・管理する際に考慮すべきステークホルダーの影響については、コニカミノルタグループ人権方針、人権デュー・デリジェンスに沿って考慮しています。
取り組みの詳細は以下をご参照ください。
戦略
自然関連のリスクおよび機会にかかる組織の事業・戦略・財務に対する影響
コニカミノルタではマテリアリティの一つである「有限な資源の有効利用」について、長期ビジョンとして2050年の定量的な目標を設定しています。地球資源※使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を90%以上削減するとともに、自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大していきます。自社製品やサービスの提供に使用する資源において、枯渇資源に該当する地球資源に依存しない事業形態へ変革し、事業活動を通じて企業価値を向上することを目指しています。これらの取り組みは、調達コストの安定化や製品競争力の維持・向上を通じて、当社グループの財務に影響を与えるものと認識しています。
中期的に取り組む活動計画の具体化にあたっては、2023年に発表されたTNFDの提言内容を参照し、コニカミノルタの事業における地球資源および生物多様性への依存とインパクトを評価しています。TNFDが提唱する9つのグローバル中核指標の視点においてイシューを抽出して事業活動における自然への依存とインパクトを評価し、リスクと機会を特定しています。
※地球資源:原油や鉱物資源等の新たな採掘をともなう資源。一般に枯渇性資源と同義
| TNFD中核指標 | コニカミノルタへの影響 | |||
|---|---|---|---|---|
| 自然の変化要因 | 9つの中核指標 | リスク | 機会 | |
| 依存 | 土地/淡水/海洋利用の変化 |
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| 資源の利用 |
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| インパクト | 汚染・汚染除去 |
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自然シナリオ分析の実施と結果
コニカミノルタでは、2030年時点で業績に影響を及ぼす事業リスクと、課題解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれ特定しています。政策強化により自然が保護・回復に向かう場合と、現行の延長で自然が劣化し続ける場合の2つのシナリオを想定し、リスクの発現あるいは機会獲得の可能性がある対象セグメント、分類、時間軸および対処を明示しています。対処においては、緩和階層(Mitigation hierarchy)アプローチを念頭に設定しています。
シナリオ分析は以下のプロセスで実施しています:
- 対象事業分野の特定
- 重要な自然リスクおよび機会の特定
- 自然に関するシナリオの検討
- 今後の対応方針・戦略の検討
分析にあたっては、直接操業だけでなく、上流・下流における自然関連の依存・インパクトを含め、リスク・機会の特定・評価・優先順位づけを行っています。
政策強化により自然が保護・回復に向かう場合
| コニカミノルタへの影響 | 自然の 変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 調達・製造 コストの増加 | 循環型社会促進策等による製品への再生プラスチック資源利用への要求 | インパクト | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策、 技術 | 短~中期 | 【最小化(Minimization)】 環境ラベル・製品規制の新基準要件への準拠、顧客調達要件への対応、材料技術による積極的な再生プラスチック利用拡大 |
| 製品開発 コストの増加 | 使用済み製品のリサイクル義務化 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 | 政策 | 中期 | 【最小化(Minimization)】 製品の再製造・再使用体制/製品回収サプライチェーンの構築 |
| 製造・製品 コストの増加 | 化学物質規制・土壌汚染防止の強化による事業影響 | インパクト | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策 | 短~中期 | 【最小化(Minimization)】 早期規制動向の察知と予防的な製品開発、計画的な土壌浄化 |
| 調達コスト の増加 | 枯渇資源の循環利用対応不足 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 市場 | 中期 | 【最小化(Minimization)】 循環資源の積極的な活用と自社製品の循環利用促進 |
| 製品サービス の需要変化に よる売上減少 | 森林資源の減少にともなう保護規制・紙需要の減少 | 依存 | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 政策、 市場 | 短~中期 | 【回避 (Avoidance)】 プリントチャージに依存しない収益モデルへの転換 |
| コニカミノルタへの影響 | 自然の 変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ビジネス パフォーマンスに 関わる機会 | 商業/産業印刷サプライチェーンを変革するデジタルソリューション | インパクト | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 |
| 循環社会における材料種判別の高度化技術 | インパクト | インダストリー事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| オンデマンド生産プロセスの提供による製造工程効率化 | インパクト | インダストリー事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| 水ストレスが高い地域(インド、トルコ、イタリア)での水レス染色システム | 依存 | プロフェッショナルプリント事業 | 製品/サービス | 短~中期 | |
| サステナビリティ パフォーマンスに 関わる機会 | 循環資源を活用した製品の拡大 | インパクト | デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 天然資源の持続可能な利用 | 中期 |
| 有害物質フリー製品の拡大 | インパクト | インダストリー事業 | 生態系の保護・回復・再生 | 長期 | |
現行の延長で自然が劣化し続ける場合
| コニカミノルタへの影響 | 自然の 変化要因 | 対象セグメント | 分類 | 時間軸 | 対処 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 生産能力 減少による 収益減 | 天然資源の環境汚染による規制化にともなう調達不安定化 | 依存 | インダストリー事業 | 慢性物理 | 長期 | 【回避 (Avoidance)】 特定の天然資源に依存しない製品設計と開発 |
| 水ストレスの高い地域(東南アジア)でのサプライヤー操業停止・供給量低下 | 依存 | インダストリー事業 デジタルワークプレイス事業 プロフェッショナルプリント事業 | 慢性物理 | 長期 | 【最小化(Minimization)】 生産・調達拠点の水リスク評価、水使用量の削減 | |
〈自然に関連する「機会」〉
なし
シナリオ分析の凡例
| セグメント | インダストリー事業、 デジタルワークプレイス事業、 プロフェッショナルプリント事業、 画像ソリューション事業 |
|---|
| 移行リスク | 政策、市場、技術、 評判、法的責任 |
|---|---|
| 物理的リスク | 急性物理、慢性物理 |
| システミック リスク | 生態系不安定化、 金融不安定化 |
| ビジネス パフォーマンスに 関わる機会 | 市場、資本の流れと資本調達、 製品/サービス、資源効率、評判資本 |
| サステナビリティ パフォーマンスに 関わる機会 | 天然資源の持続可能な利用、 生態系の保護・回復・再生 |
| 長期 | 10年以上 |
|---|---|
| 中期 | 3年以上~10年未満 |
| 短期 | 1年以上~3年未満 |
| 依存 | 土地の総フットプリント、土地/淡水/海洋利用の変化の範囲、水ストレス地域からの取水・消費、土地/海洋/淡水から調達する高リスクの天然資源 |
|---|---|
| インパクト | 土壌汚染、排水量、廃棄物の発生と処分、プラスチックによる汚染、非GHG大気汚染物質 |
| 評価時期 | 2026年3月 |
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リスクとインパクト管理
自然関連のリスクとインパクトを識別・評価・管理するために用いるプロセス
コニカミノルタでは、資源および生物多様性を含む環境リスクは、グループ全体の経営リスクの一つとして位置付け、リスクマネジメント委員会において管理しています。また、特定の自然資源への依存を有する事業においては、事業中期計画のなかで、生産・調達リスクを評価・特定して対応を行っています。加えて、自然関連の依存・インパクト、リスク・機会の特定・評価・優先順位付けのプロセスについては、〔戦略〕に記載しています。
指標と目標
自然関連のリスクおよび機会を評価・管理するために使用する指標と目標
コニカミノルタは、長期的なビジョンとして「地球資源使用ゼロに向けて、自社製品における地球資源使用量を2050年までに90%以上削減する」「自社製品以外での地球資源の削減貢献量を拡大する」および「生物多様性の修復と保全に取り組む」を目標に設定しています。この長期目標を達成するためのマイルストーンとして、中期経営計画(2023-2025)に紐づく「中期環境計画2025」において管理指標を設定しています。2025年度末までに、自社製品における地球資源使用量を2019年度比で20%削減することを目標としました。また、自社製品以外でのお客様・社会における地球資源使用削減貢献量40万トンの創出も目指しました。これらの目標に対し、2025年度はいずれも達成となりました。2026年度から始まる新たな中期計画においても、自社製品における地球資源使用量の削減、自社製品以外でのお客様・社会における地球資源使用の削減貢献量の拡大を目標として掲げ、自然資本への依存低減と貢献拡大を進めていきます。
また、各国地域における法規制および条例順守に関連する環境項目については、排水量、廃棄物、非GHG大気汚染物質を管理指標として設定し、定常的にモニタリングしています。
製品のライフサイクルごとの測定管理指標につきましては、ESGデータ内の環境データをご参照ください。